公務員試験青春白書 pt.1

(まず結果から言うと受かりました。努力の賜物だねぇと思われるかもしれないですが、ほとんどが親と周りの人と運のおかげです。皆さんありがとうございました。)

🍆

ここからは最終合格に至るまでの経緯を書いていこうと思う。
受験勉強開始当初は4つ持ち駒があったが、今回6月に一次試験があるA日程で合格したので受験した自治体は1つのみでストレート合格だった。他の3つは受験していない。試験そのものの話はA日程だけのものになる。
さらに、B日程に関しては試験の概要が発表された時に受けるのを辞めたので申し込みすらしなかった。(そしてフジロックに行った)

まず公務員受験の発端から。2015年の9月の事になる。俺がまだ前職でサラリーマンをやっていた頃、会社で特に仲の良いAビルさんとMさる君とよく飯を食べながら将来のことについて語っていた。支店でも二人は中核を担う存在だったので「役員会」みたいな名前をつけて、ただ中華を食べながら将来の事を危惧しまくっていた。その中で「社会人やめてまた勉強し直したい」という話になった。大学でもっと知識を身につけるべきだったとか過去を振り返っても仕方ないことは俺たちも分かっていた。そこで候補に上がったのが資格と公務員試験。中でも公務員試験は仕事に直結するので「勉強したい」という目的の達成とキャリアアップが同時に狙える。前職の業務にうんざりしていたので市役所の事務職はすごく魅力的だ。接客業をアルバイトで長くやってきたので人と関わったり困ってる人の手助けをすることには多分だけど適性がある。
「これだ」と思って、公務員試験経験者のAビルさんに詳しく話を聞いた。この時点で俺の計画はスタートしたのでその後の行動も早かった。

ある程度、退職から公務員試験合格までのビジョンを組み立てたところで、今度は親に相談する為に実家に帰った。まだ入社1年ちょいでろくに貯金もないのに退職して勉強するという無茶な計画に親は難色を示す。そりゃそうだ。でも父は「方向性は良い」と言ってくれた。交渉を進めて、生活費の補助をしてもらえる事になった。これが本当に大きかった。退職してからのアルバイトも週2〜3日程度で、残りは勉強していても生活していける見込みが立った。

基盤ができた時点で早めに退職したほうが良いと判断したので9月末日に会社を辞めた。皆なんか色々くれた。なんだかんだ良い会社だった。10月いっぱい有休消化で、ガーデニングとか漆喰塗りをして過ごしつつ予備校のことを調べ出した。

16万くらいの受講料をローン組んで、12月から講義が始まった。早い人は6月から対策してる人がいる中、かなり遅れてのスタートだ。「半年しかない。遊ぶ暇なんてあるわけない」と講師は口を揃えて言うが、いかに。割と遊んでた。
一コマ3時間の授業。俺の全盛期の集中力をもってしてならまだしも……今27歳だ。目は乾くしスマホいじっちゃうし二日前に講義受けたところほとんど忘れてる。それでも勉強してるって事実を作る為に講義はきちんと受けた。もう講義が終わってるのもたくさんあって、それは音声をダウンロードして家で聴きながら勉強した。

俺が狙ったのは受験科目が教養試験のみの自治体。専門科目はミクロ経済・マクロ経済とか明らかに難しそうだったし期間が足りなくなると思って避けた。要するに教養のみの方が簡単そうだと思ったからだ。
ところがよく調べてみると教養試験はバカみたいに出題範囲が広い割に単元ごとの出題数がごくわずかで、例えば人文科学って科目で言うと、日本史、世界史、地理、哲学、文化史などの全範囲から2〜3問。時間対効果が低すぎる…。でもまあ申し込んじゃったので頑張ることにした。

教養試験は知能科目と知識科目に大分される。知能科目は文章理解(現代文、英語、古文)と数的処理(数的推理、判断推理、空間把握、資料解釈)で成り立つ、文章の空欄補充や文章から式を立てて解いたり図形の面積を求めたりパズルみたいのをやらされたりするやつ。基本的な解法と応用力が求められる。
知識科目というのは人文科学(中学でいうとこの社会)、自然科学(理科)、社会科学(政治経済法律)で、基本的に暗記するやつ。
教養試験の配点は知能科目が半分以上を占めているので、まずそこから勉強することにした。高校大学共に文系だったので、まず苦手な数的処理から手を付けた。前述の通り、既に講義の5分の2くらいが終わっていたので過去の講義はDVDルームか音声を利用した。講師の説明は非常にわかりやすく、前に買った市販の参考書で全然分からなかった問題も簡単に解けるようになった。数的処理の講義:数的処理の復習:知能科目の講義を2:2:1くらいの比率で勉強していった。1日の勉強時間は講義時間入れて最高7時間くらい。バイトの日はほとんど勉強してないので平均4時間くらいだ。およそ必要とされてる時間の半分しかやってない。自習してても腹減って19時くらいに帰るし家でやろうと思っても1時間くらいしか集中できずすぐに寝る毎日だった。しかし全く焦りはなかった。やり方が効率良かったのか、数的処理に関しては確実にやり方が頭に定着した実感があったからだ。

3月くらいにようやく数的処理を1周終えた。人によっては問題集を3周もやるとか言うが、ペースの遅い俺には到底無理だ。数的処理の問題集もいい感じにボロくなってきて少し満足した。そこで一旦数的処理は置いといて、文章理解に手を付けた。講義はとっくに全部終わってたので全部音声のみで講義を受けた。DVDでも良かったが文章理解に関してはあまり板書を見る必要性を感じなかった。国語も英語も得意なので最初の方は割とスラスラ解けた。途中、内容一致や整序問題などでつまずくこともあって、改めて日本語の難しさを感じた。

三月の中旬に模試があった。朝早く起きて予備校で受けた。この時点で知識科目はほとんど頭に定着してなかったので半分くらい適当にマークした。結果は確か4〜5割くらいだったと思う。一般的に市役所の合格ラインは6割。40問中20〜25問が知能科目なので知能科目を間違えなければ後はカンで行けると思っていた。

4月くらいから知識科目の攻略に移行した。同時に文章理解の現代文と数的処理の資料解釈の問題を1日1問解く習慣をつけた。3日くらいしかもたなかった。知識科目はまず人文科学の日本史を選んだ。大学受験にも使ったので馴染みがある。新石器時代からひたすら詰め込みまくった。江戸時代後期まで進んだところで鎌倉時代の問題をやってみたら全然解けなかった。明らかに知識が定着していない。初めて焦った。もう2ヶ月しかない…。そこで友達のマッキーと金沢に旅行に行った。

4月も模試があったが朝早すぎて行けず、問題をもらってセルフでやった。得点は変わらず5割くらい。知能科目4割+カンでマークした知識科目1割という感じだった。さすがにこれじゃだめだ。筆記試験は黒か白の世界。6割に満たなければその時点で終わり。とりあえずなかなか覚えられない日本史がうざくなってきたので世界史にかえてみた。古代ギリシアとかカタカナの長ったらしい名前ばかりで日本史の二の舞を踏むと思いすぐにやめた。こうなりゃ地理しかない。

地理はかなり楽しく勉強できた。ケッペンの気候区分などに最初は苦戦したが、気候や地形がその地域の産業などにどう影響してるのかが分かるし、片方覚えればもう片方も関連して覚えられるような場面が多くて面白かった。単語もカンポ・リャノ・グランチャコとかパンパとか小気味良いのばかりで覚えやすかった。
それでも知識は次から次へと抜けていくし応用的な問題は難しかったので地理は2周した。
4月の下旬、完全に直前期に入っていたが勉強時間は増やさなかった。日曜日に自習室に行くと満席で舌打ちしながらそのまま家に帰る事も多かった。何でこんなに長時間勉強できないのか自分に腹を立てた時もあったが、やっぱり5,6時間でいつも帰ってた。

次に哲学を勉強した。短時間で効率よく点数が取れると講師が言っていてウキウキで勉強した。カタカナネームの山だったが不思議と苦じゃなかった。マーカー引くだけだと覚えられない事が分かって全部ノートに書き写してめちゃ頑張った。本試験では1問も出題されなかった。

自然科学に行く前に社会科学を勉強した。こちらも短時間で効率だせそうなところを狙った。法律、政治、社会を1週間くらいで全部詰め込んだ。これは勉強したことがそのまま教養になる感じで充実感大きかった。気付いたら6月になってた。

つづく

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?