フィリピン株市場5月まとめ~通貨・株ダブル安~

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 5月31日のドル=フィリピンペソ相場は、1ドル=58.51ペソと、ペソが対ドルで4月30日の終値と比べ1.3%下落しました。
 フィリピン証券取引所(PSE)に上場する株式を見ると、5月31日のPSEiは4月30日の終値から5.0%(335.54ポイント)下落し、6433.10ポイントとなりました。 
 PSE上場の全株式は1.8%の下落でした。指数組み入れ銘柄の下落が目立ちました。
 セクター別に見ると、サービス業が7.0%上昇し、最も高い伸び率でした。以下、鉱業・オイル(5.2%)、工業(1.4%)、持ち株会社(▲0.7%)、不動産(▲4.2%)、金融(▲8.1%)と続きました。

【概観】

 5月のフィリピン金融市場は、引き続きフィリピンペソが対ドルで落ち込みました。
株式も上旬は調子が良かったのですがその後はだめでした。
一番の原因は利下げの目途がまだまだ立たないことだと考えられます。米国での利下げ観測後退を受けて、フィリピンでも予定時期より後ろ倒しになるのではないかとの思惑があります。
フィリピン中央銀行幹部の最近の発言では、早ければ今年の7~9月期の利下げもあり得るとしています。しかし足元のペソ安を考慮すると、米国より早く下げるのは難しい(もしそうすれば、金利差は縮まる→さらなるペソ安懸念)。

【新規株式上場(IPO)情報】


カナダ系鉱業オセアナゴールドが13日に上場しました。初値はIPO価格を下回ったものの、現在は1割高くらいで推移しています。
今後、直近では再エネ企業シティコア・リニューアブル・エナジーが6月7日の上場を予定しています。その他にGキャッシュやSMプライムの上場がまだ計画の段階としてあります。

【今後の予想】


 米国の利下げ時期次第。株、通貨ともに大幅に改善する展開は考えにくい。

【個人的注目銘柄】


 どのセクターでも富裕層向けがフィリピンでは成長性が高いのではないかと常々考えています。
 不動産では高級志向のSHNGやROCK。ここらへんは超割安で財務も健全、来たるべき低金利時代(永遠に来ないかもしれませんが)に備えて。
 また高級小売りでZARAや無印良品を展開しているSSIも、割安で、最近の株価の動きも悪くありません。
 富裕層は教育に投資する道理ですが、STIはここ1年ほどで株価が2倍以上になりました。私のポートフォリオでも一番の稼ぎ頭です。爆発力はないもののじわじわ上がっています。最近のPERは10倍に近づいてきて、そう割安とも言えなくなりましたが。
 決算前後の株価の動きを見ていると、決算発表の数日前に株価にあやしい動き、その後の決算では無風、みたいなことがあります。超コネ、いい加減社会のフィリピンではインサイダー取引など防げるはずはないとはなから分かっていますが。

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