散文詩


2009.8.30


1932年とメールしたらカタカナの「ネ」がかわいいネ






2009.07.30


夏なのに泣かせて放置しておくの?


ボウフラ涌いても知らないんだから


080331


リアリズム。

滑らかなプラスチックの感触に飽き果てたので砂遊びをすることにする。
車の上には遠い大陸から飛んできた黄色い砂がいっぱい積もっている。
ぼくは雨水、汚水と混ざって流れていくはずだった雨水を加えて砂を浸す。砂はぱっと色を変えて泥になる。
ぼくは苛立っているのでふとした拍子にお城づくりを諦めてしまいそうだ、と思う。それでも砂場に手を伸ばし、全身を伸ばして土と水を混ぜる。多分ぼくの睫毛は非常に真剣な角度に引き立てられている。
ビターチョコレート色の土台を、ざらざらを指の股になすりつけながら土を集める。砂を固める。ぺたべた叩いて、口元をぬぐう。泥が唇の端から顎まで垂れた。
ふんばっていた両膝に力を入れて、入れると両膝の間隔はどんどん開いていく。泥をかきわけて開いていく。たっぷり加えた水はもう膝のあたりまで流れてきているから、膝のあたりの土もずぶずぶしてるんだ。
息を吸うと喉のあたりがひきつる、けど口も鼻も開けてはぁはぁ城を作る。五月の青緑の光が白い砂を照らしている。砂場は木陰だから、ぼくの視界ちらちら枝の間を抜けてくる光が走っていく。木はゆれている。静謐なんだ、と思う。いつの間にか気持ちは落ち着いて、意識は真っ直ぐ砂場に伸びた。反復の記憶を繰り返し、城の土台はできあがる。まず端っこに塔を作る。尖塔の先を丁寧に丁寧に指先でひっぱるようにして整える。
城が見える。できあがった城が見える。大きな城郭を備えた西洋式の城で、今見張り番は交代した。レンガ作りの塀の外は堀で囲まれていて、外の土地とは跳ね上げ式の橋でつながっている。外の土地はビターチョコレート色で、時々蟻がよたよた歩いてくる。蟻の背は白く砂場の光を照らし返す。そこでふぅっと苛立ちを取り戻す。
ジョウロを傾けても、蓄めておいた雨水は出ない。水道場に走ろうとして、あんまりお水は使わないようにしないといけないよ、と言われてる気がし、ジョウロ片手に持ったまま右足で作品をとりこわす。左足に体重かけて支えながら、左右に足を揺らして砂の表面をこすりつけてふみつけて暴掠する。


郊外

よる、走る。少女と男がならぶ車。

どこまでもどこまでも、「サンヤ」の果てまで行ったら車ごと柵を突き抜けるだけ。ありふれたお話。

お姫様と王子様のように、

女の子と男は行く。

二人は酔っているのかもしれない。

道路はどこまでも真っ暗で、街頭はどこまでも等間隔で、

時々ちかちかしたり、消えてたり。道路には自転車一台、猫一匹通らない。

狸でもいればひきころすんだけど。そういうと、ブレーキがかかる。

物語の予感に笑う。

完全なる価値観の

人がたくさん寝転んでる。てんてんてん。

できない子クラブ。



080402

さとのリロード。
三歳位のさとが靴音たてて走る。さとはまだ子どもだ。とても幼い子どもだ。
ぼくを受け入れることはできない。
いや、それでも何の問題はない。ぼくはさとを愛おしむ、さとはぼくの近くをちょこまか動きまわって、時々とても真剣な角度で睫毛を傾ける。いい子の手の振り方であるく。
さとは時々部屋中のブラインドを下げて回ったりゴミ箱をひっくり返して捨てた人形で遊んでいたりする。いたずらをして回る。
いたずら。
ぼくの口角が少しあがる。さとはブラインドをぐちゃぐちゃに巻き上げた。絨毯の部屋はいくらかミルクの臭いがする。
さとのリロード。さとをリロード。
ずっと前まで。もっと前まで。


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