ゆとりのゲーム感想「スクリューブレイカー 轟振どりるれろ」
【はじめに】
「隠れた名作」と聞くとワクワクする。
それが「任天堂」発売ならなおさらワクワクする。
任天堂から発売されているのに、マイナーなゲームなんてあるの?
あるんです!
任天堂から発売、開発はまさかのポケモンでお馴染みのゲームフリーク。GBA専用ソフト「スクリューブレイカー 轟振どりるれろ」である。
私はこれを実機ではなくWiiUのバーチャルコンソールで購入しプレイした。なぜなら、このゲームはプレミアで平気で10000円とかするゲームだからである。プレミアと聴くと、一層「隠れた名作感」が高まる。私は期待をしながら、このゲームをプレイし、クリアした。
この記事はそんなゲームのレビューでもあり、私の愚痴でもある。
さぁ、GBAソフト「スクリューブレイカー 轟振どりるれろ」のレビューが始まるぞ。
【どんなゲームなのか】
このゲームは2005年に発売されたGBAソフトである。2005年というとすでに「ニンテンドーDS」が発売され、ゲームの転換期だ何だで沸きに沸きまくっていた時代。そんな中で任天堂がGBAソフトとして送り込んだのが本作である。
なぜ、DSソフトとして発売しなかったのかは分からないが、おそらく本作のキモである「あたかもドリルを自分で持っている快感!」みたいなのを押し出したかったのかGBAの振動機能付きのソフトとして作られたのだろう。私はバーチャルコンソールでプレイしたので分からなかったが、実機でやるとそれはもうブルッブルGBA本体を揺さぶりながら、プレイすることになるだろう(振動が嫌いな私はおそらく実機でも振動はオフにすると思うが)。
ジャンルでいうと"探索型横スクロールアクション"だろうか。同じGBAソフトである「メトロイドフュージョン」、「ワリオランドアドバンス」みたいな感じを想像してもらえると分かりやすい。マップを探索しながらアイテムを集め、奥地にいるボスを倒せば、そのステージはクリアだ。
さて、本ゲームの最大の特徴を教えよう。
それは「ドリル」である。
有名なネットスラングとして「ドリルは男のロマン!」というのがあるが、本作のドリルの使い手は女の子である。
どうでもいいが、ドリル=ロマンっていうのはどこから広まったのだろう。おそらく何かのマンガやアニメなのだろうが、私は特にこの穴を開ける道具にロマンは感じない。ハンマーや大剣の方が"漢!"という感じがするし、そもそもゲームでドリルが武器に挙げられること自体が少ない。
それで言うならば、本作はキャラクターやゲームデザインはオリジナリティー溢れる作品となっている。
「可愛い女のコがドリル両手に大暴れ!」
字面だけなら本当にワクワクさせてくれるゲームじゃないか。
これが実際のゲーム画面。真ん中のロボット「ラセンダー8」に乗っているのがプレイヤーである。このロボットからは基本的に降りることはできず、乗った状態で移動、戦闘を行う。
操作方法は、
・左右に移動
・ジャンプ
・ドリル攻撃(Rボタンを押すと右回転、Lボタンを押すと左回転、ジャンプ中も攻撃可能)
・周りを見渡す(上を見る、下を見る)
これらが基本だ。さらにドリルを使った固有のアクションとして、
・ノックバック(ドリルの回転中にドリルを逆回転させると後ろに高く吹っ飛ばされる)
・つきぬけ(ドリルで障害物を壊した時に移動ボタンを押していると、連続で障害物を壊せる)
等、多彩なアクションを見せてくれる。
アクションの中で特筆すべきなのは、「ドリアップ」だ。
フィールドでは、「ギア」というアイテムが落ちていて、それを手にすると、ラセンダー8は最大3段階までレベルアップすることができる。レベルが上がるにつれて壊せる障害物が増えたり、攻撃の持続時間が長くなったり、障害物を壊す時間を短縮したりできる。レベルを上げることにデメリットはなく、基本的に、ステージをクリアするにはドリルのレベルを最大まで上げる必要があるので、フィールドをくまなく歩き、ギアを見つけるようにしよう。
さらに、とあるステージでは、ロボットを改造して海中を進むステージや空を飛んで、ひたすら高い場所を目指すステージもある。ここでも、ドリルを使うのだが、陸上の時とは操作感が大きく違うので、独特なアクションとなっている。
他にもドリルを使ったギミックがいっぱい。思う存分ドリルを回してステージを攻略しよう。
ストーリーも中々アツいものとなっている。
個性豊かなキャラクターが数多く登場し、演出やストーリーと相乗効果でユーザーを飽きさせないような努力が見られる。主人公はあまり喋らないタイプのキャラだが、ドットの表情が豊かで、特に違和感が無い。王道で"おやくそく"が見られるストーリーで子供には分かりやすく大人はニヤリとするストーリーである。
【私の感想】
とまぁ、ここまでが概要。
こんなに魅力が詰まっているソフトなら楽しめたんじゃない?
私の答えはNOだ。
いや、全体的に言えば良作と言える。ストーリーとかは本当に良かったしな。しかし、私はこのゲームに期待しすぎた結果、肩透かしをくらってしまったのだ。
それでは、どこが合わなかったのかを説明していこうと思う。
(アクションがトロい)
私はこのゲームを始めてすぐに、
「メトロイドフュージョンみたいなゲームなんだ」
と感じた。実際に探索型アクション+ステージ性を組み合している等、共通点は多かった。
ただ、違ったのはアクション面だった。
まず、このくるりちゃんはサムスみたいにキビキビ動いてくれない。体感でいったらダッシュとホバリングができないカービィぐらいにトロい。しかも、こんなトロい子を操作して探索するので、まぁ時間がかかる!ステージ自体も広いのである程度は許容できるが、長いステージは本当に30〜40分くらいかかる。一応ダッシュみたいなのもできるが、使いづらかった。
もう一つ言うと、まぁこれは私だけかもしれないが、ステージが進む事に新たなアクションが追加してくれれば良かったと思う。メトロイドはボスを倒す事に新しい武器やアクションが増えていって、探索の幅が広がるだけでなく、移動の面でも飽きさせない工夫をしてくれる。スクリューブレイカーもギミックや特殊なステージで工夫をしてくれていたのだが、メトロイドほどのカタルシスみたいなものは感じなかった。(まぁ、あまりにも似すぎているとこれメトロイドやん、みたいになりかねないから難しい所ではあると思うが)
(特殊ステージの難しさ)
概要の説明で新たなロボットに乗り、海中や空を進むステージがあると説明したが、これは正直楽しめなかった。1番最初の乗ったところがピークで、後は途中の敵の配置や難しい操作方法を要求される場面で何度もイライラした。おそらくリアルタイムにプレイした人でここで詰んだ人が少なからずいると思う。
私が下手だっただけかもしれないが、特に敵の配置にイライラした。海中では潮の流れが強い所に敵が配置されていて、潮に流されずに敵を避ける動きを要求したり、空では、敵を避けながらドリアップを続けなければならない、という難しい操作からストレスが溜まりに溜まった。ここはもう少しぬるくても良かったと思う。
他には、制限時間があるステージもあった。先程説明した移動のトロさと制限時間の相性はサイアクで、かなりシビアだと感じた。メトロイドやワリオランドにも制限時間はあったのだが、それよりも精密なアクションを要求されるステージが多かったと思う。
以上、これらが私の中で評価を大きく下げた理由である。
【評価点】
とは言え、世間が評価するように魅力も多数ある。特に私が良いと感じたのは王道ながらもアツい展開や演出が良かった。最終決戦では、対立していた相手と共闘するのだが、それも自分の中では上手いなと感じた。
キャラクターもすごい好きだ。個性豊かでそれぞれの掛け合いも面白い。二次創作も未だに多く作られていることから多くの人から人気なことが窺える。
音楽もまぁ悪くなかった。ステージ毎ではなく、ドリルのレベルによって変わるのだが、アツいBGMが多かった。まぁ飽きるのも早かったが。
以上、これらが私の中で評価した点である。ただ、ダメな部分を先にあげたことから分かる通り、あくまでも肉付けされた部分が良かっただけであり、ゲーム内容は正直つまらなかった。
【まとめ】
始めてすぐにメトロイドだ!と思うと急に期待値が高まったことが、今回の肩透かしの発端と言える。反省、反省。といってもやけに長いチュートリアルで眠気を誘った後に、特殊なアクションを要求してストレスを溜めてしまうコンボから自分には向いていないゲームだったと自負している。まぁ、良作なのは分かるんだけどな。やり直すこととかは今の所考えてない。探索型横スクロールアクションは私の1番好きなジャンルなので、このような評価を下してしまったことにも何か蟠りが残る。誰か、このゲームの魅力を私に教えてくれ。
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