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神をも恐れぬ悪魔の所業。【スウィニー・トッド

※2008年2月に某所にアップした文章の転載です。

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以下、ネタバレを一部含む感想だけど読んでも影響は無いと思う。


ええ、ストーリーはまあ、公式サイト( http://wwws.warnerbros.co.jp/sweeneytodd/ )でも読んでいただくとして、まあ「因果応報」とか「純愛と妄執」とかいろいろ言えると思うんですけどね。


・・・たぶんテーマとか全然関係ない。ティムバートンもジョニーデップも「徹底的におぞましい絵」が作りたかっただけだと思うのよ。いやまあ、このコンビはいっつもそうだけどさ、今回のは顕著。日記タイトルは「スウィニー・トッド」に、ではなく「ティムバートンとジョニーデップ」に捧ぐっ。


いいよ、観に行くといいよ、コレ。


ただし気分悪くなったとか夕ご飯が食べられませんとか、上目遣い涙目で唇かみ締めて訴えられても当方は感知しませんから。具体的には「ベイビー オブ マコン(ピーター・グリナーウエイ監督)」「蝿の王(ハリー・フック監督)」「ピストルオペラ(鈴木清順監督)」、以上のうちひとつでも「コレハびじゅあるテキニだめダ」って作品があったら観ないことをおススメ。


ジョニー・デップ初のミュージカル映画ってことで話題でしたが、ヘレナ・ボナム=カーター、アラン・リックマンとのデップの二重唱がどちらも秀逸です。特にアラン“スネイプ先生”リックマンがいいです。(あ、アラン・リックマンにヘレナ・ボナム=カーター、ティモシー・スポール・・・ハリポタ出演者ばっかりだ。要するに「イギリス臭い俳優」ってことなのかな)。


ビジュアルはー、なんていうんかね、スチームパンクなロンドンですよ。
陰鬱で霧雨で石畳で煤煙で歯車で石炭ストーブで下水で臭うように不衛生なロンドン。道行く人たちも建物もロンドン。骨まで湿っぽくなるような狂気のロンドン。ろんどんろんどんユカヒナろんどん。


一部出演者の妄想とか回想とかのシーンを除き、ほとんどモノクロームに近い画像処理。「チャーリーとチョコレート工場」の「チャーリーたちが住む町」の描写を思い出してくれたらわかると思う。


その中で血だけが赤いです。


熱したみたいなトロトロ感のある赤い粘液がどばどばー、どぼぼぼー。で、ときどき噴水みたいに飛び散ります。


三池崇もジャンゴで似たようなコトしてました。タランティーノもキル・ビルでやってました。


・・・クロサワの怨念ですかね。


ちょっと違うのは血の赤がちょっとシアンがかってます。クロサワっぽい血の色は C0 M100 Y100 K5ぐらいで、ジャンゴもキルビルもそんなですが、この映画だと C10 M100 Y70 K0かな?
あえてちょっとリアルじゃなくしてるカンジ?


でもって・・・ううーん、音がね、こっちはありえないくらいにリアルだわ。


首の皮を破って脂肪層にめり込む「ぐみょ」、頚骨に剃刀の刃があたる「ごきょ」、引き切っていく「ざしょー」って音。落下した死体が石畳の床にたたきつけられる「ごぼしゃ」・・・えとせとらえとせとら。


・・・いいなあ(うっとり


・・・惜しいなあ、この映画視聴会で使ったらヤバイダロなー(なんかたくらんでますよ?

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