2023年のモノマネ業界を話題になった動画で振り返る

2023年、皆様にとってどのような年だったでしょうか。

私は普段、Youtube動画を中心にモノマネ業界の動向を見ています(@maneport1)。そこで2023年という1年を、注目を集めたものまねタレントや、話題になったモノマネ動画とともに振り返ってみたいと思います(ショート動画や切り抜き動画は除いています)。


モノマネ業界で注目を集めた人は誰か

2022年後半にレッツゴーよしまささんが注目され、今年も活躍の1年でした。1月1日には「いま本当にスゴいものまね芸人ランキング2023」で第1位になり、様々なメディアに出演する破竹の勢いでした。ネタも「素の志村けん」を軸としつつ、昭和歌謡曲の歌マネや、過去のモノマネ番組の知見を活かした芸へと、徐々に芸の幅を広げています。会社員も続けており、「副業することで余裕が生まれる」という言葉のとおり、焦らず自分のやりたい芸を突き詰めているようです。多分レッツゴーよしまささんはいつか本を出す気がします。

あわせて注目されたのが、ジョニー志村さん。2022年末の「ザ・細かすぎて伝わらないモノマネ2022」でタモリさんのモノマネで一気に注目度を集め、今年もさらに活動の幅を広げていました。もともとは「影武者X」としてXのモノマネなどされていましたが、年をとるとともに、タモリさんに似せられるようになったそうです。感慨深い。というように今年も憑依系のネタが人気でした。

一方、アイドル鳥越さんも昨年末にウエストランド井口さんのモノマネ(+オリジナルソング)の動画をアップし、かなり視聴数を集めました。5月には井口さん本人にも対面。もともとマネしていた吉高由里子さんのモノマネよりもウエストランド井口さんの方がモノマネの代名詞になったようです。とか言って12月には「井口からの卒業」という動画も発表し、今後は別の芸風でいくのかもしれません。

モノマネされる側としては、浜崎あゆみさんがちょくちょく注目されていました。1月には紅しょうがの熊元プロレスさんをご自身の新曲ミュージックビデオに起用したり、キンタロー。さんの過剰なモノマネに対して(おそらく表面上の)憤りを示しつつ評価するコメントを出したり。「モノマネされる側」として、浜崎さんの立ち振る舞いは大変こなれていると感じさせられました(私だけかもしれませんが)。


モノマネ業界はどんな1年だったか

さてそんなモノマネ業界。コロナもおさまってきたせいか、営業やショーで忙しくされる方も昨年に比べ増えてきているようです。例えばミラクルひかるさんは2022年にガーシーのモノマネ動画で話題になりましたが、2023年はYoutubeチャンネルで動画をアップすることはありませんでした。コロナ禍の時に比べ、Youtubeで作品を公開する人はだいぶ絞られてきている印象です。とはいうものの、神奈月さんは動画を発表しつつ、4年ぶりに単独ライブを実施。マルチに活動を続ける方も多くいます。

このようにYoutube上では多少落ち着きを感じる一方、テレビ番組はまだまだ影響力が大きく、企画力も高いと感じました。定番のモノマネ特番以外も、「ものまね師弟バトルMANEー1」「アーティスト別モノマネ頂上決戦」「ものまね THEワールド」など、新しい切り口のモノマネ番組も多く放送。ものまねタレントも、テレビに出演した後に、即座に関連する動画を自分のYoutubeチャンネルでアップするのが定石となっているようです。モノマネ番組で1位を取れなくて悔しい話、鬼連チャンで歌った曲を歌マネでやる動画、細かすぎてでやったネタを改めて発表するなど、何かしら関連動画をアップされている方が多くいました。Youtubeのチャンネル登録者数もウォッチしていますが、やはりテレビ出演で話題になった後は、登録者数も増えているようです。例えばほいけんたさんも、「千鳥の鬼レンチャン」において松浦航大さんと独特の歌唱を見せつけ、あっという間に話題の人となりました。

A Iをかませた音声技術の発展も著しく、自分そっくりの声をAIで作れる技術をアップルが発表しました。モノマネ業界に直接的な影響はまだ無いようですが、近々何かしら関わってくるような気がします。AI生成音声ではないですが、最新の技術を積極的に取り入れようとしているのはコロッケさん。VRやVtuberとコラボした作品を発表していました。またカラオケDAMでは、コロッケものまねパークなる機能も搭載されました。


話題になったモノマネYoutube動画

このような2023年でしたが、話題になったモノマネYoutube動画を紹介します。Youtube上で100万回以上の視聴数を叩き出した動画として以下のようなものがありました。

1.ものまねBreakingDownのオーディション 1分間で一番面白いモノマネを決める Vol.1

255万回再生。1分間で1番ものまね が面白いやつを決める、ものまね Break Downのオーディンション動画です。Vol.2もVol.3も100万回再生を突破しており、2023年でかなり試聴された動画でした。よくわからない緊張感も醸し出す中、モノマネを繰り広げ確かに面白かったです。

これとは別に、Gたかしさんが、Breaking Down8のオーディションに行ったときの動画も逸品でした。一触即発するのではないかというハラハラの中、モノマネをやりあう様子は癖になりそうです。


2.よよよちゃん「新しい学校のリーダーズ/オトナブルー」

249万回再生。よよよちゃんの作品は、MVの動画作成にもかなり手が混んでおり、「オトナブルー」の話題性と共に、ご自身のテレビ出演などによる知名度の向上も合わせ、相当の視聴数を叩き出していました。ちゃんと調べてないですが、Youtubeチャンネル登録者数も2023年で15万人ぐらい増やしています(30万→45万)。


3.アイデンティティ田島「YOASOBI/アイドル」の「エぇドル」

242万回再生。アイデンティティ田島さんは、話題曲の歌マネに加えて野沢雅子節を入れてネタ化するのがポイント高いです。


4.まなまる「クレヨンしんちゃんが『アイドル/YOASOBI』を歌ってみたら」

239万回再生。まなまるさんはクレヨンしんちゃんの声でピアノ弾き語りを行うスタイル。2020年頃から話題となっていますが、まだまだ強いです。


5.よよよちゃん「YOASOBI/アイドル」

200万回再生。オトナブルーに続き、2作目の200万回超えの作品です。1993年のB'zとか1995年のMr.Childrenみたい。


6.内村のツボる動画/そっくり館キサラメンバーの最強モノマネ歌メドレー

160万回再生。世界で話題になる動画を作成、世界に発信するプロジェクトです。おそらくこの動画、今のところプロジェクトの中で最も視聴数を稼いでいます。


7.荒牧陽子「アイドル/YOASOBI」

147万回再生。これで「アイドル/YOASOBI」で100万回視聴を超えたのが4作品。いかにこの曲が話題となったかよくわかります。


8.レッツゴーよしまさ/古舘伊知郎の番組にサプライズ登場

130万回再生。1月に登場しており、まさにブレイクして間も無い頃の、絶妙なタイミングで登場したサプライズ&インタビュー動画です。


9.よよよちゃん「HoneyWorks/可愛くてごめん」

119万回再生。この曲も話題になっていましたが、よよよちゃんのキャラや作風ともうまくハマっていたようです。2023年に100万回再生を超えた作品は3つ。すごいですね。


10.松浦航大/モノマネショーパブ でお客さんに変装した松浦航大がステージに乱入したら?

102万回再生。歌マネが視聴回数高くなる傾向がある中、企画モノで堂々の100万回超えです。松浦航大さんは歌唱力もあり複数人歌マネメドレーも行けますが、企画モノも実力が感じられます。とはいえしばらくは歌中心に進めると2023年末に発表されました。

以上、100万回再生を超えた作品では「アイドル」の歌マネが4曲、よよよちゃんの作品が3作品入っています。後ショート動画は除いていますが、以下のアイドル鳥越さんのウエストランド井口モノマネ動画が、766万回試聴されていました。


個人的にハマったYoutubeモノマネ動画

再生回数で話題になった動画は上のとおりですが、個人的に気になった動画(特に新しい試みをしているもの)を以下に紹介します。

1.神奈月/ショーパブ巡り

モノマネを楽しむ場所として、ショーパブ があります。こちらで実際に繰り広げられるモノマネの芸を、神奈月さんが実況する動画。ショーも楽しめ、神奈月さんのコメントも楽しめるというお得な動画です。


2.たむたむと沙羅の結婚式

今年の1月に、ものまねタレントのたむたむさんと沙羅さんが結婚を発表。お二人はホリプロコムものまね軍団に所属しているので、結婚式動画では様々なものまねタレントが芸をしておりエンターテイメントとして盛り沢山なセレモニーとなっていました。


3.コロッケ/五木ロボット工場をバーチャルプロダクション化に!

コロッケさんが五木ロボットのネタを、映像技術によってバーチャルプロダクション化した動画です。映画のワンシーンのようでした。


4.よよよちゃん/最強ディズニーソングメドレー声だけで歌ってみた!

よよよちゃんが2023年に発表した作品の中で私がもっと好きなものです。Rabbit Catとコラボ。動画編集も凝って、クオリティ高い動画を継続的に発表するよよよちゃんですが、本作品はアカペラのみで歌い、またアレンジも優れており、単純にスゴイなと感じました。そのうちバーチャルプロダクション化とかもやるかもしれないですね。


まとめと2024年に向けて

以上2023年を振り返ってみました。テレビ番組とYoutubeチャンネルの相互補完的な関係は強く、2024年も続くものと思われます。Youtubeで高い視聴回数を叩き出し注目を集めながら、本人もテレビ番組に出演し、またチャンネル登録者数を増やすという図式が強いようです。皆が皆、うまくいっているわけでは無いのが難しいところでもありますが。

Youtube上で視聴回数を稼ぐには、やはり話題曲を歌マネするのが強そうです。2024年もアイドルやオトナブルーなどヒットする曲が生まれたら、今年と同じように注目を集めるものまねタレントも出てくるかもしれません。一方、動画編集や作品のクオリティもかなり高いものが求められており、単に歌マネを、複数人の声でやるだけでも厳しい時代になりつつあります。

ちなみに2024年に注目を浴びそうな人は、TATSUYAさんと、だしおさん(小田嶋政志)と個人的には考えています。どちらも要所要所で話題になってきている感じはありますが、まだまだ爆発的に注目される可能性もあるかなと。

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