図書館連作series 夏の恋
1住まう家 さがすがごとく 吾がこころ
君との刻を 求めゆく夏
2晴れ渡る 明るき空の 穏やかさ
眺めているか 君もこうして
3淡き蒼 空に溶け込む 初夏の朝
このやさしさを 君に見せたく
4君の名を 探して過ごす 朝の刻
なぜにこれほど 愛しく想ふ
5変えられぬ 過去を思へば ただ一人
佇む朝の 切なきことよ
6溢れくる 明るき陽射し 受けながら
君を恋しく 想ふこころよ
7君からの ただ一言を 待ちながら
過ごすこの刻 忘られぬ夏
8風薫る さわやかな朝 身をおけば
さらにつのるは 君への想ひ
9花溢れ 美しきかな 街の色
そまりて吾の こころにも花
10はなやいだ こころのままに 君の元
ゆけば愛しさ なほ募りゆく
11これからの 夏を想ひて 望むのは
二人で海を 見て寄り添ふ夜
12蒼き海 まぶしく光る 夏の日に
貴方と過ごすを 夢みるこころ
13水滴が 髪を落つるを 手ではらい
透明な海 二人で潜る
14ただそこに 横たふ海は 清らかに
吾らの夏は ゆつくりひらく
15この夏を 想ふこころは あたたかく
陽射しあびつつ なごみゆく刻
16歩道橋 白き日傘の 乙女子が
静かに降りて 夏の幕開け
17そよそよと 街路樹ゆれる 美しさ
この幸せな 刻は忘れじ
18駅見れば どこへ向かふか 銀色の
列車が夏の 光を受けて
19たおやかな 濃き紅色の 花がゆれ
華やぎ満ちて こころに灯り