マガジンのカバー画像

あなたに首ったけ顛末記【長編小説】

21
『異能もの現代ファンタジーラブコメ』女子向けライトノベルなお話です。お口に合いそうでしたら、ひと口だけでもいかがでしょうか?note独占配信(笑)&全話無料!不定期更新で連載中で…
運営しているクリエイター

2024年1月の記事一覧

あなたに首ったけ顛末記<その19・ 痴話喧嘩は甘いうちにお召し上がりください >【前編】

あなたに首ったけ顛末記<その19> ◇◇ 痴話喧嘩は甘いうちにお召し上がりください 【前編】◇◇ (6300字+5400字) <1>御崎十緒子は総菜を食す (6300字)  ちゃぶ台の上に並ぶ、スーパーのお総菜のパック。レタスとサニーレタスを千切って無造作に盛っただけの、シンプルなサラダ。飲みかけの缶ビール。  そんなのを視界に入れたまま私、御崎十緒子は、ちゃぶ台のあるリビングから動けなくて、呆然としていて。  玄関からバン、カチャンと立て続けに聞こえてくる音を、

あなたに首ったけ顛末記<その19・ 痴話喧嘩は甘いうちにお召し上がりください >【後編】

あなたに首ったけ顛末記<その19> ◇◇ 痴話喧嘩は甘いうちにお召し上がりください【後編】◇◇ (7300字+8900字) <3>水野春臣は丸呑みを所望する (7300字) 『でも、十緒子と付き合うのなら。この先ずっと、そのやっかいな力以上に、やっかいなことに巻き込まれるよ。それでも、いいのかい?』  あのとき御崎玄にそう投げかけられ、『それは、覚悟の上です』と、はっきり答えたってのに。▼  俺はいろいろ、矛盾してる。  そりゃ、腑に落ちねぇよな。  あんな