あなたに首ったけ顛末記<その15・人生と誕生日は楽しんだもん勝ち>【小説】
あなたに首ったけ顛末記<その15>
◇◇ 人生と誕生日は楽しんだもん勝ち ◇◇
(21100字)
<1>御崎十緒子・負けたくない気持ちだけでは勝てない
(6600字)
「そういや、おまえ。誕生日、いつなんだよ」
彼、水野春臣にそんな質問をされたのは、彼の家のキッチンで、食後の片付けをしているときだった。
「誕生日? 4月20日、牡牛座だけど、みず……はっ、春臣、は?」
そこでちょうどよく洗い物をすべてすすぎ終わった私は、水を止めて手を拭き、すぐ隣にいる