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あなたに首ったけ顛末記【長編小説】

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『異能もの現代ファンタジーラブコメ』女子向けライトノベルなお話です。お口に合いそうでしたら、ひと口だけでもいかがでしょうか?note独占配信(笑)&全話無料!不定期更新で連載中で…
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2023年4月の記事一覧

あなたに首ったけ顛末記<その13・イインダヨ? これでいいのだ!>【小説】

あなたに首ったけ顛末記<その13> ◇◇ イインダヨ? これでいいのだ! ◇◇ (15800字) <1>ある巫女の昔話・とをまりみっつの蛇 (4100字)  昔々、あるところに。  人と人との争い事から遠く離れた、穏やかな地があった。  山々に囲まれた起伏の多いその地は、田畑のため開墾するには難儀な土地ではあったが、山と森の恵みが、その集落に住む者たちの暮らしを緩やかなものにしていた。  その地でひと際高く美しい山、その中腹には、こぢんまりとした鳥居と社があっ

あなたに首ったけ顛末記<その14・耳目は貪欲に見聞し勝手に塞ぎこむ>【小説】

あなたに首ったけ顛末記<その14> ◇◇ 耳目は貪欲に見聞し勝手に塞ぎこむ ◇◇ (15900字) <1>御崎十緒子は掃除する(1) (3200字) 「んん、じゃあこの部屋はお願いしちゃうから。あとで見てあげるし、適当にやってみて~」  華緒ちゃんはそう言って、この部屋から出ていった。「ええ、ちょっ、待って華緒ちゃん、」と言いかけた私の目の前で、ドアが閉まる。間を置かずに、隣の部屋のドアが開く、きしんだ音が聞こえてきた。  築4、50年とかいう、年代物の二階建て