あなたに首ったけ顛末記<その6・日曜日には現実のいくつかを夢オチにしたっていい>【小説】
あなたに首ったけ顛末記<その6>
◇◇日曜日には現実のいくつかを夢オチにしたっていい◇◇
(19100字)
<1>御崎十緒子の日曜日・回想を回想する朝
(3300字)
ああ、そうだった。
あのとき、私は……わざと、忘れることにしたんだ。
私、御崎十緒子宅で、水野さん、水野春臣とギョーザを食べたあの金曜日の、日付が変わって土曜日になった、深夜。
水野さんが帰って、後片付けを終えた私はすぐさまスケッチブックと鉛筆を手に取り、そのまま夜更かしして絵を描いていて