ゲーム内の文化について

Dead by Daylightというゲームについてのお話です。

Dead by Daylight(DBD、デッドバイデイライト)は殺人鬼1対生存者4で戦う非対称型アクションホラーゲームで、自分の短いゲーム人生の中では最も長い時間プレイしているゲームです(1200時間ぐらい)。

他に類を見ないゲーム性とデザイン性の高さから先日7周年を迎えたこのゲームですが、非対称ゆえにゲームバランスの調整が難しく、それ以前にバグがあまりにも酷いことで有名なゲームです。

キラーは主にサバイバーを追いかけて捕まえ、フックに吊るし、発電機が修理されるのを防ぐ、サバイバーはマップに7台あるうちの5台の発電機を修理し、吊るされた生存者を救助し、ゲートを開けて脱出をめざすというのが大まかな流れです。

このゲームの長所でもあり短所でもあるのが、勝敗の明確な基準がないことです。一応4人のサバイバーをキルするとキラーの勝利だというのは間違いなさそうではありますが、例えば3キル1逃げの場合を取っても、その一人が脱出ゲートを通って逃げたかハッチ(残り一人になると出現する緊急脱出口)で逃げたかでは大きく変わってきます。

キラーが一人のサバイバーを追いかけている間、他の3人は安全に発電機を修理することができるのですが、どのようにその時間を伸ばすかがこのゲームの鍵となるわけです。

発電機1台を修理するのに必要な時間は決まっているので、つまり追いかけられている時間が長ければ長いほど発電機がどんどん回っていく(=修理が進行する、完了する)わけですね。

また、サバイバーもキラーも、それぞれ固有の能力の他に、パークと呼ばれる付け外し可能な能力を一人当たり4つまで装備することができます。

当初の構想からだいぶズレてしまっていますが、要するに

  • キラー1対サバイバー4の非対称の対人ゲームであること

  • サバイバーはパーティを組んでボイスチャットでの情報共有をすることによって、より有利に立ち回れること

  • サバイバーもキラーも、それぞれ自分の能力をカスタマイズできること

というようなことを伝えたかったわけです。

海外発のゲームにしてはアジア圏(特に日本・中国・韓国)のプレイヤーが多く、パーク(能力)の選び方が、特にサバイバーで欧米圏のプレイヤーと比べてガラッと変わることがよく言われています。

大雑把にいうと、欧米圏のプレイヤーはキラーから逃げること自体を楽しみ、アジア圏のプレイヤーは脱出をめざし、競技性が高い、と言われています。

日本とイギリス、それぞれのサーバーでプレイした身としては、その通説は概ね正しいのではないかという自分なりの結論に至りました。

パークについて

運営がツイッターで何ヶ月かに一回発表する、サバイバーとキラーのパーク使用率ランキングがあるのですが、特にサバイバーで、限られたときにだけ発動するパーク(ロマンパークとも呼ばれる)である「アドレナリン」の使用率が毎回ダントツの1位でした。日本サーバーでやっているときにはその使用率で発表されているほどには見かけなかったのですが、イギリスでプレイしているとほとんどすべてのマッチで見かけます。

立ち回りについて

吊るされたサバイバーは、時間が経つとやがて死亡(=退場)に至ってしまうので、他のサバイバーは救助に行く必要があります。キラーはフックの周りにいて救助を防ぐこと(「キャンプ」といいます)もできますが、そうすると発電機の修理を妨害することができなくて発電が進んでしまう、という二択を迫られることになるんですね。

ただ、発電機の修理が5台分完了したあと、つまりキラーが発電機の修理を妨害する必要が無くなったあとにフックに吊られたサバイバーは、基本的にキラーが近くにいるので死にゆく運命にあります。

1人で救助に行く場合、その救助者は救助できるかわりに、二回攻撃されてその場にダウンする運命にあります。基本的にはそのままそのフックに吊られることになり、「吊り交換」とも呼ばれます。

ただ、2人または3人で救助に行く場合には攻撃を交互に受けることによって(「肉壁」といいます)、全員がそのフックから離れて逃げることができます。

これが「キャンプ」しているキラーに対しての救助で通常行われることで、各自3回あるうちの残りの吊り数と脱出ゲートまでの距離も考慮しつつ、複数人が生存しているかつ各自が肉壁のやり方を理解していれば、全員が生きて脱出できる可能性がきわめて高くなります。

にもかかわらず、自分が脱出できるときに先に出てしまったり、救助には来てくれるのに肉壁をしてくれず再び吊られて昇天、ということが日本であった時よりもたくさん体験している気がしています(救助意識が低いという言い方をします)。

ライト救助について

ライト救助は、ダウンしたサバイバーをキラーが担ぐ特定のタイミングに、キラーの顔面にライトを当てることによってキラーがひるみ、サバイバーを落とさせる救助のことです。

ダウンしたと言ってもサバイバーはなるべくダウンしないことが重要なので逃げ回ったうえでダウンするため、どこでダウンするかは普通予測できないわけです、普通は。

しかしそれが情報共有をしているパーティになると、どこでチェイスしているかがわかるため、より効率的にライト救助待機ができるようになります(ここで効率的と言ったのは、待機をしている間は発電機の修理を犠牲にしているため)。

イギリスに来てから、ライトを持ち込むサバイバーが確実に多いです。ここから、パーティが多い、という推測もできるでしょう。

同じようにフックを一時的に破壊できる工具箱やそのためのパークもやや多いと思います。

※自分は個人的に勝敗よりもストレスフリーでプレイすることを重視しているので目眩ましを一切受けず(ライトボーン)、フック破壊にも対応できる(狂気の根性)パークを常時装備しています。

キラーはサバイバーを追いかけて倒す、サバイバーは脱出するという大きな目標は変わらないのに、こうして言語化してみると色々な変数があって、地域によってその嗜好が変わるのは非常に面白いと思いつつ日々プレイしています。

ほとんど毎回のマッチのリザルト画面でスクリーンショットを撮っているので、いつか整理して統計を取れたらなーと思っています(多分やらないやつ)。

(一旦メインのお話終わり)

2023年はサバイバーの行動可視化、フックキャッチ削除、アンチフックキャンプ(AFC)システムの実装などキラー不遇な調整が続きましたが、キラー全体としてはこれと言った標準機能での強化はなく、日本を始めとしたアジア圏ではもちろんではもちろん欧米圏でもかつてなく議論が巻き起こった年でした。

DBD界で一番有名とも言えるOtzdarvaが最近のQ&Aセッション後に投稿した動画が話題になっていましたが、どこまでいってもこの唯一無二のゲーム性が面白くてプレイしているので、どちらかの陣営に傾きすぎた調整はどうかしてほしくないと切に願っています。

すべての原因は予算不足にあるのではないかと個人的には睨んでいるのですが、ゲームバランス云々よりもまずはバグを直してほしいですね。有名な配信者さんから始まって今では大会もよく見ているのですが、重大なバグのせいで界隈が盛り上がるきっかけともなる大会が開けないともなると、完全に運営の落ち度だと思います。

頑張れBehaviour Interactive(運営)、というところで今回はおしまいです。

ストレンジャー・シングスコラボを復活させたのも今年でした。これに関しては色々な大人の事情を乗り越えてよくやってくれた!!という感想です。










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