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はじめてのメダカ❸水草とバクテリア

さて第3回、メダカ飼育の第2週目のスタートです。
水草を入れたあとは、これまで通り次の回までは、エサやりと掃除だけをやっていきます。


洗って浸ける

下準備をやりましょう。
実際に水草を水槽に入れるのは、明日以降になります。

➀麦飯石(またはボラ土)

麦飯石(またはボラ土)をバケツなどに入れて、濁りが取れるまで水道水でよく洗ってください。

②素焼きポット

素焼きポットを水道水でよく洗ったら、麦飯石(またはボラ土)を入れたバケツに水をタップリと入れ、そのバケツに洗った素焼きポットを入れます。

不純物を水に溶かし出すため、一昼夜(最低12時間)そのままバケツに漬け込んでおきます。

③鉢底ネット

カットしなければならない鉢底ネットはカットしておきましょう。

④カルキ抜き

一昼夜漬けておいた麦飯石(またはボラ土)と素焼きポットを、再度2~3回ほど洗い、タップリと水道水を入れたバケツに、カルキ抜きを入れて漬け込みます。※30分以上放置してください。

⑤水草の下準備

マツモ、カボンバ、アナカリスの下準備は、どれも同じやり方です。
まずは水道水で洗いましょう。
※指定した3種類の水草はカルキ(塩素など)に強いので、ジャブジャブ洗ってください。

次に下記図を見てください。
※マツモ、アナカリス、カボンバは、通常であれば鉢植えなどはせずに、水面に浮かべるか、低床に植え込むやり方が多いのですが、ここは敢えてアナカリスの鉢植えにチャレンジしてみましょう!

このときの注意点は、指で枝葉をちぎるのではなく、ハサミを使ってカットするようにしてください。
(茎を傷つけないように枝葉の部分を2~3ミリ程度残すように切るのがコツです)

※指で枝をちぎったり、ハサミで無理に枝葉の根元を切ろうとすると、茎を痛めてしまいます。痛めた茎はポットの中で腐ってしまい、水質を悪化させてしまうので気を付けましょう。

なぜこんな下準備をするのか?…ですが、枝葉を麦飯石(ボラ土)のなかに植え込んでしまうと、枝葉の部分が腐ってしまい、水質を悪化させてしまうからです。
植えこむ部分は腐らない茎の部分だけの方が良いため、枝葉の部分だけをカットします。


植え込み

スプーンがあるとやり易いので用意してください。

ポットの中に鉢底ネットを敷き、水草を3~4本くらい入れて行うのですが、文章で説明するより画像の方が分かりやすいので、下記画像のように植えてみてください。

植え込みが終わったら、カルキを抜いている先ほどのバケツの水に、ゆっくりと沈めて軽くすすぎ、水草が抜けないかを確認後、水槽の中に入れて完成です。


水草の効果

水草を水槽に入れることによって、どんな効果があるのでしょうか?
4つほど解説しますネ。

➀吸収

水中のリン酸や窒素など、有害になる物質を栄養として吸収してくれます。
おさらいのために下記図を参照してください。

👆でしたよネ!

②酸素

水草は光合成をすることにより、水中に酸素を供給してくれます。
が、しかし…
水草は、夜は二酸化炭素を放出しますので、あまりにも大量に水草を入れると、エアレーションを導入していない水槽の場合は、メダカがダメージを受けてしまいますので気を付けましょう。

③隠れ家

メダカは夜や活動期を過ぎると臆病になります。
チョット隠れることが出来る水草は、メダカの癒しになります。

④産卵

何もないベアタンクでは、産卵するときの卵を産み付ける場所がないため、メダカが困ってしまいます。
ですが水草を入れておけば、その水草に卵を産み付けることが出来ます。


バクテリアの棲みか

前回、より多くのバクテリアが棲むための場所の確保と述べましたが、その説明をします。

キーワードは多孔質です。

素焼きポット

釉薬や色を塗ってない素焼きポットを指定しましたが、これは釉薬や塗料から有害物質が水中に溶けだし、メダカにダメージを与えないことが一番の理由です。

そして、素焼きポットの利点のもうひとつが、多孔質であることです。
多孔質とは、目に見えない穴も含め、無数の穴が空いている物質の事で、この無数の穴にバクテリアが棲み付くのです。
そのために素焼きポットを使用した次第です。

麦飯石やボラ土

麦飯石やボラ土も多孔質ですのでバクテリアの棲みかになります。


水質は弱酸性?

メダカは、水質が弱酸性~弱アルカリ性で育つことが出来ます。
そして、この「はじめてのメダカ全5回」では、水質を弱酸性になるようにしていきます。
というのも、飼育を始めたばかりの水槽では、弱酸性でなければメダカがお星様になってしまうかもしれないからです。

アンモニウムイオン

おさらいに、もう一度下記の図を見てください。

アンモニアが強毒とされていますよネ。

飼育を始めたばかりの水槽は、バクテリアの量が圧倒的に足りません。
ということは、強毒アンモニアが弱毒の硝酸塩になるには、バクテリアの量が少ないため、時間がかかるということです。

これではメダカがダメージを受けてしましますよね。

ですが、そこで活躍してくれるのが弱酸性の水質です。
上図には載っていませんが、水質が弱酸性だと、アンモニアがアンモニウムイオンに変化します。
実はこのアンモニウムイオンって…超が付く弱毒なのです。

※諸説ありますが、アンモニウムイオンの毒をレベル1とすると、アンモニアの毒はレベル200~300とも云われています。恐ろしいですネ。

じゃあ、どうやって水質を弱酸性に傾けるのか?…ですが、それが今回使用している「麦飯石」や「ボラ土」なのです。

麦飯石やボラ土は、入れておくだけで水質を酸性に傾けてくれます。

《じゃあ、たくさん入れておけば良いのか。ヨシッ、たくさん入れよう!》

そう思った人は、チョット待った!…です。

麦飯石やボラ土を、あまりにもたくさん入れ過ぎると、酸性に傾き過ぎたり、大量のミネラル分が溶け出すので注意が必要です。

分量としては、前回にも説明しましたが、
「水2リットル=2.5号ポット1鉢」
くらいの分量で十分です。

牡蠣に当たる?

牡蠣殻というのも水質をキレイにしてくれるので、店頭に行けばよく販売しているのを見かけます。
この牡蠣殻は、水質を中性からアルカリ性に傾けるのですが、超弱毒のアンモニウムイオンがたくさんある水槽の中に大量の牡蠣殻を入れると、いったい何が起こるのでしょうか?

そうなんです。
水質が中性~アルカリ性になるにつれて、超弱毒のアンモニウムイオンが強毒のアンモニアに戻ってしまいます。

水槽内の水はパキッとしてキレイなのに、メダカにとっては恐ろしいことが起きているのです。

※別に牡蠣殻が悪いといっているのではなく、水槽内のバクテリアが育ってない状態で大量に入れると危険だという話です。水槽内のバクテリアが育っているのであれば牡蠣殻が有効な場合が多々あります。

【注意】
水槽内に何かを入れるときは、よく調べて細心の注意を払いましょう。

やっぱバクテリアでしょ!

《じゃあ、牡蠣殻とかアルカリ性に傾けるのはダメなんだな》

と思ってしまうかも知れませんが、弱アルカリが良い場合もあったりします。(この辺は小難しくなるので割愛します)

バクテリアがしっかり定着していれば、アンモニアを硝酸塩にしてくれるのである程度は大丈夫です。繰り返しますが、上記の話はあくまでもバクテリアが少ない状況での話です。

「バクテリアを制する者は水槽を制す」
👆
やっぱコレです👆

👇こんなの売ってるので、実験が好きな人や、お子さんがいらっしゃる方は楽しいかもです。。。


さて、いかがだったでしょうか?
水草が入ることにより、水槽っぽくなってきましたよネ。
水草を入れてから1週間は、これまで通りの掃除と給餌を行ってください。

次回は、水槽の掃除屋ミナミヌマエビを水槽に入れますので、
・水1リットル=1匹
の割合で購入しておいてくださいネ。
(1匹、100円程度です)
間違ってもヤマトヌマエビを購入しないように!

※【重要】※
曼荼羅メダカまつりで知り合ったブリーダーさんがいるのなら、ミナミヌマエビを水槽に入れるか入れないかは必ず相談してください。
というのも、この「はじめてのメダカ全5回」では産卵を視野に入れていません。
増やせば水槽がたくさん必要になってきますし、産卵はメダカの飼育が上手になった翌年の初夏くらいからと考えているためです。
ですが、どうしてもメダカを増やしたいという人は、ブリーダーさんにマンツーマン指導を受けて行うようにしてください。
(産卵のためにはミナミヌマエビは入れない方が良い理由を教えてくれるはずです)


では続けましょう。
再度言いますが、バクテリアが定着するまでは2ヶ月以上かかります。
それまでは、大量のエサの食べ残しや糞の放置は危険ですので、気を付けてくださいネ。

循環サイクルが整えば、食べ残しが多めにあっても、バクテリア、水草、そして次回入れるミナミヌマエビが頑張ってくれますので、ある程度は大丈夫な水槽になります。
それまでは、気長に、こまめに面倒をみてくださいませ。


第4回

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