【第341話】4/17中山11R・皐月賞(にゃむ師匠)
戦前から大混戦の様相・皐月賞。今年一番難しいG1との声もあり、こういうレースこそロォン!したいもの。小生も、今回は馬券の買い方についてまで掘り下げ、自らの馬券も晒して臨みたいです。この馬で、混戦を断つ!不退転の覚悟を持って臨みます。ぜひご覧ください!
§1.出たぞ1分6秒台
芝の生育が早くなる4月。桜花賞デーの先週日曜・中山メインは春雷S。ごらんの通り、良馬場で1分7秒台の決着が当たり前なのだが、今年は出ました
芝1200m 1.06.8!
ロードカナロアがマークしたコースレコード1.06.7にコンマ1秒に迫る好タイムで、重賞未勝利の5歳オープン馬・ヴェントヴォーチェが駆け抜けた。
2着の重賞2勝馬・タイセイビジョンに3馬身差をつける圧勝劇。もちろん馬の成長が顕著だったことも要因のひとつであろうが、それよりも今の中山の芝が、春になって急生育しているという季節的要因のほうが強く、これまでの12~3月のパワー馬場から、一転、スピードを要する高速馬場化していることを裏付けている。
これはとても興味深く、その翌週、さらに気温は上がり雨も降り、ますます芝は生育。皐月賞を考える上では、絶対に看過できない事項と考える。
§2.さらば、ディープインパクト
2006年の引退レース・有馬記念で武豊が「飛んだ」と表現し、2007年に種牡馬デビュー、2010年からその産駒が自身の生まれ変わりとして次々にターフに放たれたディープインパクト。サンデーサイレンスの後継種牡馬としてNo.1の地位を築き上げるべく、ジェンティルドンナ・コントレイル・グランアレグリアなどの数々の名馬を輩出。アスリートとしてだけでなく、種牡馬でもまさに「英雄」となった。
そんなディープインパクトだったが、2019年7月に17歳の若さで死亡。残されたその産駒たちのデビューもやがて終焉を迎える。
種付け最終年の2019年は、自らの体調不良もあり種付けペースはガクンと落ち、いわゆる「ラストクロップ」と言われる現2歳馬たちはその頭数が異常に少なく、現在競走馬登録されているのはわずか6頭しかおらず、いまPOG各所において「我こそは最後のディープインパクトをっ!」の機運高まり、産駒の指名ラッシュに沸き、いまプレミア☆5扱いとなっているところ。
だが現実問題、その6頭の「遺児」たちがみな勝ち上がり、こぞってG1に出走できるかというとそんなに甘くはない。1頭でもクラシック出走馬が出れば大拍手といったところか。そんな頭数・確率からも、今年の2歳戦線におけるディープインパクト産駒はラスト・クロップというよりもはや「エクストラ・クロップ」という表現が適切であり、現3歳世代91頭こそ「実質のラスト・クロップ」という見方をしても良く、このように産駒が3頭も皐月賞に出ることはもう、ありえない。毎年当たり前だったことが、当たり前でなくなる。これも時代の変遷。
それゆえ、ディープインパクト産駒の脅威を肌で感じられるクラシックシーズンも、いわば今年が最後という認識で良く、殊更に解っている人はその注目度を上げるところ。それぞれの質も素晴らしく、今回出走する産駒3頭は、すべて中山2000mの重賞で連対しているという精鋭揃いである事実も看過できない。
それに加え、前セクションで述べた「急な中山の高速馬場誕生」は、ディープインパクト産駒にとって最大の追い風。ディープ自身がそうだったように、産駒も切れ味身上とし、その切れ味がいかんなく発揮できる速い芝でチャンス倍増。明日の中山は雨は降らないため、朝から良馬場でしょうが、万が一のデータとしては、ディープインパクト産駒は実はそれほど天候に左右されない種牡馬。
良馬場と重馬場でも数字に2~3%しか差異がなく、よほどのグチョリンコにならない限りは重い芝でも問題なくパフォーマンスを発揮できる「ブレない」種牡馬。なので、この産駒から狙う時は、それほどお天道様にビンカンにならなくてもよく、ドントコイタカトモ。良馬場ならベスト。
と、お湿り具合はそんなに気にしないとして、この高速化はまさに「加油!」であり、今年の3歳クラシック戦線の隠れた副題が「さらば!ディープインパクト」であるならば、産駒祭り最後の皐月賞、ゲートが開く前にこれ文句なしのシチュエーションが整ったと言える。
§3.弥生賞から感じたもの~歓喜と違和感~
先月行われた弥生賞。小生の◎1着アスクビクターモア、○2着ドゥデュースの一点勝負とし、馬単21.7倍のズバン!で締め、読者の皆様を歓喜の渦に巻き込んだことが記憶に新しいが、
※無料ですので、未読の方はご参照ください。
その予想の根幹にあったのは「潤沢な中山2000適正」であり、やはりこの舞台を経験していることはアドバンテージ。というワケで、重賞初挑戦ながらその潤沢な中山2000適正を存分に発揮した◎アスクビクターモアは、中山2000未経験の2歳王者のドゥデュースを見事完封したのだが、このレース、11頭立てと頭数は多くなく、前半1000mも1.01.1 とスロー。この流れをガッチリ2番手から抜け出して勝ったのはむしろ必然と言えるくらいのお膳立てが整っていたものであり、「楽か?厳しいか?」の二択で答えるとしたら、楽と答える。
ではこれが皐月賞の18頭フルゲートで、ある程度流れるペースに対応できるかどうかまでは証明されておらず、「勝ったことは勝ったが、なんかスッキリしない。たまたま◎→○決まったのであって、これが本番につながるレースかというと疑問」と、違和感を小生はレース後にツイートし、ご記憶の方もいることであろう。
得てして、小頭数の2000mで行われたこの時期の重賞は、いたくスローペースで流れることが多く、昨秋の京都2歳Sしかり、今年のきさらぎ賞しかり、現実、そこで馬券になった馬たちは次走の厳しい舞台で次々にドボンしていて、本当にタフな競馬で2000mを激走したとはお世辞にも言いきれない「恵まれ感」もあり、本当に強いのか?G1でも通用するのか?という疑問に明確回答できないケースが頻発している。
そんな中、スローの少頭数で弥生賞を◎アスクビクターモアが制したのだが、ディープインパクト産駒とは言えど、世代ナンバー1と言えるかというと疑問であり、それでいてなりなりに人気をする。もちろん、昨年の弥生賞もスローで逃げ切り、皐月賞でも2着に入ったタイトルホルダーの例もあり、鞍上も同じ田辺ヒロノブ。今回も堅実に爆走する可能性はあるのだが、またチャレンジしたいか?というといまいち食指が動かず、最大の買い時はやはり弥生賞と思料している。
§4.名前負けしなかったレース
より希望に満ちあふれる=hopeful
輝かしい未来が待ち構えていることを称して名付けられた、暮れの中山2000mの名物レース・ホーププルSだが、10年くらい前は有馬記念デーの、たくさん特別レースがある中での最初のレースとして、中山5Rだの6Rに組まれていて、毎年中山に現地参戦していた頃、お昼にフードコートで買った𠮷野家の牛丼をたいらげ、いい感じで眠くなったあたりで場内に鳴り響く特別レースのファンファーレ。これが元来のホープフルSであった。
だから小生は、ホープフルSという言葉を耳にすると、条件反射でこの𠮷野家の大盛弁当が脳裏をかすめ、腹が減ってくる。ん?そんな奴いないって。しかし、思い出も条件反射も人それぞれ。
あれから時は流れ、このレースは単なるオープンからG2へと昇格し、2017年にはG1に昇格と、ただのオープンが大出世。昨年は12/26に有馬記念が終わって一年お疲れ様!のムードを見事にかき消す平日12/28開催のメインG1として組まれ、「そこまでしてJRAは12/28に競馬したいのかよ!? 理事長の誕生日か?」といたく疑問が残った2021年だった。
昨年のホープフルSは15頭立てと駒は揃い、逃げたグランドラインが刻んだラップは2歳戦にしては締まった流れで前半1000mは1.00.1と、キレ味だけではない、ある程度のスタミナも問われるタフなレースとなり、勝ち馬キラーアビリティが抜け出し1着ゴールした走破タイムは2.00.6と、この日のある程度のパワー馬場を考えるとそのレベルは高かったものと思料。0.2秒差の2着にジャスティンパレスと、フタを開けるとディープインパクト産駒のワンツー決着となり、スピードとスタミナの双方「総合力」が問われる、決してホープフルという名前に負けないだけの、中身の濃いレースであったと思料する。
§5.0.5ゲーム差
そのホープフルSに向き合うに当たって、有馬記念の後だろうが、平日だろうがG1である以上、小生も予想してコラムを掲載。
これが予想記事です。無料ですので、未読の方はご参照ください。
当時、秋のG1シリーズを5勝6敗と一つ負け越ししていただけに、何とかタイの5割で年を越したい!と、有馬疲れの頭の中を更にグルグルフル回転させて予想。1番人気のコマンドラインを消しの大英断もあり、結果的に馬連12倍を○-▲でロォン!となり、無事6勝6敗のタイでG1シーズン終了となったのだが、◎は川田ユウガの7番人気フィデルとし4着。天才丸田のラーグルフにも負けて4着と、悔いは残った。
このような◎○▲☆4頭の印としたが、当初◎は実はジャスティンパレスの予定であった。しかし、後から脳内を占拠した爆穴フィデルと迷いに迷って、最後は人気薄の妙味で◎のフィデルとし、ジャスティンパレスは○に落として結論となった。
もし順位表が出せるとしたら、◎フィデルと○ジャスティンパレスのゲーム差は「0.5」であり、まさに薄氷と断言できる、僅差の印であった。
…って、こんなカッコ悪い事、レース後に女々しく書くことではないし、そんな「あーすればよかった、こーすればよかった」を後から書いてるライターなんてギャロップの藤代三郎しか見たことないし、普通許されない。
このショックは心の重箱に錠前かけて格納するしかなく、もう何もなかったかのように新年を迎えたのだが、今ここでその重箱を再オープン。
……...をいっ、◎ジャスティンパレスだったでしょうに。。。
この「隠れ屈辱」から3ヶ月半経とうとしている今、あの暮れにできなかった事を、今度は堂々とできる番。これまでの参考レース・トライアルレースの中で屈指のハイレベルレースであり、それでいて潤沢な中山2000m適性もあり、高速馬場大歓迎の雨も問題なしディープインパクト産駒・ジャスティンパレス。
今もなお、有力候補であることはゆるぎない。
§6.大事な感覚
ほぼ同じ能力を有する馬が2頭いて、かたや7倍、かたや25倍であれば、どちらの馬を買い続けたほうがトータルの収支はよりプラスになっているか?
それは言わずもがなだが、では、ホープフルSの1着2着についた着差1馬身1/2、タイムにして0.2秒差。もしこの差異が埋まり、同じ能力を有していることが証明できたなら、どちらを買いたいでしょう?
当然人気のない、2着馬ジャスティンパレスの方ですよね。
根拠の1つ目はパトロールビデオ。
ホープフルS。
横山タケシの代名詞である、「絶好位3番手」のウイニングポジションで折り合うキラーアビリティ。そのほぼ真後ろの5番手で、Cデムがガッチリマークしていたのがジャスティンパレス。その上がりはキラーアビリティが35.8に対してジャスティンパレスは35.7と、位置取りの差もあったが、ジャスティンパレスの方が速い上がりであった。
しかも、直線に入ってからのジャスティンパレス。
赤帽キラーアビリティの外に出し、そのまままっすぐ伸びてりゃ上がり違いで捕らえられていたものの、
内に切れ込んだり
と思いきや、急坂に入るとまた急に外に逃避したり
で、また最後は内に切れ込んでキラーアビリティの背後に
ごらんの通り、ジャスティンパレスは「S字蛇行運転」で直線全然まっすぐ走れていなく、Cデムも制御に苦しんでいたのがホープフルSの真実。
馬はレースで苦しくなると、助けを求めるべく片方の方向にヨレるという事は良くあるが、特に若駒は「手前を替える」というスキルもないためこれが顕著。このジャスティンパレスは短い直線で左右にヨレていて、これは苦しいとかではなく、若駒特有の「遊んでやろう」競馬であり、気性面の幼さもあったものと推察。
当然、S字蛇行せずにまっすぐ走れていれば、キラーアビリティとの0.2秒差は更に詰まっていただけに、その若さがもったいなかったレース。キラーアビリティが100点の競馬であれば、ジャスティンパレスは85点の競馬。これを知らない人が日本中に多く、いま日本国民はその見た目の着順で優劣をつけていて、いま、人気にこれだけの差異が生じている。
思えば、18年前の2004年の皐月賞。
小生が◎を打ったダイワメジャーは、前走のスプリングSで3着に敗退し、単勝32倍の10番人気。だが◎を打った根拠は、その前走のスプリングSの内容にあり、抑えられない気性で1コーナーで引っかかってしまい、大きく外々を膨れるロスがあっての3着敗退。有り余るエネルギー・ポテンシャルをその激しい気性が潰してしまったものであり、前年のネオユニヴァースから連覇のかかる、乗れる若きイタリアン・ミルコデムーロが乗れば、そんな荒くれ者でもキチッと制御でき、ポテンシャルのすべてを発揮できるゆえ、G1の舞台でも躍進可能!と判断したもの。
結果は皆さんご存知の通り。これで小生は巨万の富を得たのだが、このようにこの時期の3歳馬は気性が勝ってしまって、潤沢なポテンシャルを発揮できずに着順を落とすケースがざらにあるのだが、乗り方ひとつで逆転可能。
ゆえに、あふれる能力がありながら、気性面が原因で敗れた馬が、鞍上が替わったり、一定期間を経て大人になったことでそれを払拭することが多々あることからも、このテの敗因の馬は、たとえG1の大舞台でも見限らずに注意は必要。G1で突然大化けする馬には、いつもこの理由。
これは昔も今も「鉄則」なのだ。
さらに、キラーアビリティとジャスティンパレスのホープフル0.2秒差が更に詰まる要因。これはもう一つある。次のセクションがそれ。
§7.人生最大級の「ボトム」
先週の桜花賞では、またもや1番人気でドボンした横山タケシ。
JRAの歴史を遡っても、G1で3週連続で1番人気となり、そして3連続で馬券圏内に入らないドボンは、この横山タケシが史上初。
そんなとんでもない記録をただいま継続中。まあ、穴党からすれば思わずムフフとなるところだが、小生は穴党ではあるものの、横山タケシの初重賞制覇でも◎を打ち、一緒に歓喜を共有した「元祖タケシウォッチャー」。
ゆえにいま相反していて、いま何とも言えない感情に包まれている。
なので、この3連続ドボンによって、もちろんざまーみろ!とかいう感情はなく、かといって一度もその1番人気の横山タケシに◎を打って事故にも巻き込まれてもおらず、ここまで「静観」。いたってニュートラルな状況で、「あらーあの子どうしちゃったの??」と近所のオバチャン状態。
しかも、すべて同じ勝負服であり、キャロットの会員たちからすれば猜疑心が止まらないといったところ。しかも、今回のキラーアビリティもまたキャロット。1番人気はしないだろうが、それなりの人気にはなり、もしここでもドボンするようであれば、会員たちの反発必至であり、考えただけでも恐ろしく、いまのタケシは、ジョッキーとしてのバイオリズムで言うところの「底(ボトム)」にあると言って良い。
一方、ホープフルSでのタケシはどうだった?
2日前にエフフォーリアで有馬記念を勝ち、前日のメイクデビューでの怠慢騎乗を払拭。その勢いそのままに同じ勝負服で乗り替わりのキラーアビリティ騎乗で、非の打ちどころのない積極絶好位の3番手競馬で抜け出して快勝。さらにその次の最終レースまでノルカソルカで逃げ切ってしまうという、若者特有の「勢いとノリ」が前面に出ていた無双騎乗だった。
このトップとボトムの雲泥の差。
ヒューマニズム妄想家とすれば看過できませんって。
我々もフリーで麻雀をしていると、ついこの間高校生だった18.9のアンちゃんが、若干オドオドしながら、それを隠すべくギラギラを前面に出して卓に座ることはあるが、こういうのがノリノリになったときはもう手がつけられなく、ブンブン強気の「攻め100」中学生麻雀。
バカみたいにツイてるゆえ、相手のリーチにも全然怯まず、赤5ピンも赤5ソーでもブンブン!またそれが面白いくらいに通る通る。「そこは降りんかい!」と怒りたくなるのをグッとこらえ、今度は若者がリーチ!と声高らかに宣言し、次巡、ラスハイのカン八萬一発自摸と、「もうやってらんねぇわバーカ」とシラけてしまう事はよくあるハナシだが、あの暮れの横山タケシは限りなくこの若者に近い状況であり、もはやロバでも勝てる無双ぶりであった。
それが「トップ」だとすれば、いまは真逆の「ボトム」。
それでいて今、同じ馬に乗ろうとしている。ある意味凄く残酷。
何を切ってもロンロンロン!のタケシ。
放銃を繰り返してハコ下ドボン。チップも含めて半荘1回で財布から万札が飛んでく惨劇がここまで3度続き、今度は半荘4度目のいま、あの時ノリノリだったキラーアビリティに乗ろうとしているが、普通の人間であれば相当に心穏やかではなく、掻き乱されているだろう。
これ、小生なら一回抜けて、ソファにどっかり座り、熱いオシボリで顔拭いて、日刊スポーツ読みながらパインアメを舐めていたいところ。悪い流れは自らの決断で一旦時間を置いて止めにかかりたいのが普通の心理。
が、タケシにはいまそれが許されない。
座るソファなどなければ、あっても座らない。なんぼドボンしたって、次から次と「入って~~」と店長に呼ばれるメンバーさん。乗らなければならない。騎乗依頼は押し寄せてくる引く手あまた。売れっ子ジョッキーの宿命。
さて、狂った歯車はどこまで狂っちまうんだ??
もちろん、長いジョッキー生活で考えると、いずれ「あ~こんな時があったなぁ」と振り返られるときはキットクルだろうし、この試練をどう跳ね返すのか。実は今がこの男の5年後、10年後を決めるポイント・試金石となるかもしれない。
そんな中、それでもまたサイは投げられ、G1の配牌が始まる。
さて、こんな状況で、どのくらい平常心でいられるのだろう?
普通の人間だと、もうこのキャロットの勝負服に袖を通したくないと思っているかもしれないし、 食べ物は通らずに吐いてばかりかもしれない。
しかも、ライバルたちは「ここがチャンス!」とばかりに攻め立ててくる。というか、いつも同じ勝負服なので、どこに横山タケシがいるのか一発で解ってしまうのもデメリットであり、レシステンシアはマイペースで逃げたいところを競りかけたり、エフフォーリアはコーナーで外から被せたり、ナミュールは内から外にはじき飛ばされたりと、執拗なチェックは更にヒートアップしていく。
「流れ」は恐ろしく逆風。
ホープフルSが最大級の追い風なら、この皐月賞は最大級の向かい風。もちろん、それを払拭してブチ破ったら全身鳥肌であり、それも見たい欲求もある。可能性はゼロではない。
今回、そんな逆風を跳ね返せる2つの要因は、
・関西圏で3タテ喰らって、ホーム中山に戻る。
関東圏でのG1成績【4.1.1.9】
関西圏でのG1成績【1.1.0.11】
と、圧倒的に関東圏での成績は良い「内弁慶」であり、
・断然の1番人気からの回避
G1での1番人気の成績【1.1.0.3】
G1での非1番人気の成績【4.1.1.17】
と、1番人気を背負うよりも、2番人気以下となって1番人気馬を負かしにかかる立場の方がより結果を出せる、まだ「大関タイプ」か。
これからすれば、この関西圏G1・1番人気3連敗は「内弁慶大関」にとっては、ある意味「負けるべくして負けた試練」とも言え、G1・3勝している「ホーム中山」で断然の1番人気にはならない今回は、きわめて「自分の空気感」で競馬ができ、突破口を開ける可能性もある。
もちろん、ホームの競馬なので、横綱昇進とは別問題であり、そのハナシは次の関西圏でのG1・人気馬騎乗の時にとっておきましょう。
と、ディスだけではなくちゃんと「可能性」についても言及した横山タケシだが、今日はジャスティンパレスの逆転を目論む側からすれば、もう一人の自分もいて、「これはジャスティンパレスにとって、またとないチャンスなんじゃね?だって相手いまマヌーサぢゃんよ!?」
とも考えてしまう。それが人間であり馬券ジャンキーであり勝負師。付け入る隙があれば、とことん付け入れ! 傷口があったら果敢に塩を塗れ!
そう考えると、横山タケシも人の子ならば、この究極級のアゲインストは、たとえ関東圏でも一定のプレッシャーはあり、逆に一周どころか二周回ってお気楽ノンプレッシャーで皐月賞4勝のミルコにとってはスペシャルチャンス。
検索条件:ミルコの皐月賞全成績
これまで皐月賞4勝のミルコ。
2003年ネオユニヴァース、2004年ダイワメジャー
2013年ロゴタイプ、2015年ドゥラメンテで勝利。
よく見ると2004年から9年周期でミルコは勝っているはないか?
今年は2022年。若干オカルトと解っていても書きたくなる。
武豊が20代、30代、40代でダービーを制覇したのだから、
ミルコだって20代、30代、40代で皐月賞を制覇したって不思議ではない。
まあ、ただいま5連敗中ではあるが、日本で「栄華」と「凋落」2周回っていまある程度の悟りを開いた現在地のミルコ。そろそろ「ゼンブ解ったところで40代・最後のもう一花」でしょうに!
現役続行決めたオメガパフュームにゴメンナサイして、テン乗りのコッチを選ぶんですもの。ガチだぞ、ガチ!
§8.まとめ(競馬力)
ここまでの要点をまとめると
・ホープフルSはこの世代におけるハイレベルのレース
・ディープインパクト大好物の高速馬場に
・前走の負けは能力ではなく気性が敗因
・中山2000は経験済・実績潤沢
・唯一先着を許したライバル・キラーアビリティはヤネがいまドン底
・酸いも甘いも経験し、円熟期にある皐月賞男・ミルコ
これらの要素を集約すると、◎⑩ジャスティンパレスの馬券圏内率は高く、それでいて高配当が期待でき、◎としては最適と思料する。
◎⑩ジャスティンパレス
§9.「10%」に何を感じる?
軸は決まった。
いつものコラムならこれで終わりだが今日は違う。馬券力の時間。
「あぁ、これはまず3着以内に入ってくれるだろうな。」という◎馬がいて、あとは何が飛び込んできたって不思議ではないという大混戦スマッシュブラザーズという状況であれば、少し前の小生であれば、この馬券で攻めていた。
3連単◎軸1頭マルチ総流し816点
これぞ、究極のガラポン馬券。
人がやらないところに、人にはマネできない富がある。
馬券は人生の縮図。人がやらない事をやって、初めて成功がある。
816点の中には、1000万円超えというとんでもない目も含まれていて、「夢追い人」にとってその意義も十分に満たす馬券。もし、2015年のヴィクトリアマイルで、5番人気ストレイトガールからこれをしていれば2000万円に化けたわけで。破壊力とロマンは随一。
否、我々馬券ジャンキーはみな夢追い人。
夢・ロマンを追わずに、何故に君は馬券を買う? 2.2倍の単勝を当ててガッツポースしたいからか? 1.1倍の複勝に50万突っ込んで、冷や汗ワキ汗で全身臭くなりながらレースを見たいか? 違うだろう?
やっぱ、浪漫でしょうに?
いくつになっても、馬券ジャンキーである限り、浪漫は追い求めるもの。
人生を、この馬券に投影する。スリリングな人生はスリリングな馬券から生まれる。
では、久しぶりに小生やってみようかな?あの816点を。
と腰が上がるくらい、今回はやっても良い条件は整っている。
しかし、待て。
もちろん3連単を816点で、クソどっ高目を追求するのもいいけれど、いまJRAは、頼んでもないのにとある場所で勝手にチューリップがパカパカ開いている、いわば「ウリンチャージ中」のところがあるではないか?
で、その場所とは。。。
ワイディ~~~!!
そうなんです。何をとち狂ったのかJRA。今年のプレミアムは馬連ではなくワイド。3歳重賞&リステッド競走の「ワイド」について、払戻金を5%上げますよ~と地味に発表しているが、ワイドだけになかなかこれに気づけないもの。
で、普段のワイドの払戻率は77.5%ゆえ、それにプレミアムの5%を加算すると、82.5%となり、3連単の72.5%に比べて
も違う。10%ですよ?
おんなじJRAの馬券で、その種類が違うだけで戻ってくる額が10%も違うなんて、普通に考えるとびっくら鯉太郎。
10%と言ってもピンとこない方もいるので、例えば今年の皐月賞が昨年とほぼ同様の200億円売れました。JRAは払戻率によって的中者みんなに配る金額の合計=配当原資が決まりますとなった時、それぞれの馬券の売り上げ額は差異はあるけれど、とりあえず8種類の券種が25億円ずつ売れたとして、
3連単の配当原資=25億円 × 72.5% = 18.125億円
ワイドの配当原資=25億円 × 82.5% = 20.625億円
みんなで取り合うお金が、かたや18億、かたや20億。2億円以上も違いますよ!となったとき、あなたはどちらの馬券で参加したいですか?ということ。
もちろん、3連単で一発大きいのを狙い、無限の可能性を追求するのも良いのだけれど、この現状では、ガッツはあるけどクレバーではない。
であれば、同じ81600円。816発の弾で勝負するのであれば、
72.5%の3連単軸1頭総流し816点よりも、
ワイド17点総流し 4800円×17点=81600円
のほうが、リターンが10%も良く、より多くのお金が帰って来る確率は高いということ。
否、もちろん3連単は振れ幅が大きいにつき、
18番人気なり17番人気が入ると、平気でこんな配当が出て
3連単のほうがお得になってくるのは百も承知だが、10%違うと、いわゆる「お得ゾーン」がワイド総流しの方が俄然広くなるということ。しかもワイド総流しは必ず2点当たる嬉しいダブルアップ。そのロォン!した2点の配当の合計は、3連単の配当を上回る確率がかなり高くなるということで解釈いただきたい。
その「社会実験」を、いまやってみましょうということ。
せっかく読者の皆さんも、こうして小生のつたない予想コラムをお買い上げいただいているのですから、たまにはこういう楽しい実験やってみましょ!
実験は見ているだけでも楽しいですからね!
よほど狂った組み合わせにならない限りは、3連単816点フルスイングよりも、ワイド17点4800円ずつの方が儲かるかもしれない! 10%も違うんですもの。
さあ、実際やってみましょう!!
ワイド ⑩-all
さあ! にゃむ太郎さん!
この日のためのゼッケン番号「10」ですよ! 行こうか!
それでは、良い皐月賞をっ!
でいやっ!
…でもこれ、複勝(払戻率80%)1点81600円が正解だったか??
というくらいに複勝が売れていない。。。
さてさて、どんな結末オチが待っているのやら。。。楽しもうぞ!
※予想に関するクレームは一切受け付けません。 ※馬券は自己責任でお願いします。 ※みなさんが寝たり遊んだりテレビ見たりしている時間を割いて予想しています。その対価として料金をいただいております。 ※的中率よりも回収率重視になります。 ※予想の転載・転売は一切禁止致します。