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【第193話】12/5中山11R・ステイヤーズS(にゃむ師匠)

先週のレースを見て、今年にデビューしたルーキーたちが軒並み「お金になってきたなぁ」という印象が。となると、やることは一つ。去年大好評を博した「ルーキージョッキー通信簿」。今後の馬券検討にあたり必ずや役に立つろうデータ満載でお送りします!是非ご覧ください。

レースが終わってから、「ああすればよかった」「こうすればよかった」とは、誰もが思う事であり、それをわざわざ終わってからロに出すことは、決してカッコ良い事ではないもの。

バッターボックスで三振した後、べンチに帰ったバッターが
「くそー、思いっきり振れば良かった」とか
「フォークって解ってたんだから見逃せばよかった」と隣で恨み節を言われたところで、その空気はシラケるだけで、何も生まれない。

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ただ、そんな恨み節であっても、
「あいつは2ー2になるとフォーク投げてくるぞ」とか、
「投げる瞬間のグラブの位置で球種が解るぞ」とか、
次のバッターへ、次の自分の打席につながる有益な情報が共有できれば、そこに「生産性」が生まれ、ベンチの雰囲気も違ってくるもの。

これに倣って、小生もせっかく読者の皆様と「勝つ」という共通の目的を持ち、同じベンチにいる身。ゆえに少しでも有益な情報は惜しみなくつぶやいて共有したいと思っていることから、今日は生産性のある「先週の恨み節」をひとつ披露したい。



先週の小生の予想の中でも、特に自信度も高くアツく勝負する「ロシ村ロシ夫の勝負」。先週は土日で4打数3安打と大当たり猛打賞ではあったが、問題はその3打席目・日曜東京7Rの予想だった。

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◎はルーキー秋山君が2度目の騎乗となる⑩モリトユウブでゆるぎない自信があったものの、○候補としていた2年目▲小林リョウタの②スズカコーズマンボを、迷いに迷った末、他の7頭と同じ△としてしまったこと。最初のイメージとすれば、出馬表に2つだけある「3キロ減ジョッキー▲のワンツー決着」であった。もう、それがほど良く起こり得る時期だからだ。

この時期になると、ルーキー▲ジョッキーも徐々に競馬を覚え、お金になってくるケースが多多あり、「黄金世代」と言われる2年目の中でシンガリをつとめていた小林リョウタについても、他の同期たちがじゃんじゃん勝っているのにめげずに、程よく同期に喰らいついて、今は随所に爆穴を空けるジョッキーへと変貌。成長を感していた遅咲きの2年目だというのに、前走2着の走破時計が平凡だったことを理由に○→△へと下げ、馬連本線31倍的中という大ホームランが、馬連8点で31倍的中というツーベースになってしまい、ロシ夫さんの3連勝が大歓喜→小歓喜となってしまったのだ。

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せっかく、前日のロシ夫2連勝目だった土曜阪神12Rでは、
◎○本線でワイドズドン ! し、 重い印を2頭打つ流れで成功していたのに、 3連勝目がかかるこの打席で、流れに逆らって○指名をヒヨってしまったことがアダとなり小当たりに。いまは猛省しかない。

ここまではどうでもいい恨み節なのだが、ここからが今日の意義。
こういった具合に、春にデビューしたルーキージョッキーたち。デビュー当初は泉谷君を抜かせば、全然買えないスカポンタンどもだったものの、夏を越して秋~冬になってくると様相一変。随所に馬券に喰い込んできて、「お金になるジョッキー」へと変貌しつつある。
日曜の東京2Rでも、大外18番のルーキー原君騎乗・マイネルレイヨンも「これは臭うぞ」と△までは回していたが、3着に入り複勝1300円を超える爆穴を演出。かなりのビックリとすこしの悔しさ。

そこで今回、「程よくお金になってきた」ところで、きちんとこのルーキーたちにもスポットを当てないといけない!ということで、去年も行って大変好評を博した「ルーキージョッキー通信簿」を今年も敢行。今年デビューしたルーキー4人の特徴と傾向について取り上げていきたい。


【参考】昨年10月にアップした「2019ルーキージョッキー通信簿」。
いまをときめく2年目ジョッキー7名を診断しています。

無料ですので、未読の方はご参照ください。


今年のルーキージョッキー4名は、昨年の7名ほどの勢いはないのが正直なところであり、ここまでは「可もなく不可もない」世代と言える。
しかし、中には急に乗り方を覚えてきた伸び盛りもいて、その特性はアタマにとどめておいた方が得策。

ルーキー4名の成績表(12/2現在)

成績


①泉谷フウマ(17勝) 
実績: B 成長度: B

泉谷

【17.18.20.396】
勝率3.8% 連対率7.8% 3着内率12.2%

泉谷の特徴

4人の中でただ一人関西所属の泉谷君。
衝撃の初騎乗初勝利もあり、 春先から同期たちを置き去りにするように勝ち星を量産。 新人王に向けて独走状態!? と思いきや、 夏以降は頭打ちで秋山君に並ばれそうな様相に。 

通算17勝だが、騎乗数が他のジョッキーたちより圧倒的に多く、そのため、勝率、連対率、3着内率は下がり、同期トップではない。

※8月以降の成績

泉谷8月

デビュー5か月で12勝と勝ち星を量産したかと思いきや、8月以降はわずか5勝。この頭打ちの原因は、春先にブレイクし、成功体験のある阪神開催がしばらく無かったからかと思ったが、11月から始まった4回阪神開催では、わずか1勝しかせず、この開催【1.0.1.33】と絶不調。真の原因は違うところにありそうだ。


それは、関西所属の2年目ジョッキーが皆優秀で、全員3キロ減量の▲が取れていて、岩田ジュニアに至っては減量ナシの無印に。齋藤アラタ、団野タイセイは☆となり、遅れを取っていた亀田ハ一トまでこの夏に▲を卒業して△となったことで、関西圏で3キロ減で乗れる▲は、この泉谷君しかいない状況に。(3年目服部トシキはおいとこうか)

よりシビアに減量を求めている関西の先生たちのスタンスがあり、春先の勢いから来る良いイメージもあって、みなこぞって泉谷君に騎乗依頼をするため、最近の異常な騎乗数となっているのだが、では彼がそのオーダーひとつひとつにキチンと応えられているか。前の日調整ルームで、騎乗馬の過去のレースVTRや競馬新聞を読みながら、相手を研究したり自分のベスポジを模索する等、すべてのレースで事前準備ができているかという点で疑問。

結果、ひとつひとつの騎乗が雑になり、オーバーフロー。
「ただこなしている」感が強いのがこの低迷の原因なのでは? カラダは一つしかない。限られた時間で騎乗馬すべてを把握しなければならない。そんなスペシャルな時間管理、自己管理が18~ 9の坊やにできるかというとなかなか難しいもの。そりゃ、的場ハヤトみたいに親父の管理するペイシャドリームしか乗り馬がいないというのとワケが違う。関西中の先生がみんな「軽いからいっちょ泉谷に乗せるか」と次々オーダーしてくる。こうした、一人しかいない▲という境遇も、ある意味「気の毒」ともとれる。
今後はどれだけこの「騎乗依頼の嵐」に耐えられるか、応えられるか。
いま、引く手あまたの彼だが、実は真価が問われている。



②秋山トシキ(16勝)
実績: B 成長度: A

秋山

【16.16.16.256】
勝率5.3% 連対率10.5% 3着内率15.8%

秋山の特徴

3か月にわたる夏の北海道シリーズを、 すべて現地滞在で過ごした唯一の新人であり、 その北海道で大きく成長したジョッキー。乗り馬ファンシャンとの出会い~引退は大きくこの青年の心を大きくしたであろう。

※8月以降の成績

秋山8月

 特に8月以降に12勝。3着内率は19.3%と、急成長中。
勝った時だけでなく、 負けたときにもきちんと敗因をコメントし、時に「自分の騎乗が原因」 と素直に非を認める姿勢は非常に好感が持てる。 素直な人間こそ素直に伸びるもの。伸びしろは同期No1であり、泉谷君よりも信頼できると個人的には思っている。

勝ち星は2位だが、勝率、連対率、3着内率でトップ。いまいちばん「お金になるジョッキー」と言え、先週のロシ村ロシ夫の勝負でも◎モリトユウブを2着に持ってきてくれた。小生もいちばん安心して馬券を買える「使えるルーキー」。今後も関東圏では輝く騎乗を見せてくれるだろう。



③小林シュウト(5勝)
実績: C 成長度: C

小林

【5.6.10.176】
勝率2.5% 連対率5.6% 3着内率10.7%

小林の特徴

勝ち星は平凡の5勝だが、彼が特筆できるのは芝。
芝の3着内率が15.3%と、芝のマイル以下だと18.4%と驚異の信頼率と、芝で狙える「芝ジョッキー」。ちなみにダートの3着内率は7.1%とダブルスコア。新潟直千競馬での活躍が印象的。
もしかしたら自ら砂を被るレースが嫌いというか向いていないのかもしれない。



④原ユースケ(3勝)
実績: D 成長度: C+

原

【3.7.14.257】
勝率1.1% 連対率3.6% 3着内率8.5%

原君だけ写真がデカイのはご愛嬌であり、特に意味はありません。

原の特徴

勝ち星も数字も最下位。
乗っても乗ってもスカポンタン。夏も成長せず置いて行かれた感があったのだが、 秋の中山からちょっとずつ変化。ジワジワと頭角を現してきた。他の同期より学年は一つ上。競馬学校でも「お兄さん面」していただろうことから、この現実はショックだろうが、いつまでもヘコんでられない。

この原君で面白いのがジョッキーコメント。 同じ敗因コメントでもただ単に言い訳や悔し節だけでなく、次の狙いの舞台までいっちょ前にコメントしていること。
実は今週も、どこかのレースの騎乗馬で継続騎乗し、前走のジョッキーコメントでは面白いことをつぶやいていたので大変興味深い。どれだけやってくれるのか?はたまた単なるビッグマウスなのか?楽しみである。

と、以上4名のルーキージョッキーを振り返るとともに実績・伸びしろを独断と偏見で評価してみました。是非、読者の皆様の今後の馬券検討にお役立ていただければと思います!


さて、ステイヤーズS。

今年も残すところあと4週・1開催。
東西ジョッキーの総合リーディング争いもいよいよ決着の時を迎えようとしている。

関東では、4年目の横山タケシが82勝とトップ。2位の吉田ハヤトに7勝差をつけている。この後何もアクシデントがなければ、このまま逃げ切り、初の関東リーディングを手中に収めようとしているところだが、背景として関東トップの戸崎ケータが怪我で出遅れ、5月スタートとなったことも大きな一因としてあるのも事実。
しかし、タケシ自身の大きな成長もあるのも確かであり、一年間元気に騎乗し、一頭一頭真摯に向き合い、第三場ローカルや夏の北海道開催だけでなく年間を通してコンスタントに勝ち星を伸ばせるようになったのも大きい。

とはいえ、現在の勝ち星82勝は全国リーディングでは6位にランキングされ、東西の層の違いは明白。ジョッキー界の東西勢力図は完全に「西高東低」であり、野球界でいう「セ・パ格差」に匹敵する乖離がある。
重賞勝ちも、ウインマリリンのフローラSでの初制覇しかなく、リーディングジョッキーが重賞たった1勝というのもかつて聞いたことがない。
いまの横山タケシの喫緊の課題とすれば、 重賞レース、G1レースで強い馬に乗り、勝ち星を重ねていくこと。これに尽きる。

そんな中、明日の中山の重賞。
横山タケシにも意地がある。もっと重賞を取って、名実ともにリーディングジョッキーとなりたい気持ちが殊更に強いだろう。

◎④ボスジラ
○③ポンデザール
△②⑤⑦⑩⑪


その実力や実績に大きな開きがあるゆえ、いまいちピンと来ないかもしれないが、このレースは「東西リーディングジョッキーによる直接対決」である。

横山タケシとルメールといえば、夏の札幌開催でシノギを削り合い、幾度となくこの二人のワンツー決着となり、もはや札幌は「二人の世界」ったことが多々。
お互いがお互いを、特に横山タケシの方がルメールを意識しまくって、「他のジョッキーに勝たせてもルメールには勝たせねぇ!」というガッチリマークの騎乗が多く、軒並みそれも奏功していて、見ていて面白かったという記憶がある。

その「今年一番輝いた」札幌開催の最後のオープン・丹頂Sで、横山タケシがテン乗りで勝利に導いた◎④ボスジラに再騎乗してこのレースに挑む。成功体験のある馬。
タケシはレース後「抜け出しても遊ぶくらいで、文字通りの完勝でした。」と相当に評価したが、その前走で0.7秒差と大敗した、宿敵ルメール騎乗のポンデザールとはタケシは未対戦。

よって、オープンからG2へ、より強い相手と交える「ポスジラ・タケシ」コンビのステップアップ挑戦となる。

一方、ルメールはというと、その札幌開催では毎年馬券になる「洋芝専用機」の○③ポンデザールに跨り、一度粉砕したボスジラの挑戦を受けて立つ。

ポンデザールにとっては、「洋芝専用機」というよりかは「札幌2600専用機」という形容詞が当てはまるのかもしれない。札幌日経オープンでは2着ボスジラに0.7秒差をつけての完勝であり、そのまま丹頂Sで「札幌2600オープン連覇」かと思いきや、背伸びして札幌記念に出走。その類まれなる洋芝適性で不適距離の2000mも適応させての4着と、一定の成果は残した。

今の中山も、野芝に加え洋芝(イタリアンライグラス)をオーバーシードし、野芝および洋芝とも順調に生育しており、全体的に良好な状態とJRAの発表。馬場の痛みがないこの週だからこそ、ポンデザールにとっての洋芝適正もより活きるとして○とした。

「昨日の友は今日の敵」というが、看板馬・アーモンドアイがいなくなった国枝厩舎。相棒のルメールはポンデザール騎乗と、また次の競馬が始まるが、国枝センセイとルメール、どちらがより「アーモンドアイ・ロス」から吹っ切れているかもひとつの見どころ。

そんなアンニュイよりも、リーディングジョッキーに相応しい重賞勝利を重ねたい横山タケシの意気込みと、ボスジラの人馬の相性の良さに好感。
そして、札幌でしのぎを削ったルメールを倒して勝つ! 関東リーディング奪取に向けて、あの頃の札幌を程よく思い出して、自分自身に加油だ!


単勝     ④
馬単     ④→③
馬連・ワイド ③-④(本線)
馬連     ④-②⑤⑦⑩⑪(おさえ)
3連複    ③④-②⑤⑦⑩⑪
3連単    ④→③→②⑤⑦⑩⑪
       ④→②⑤⑦⑩⑪→③



※予想に関するクレームは一切受け付けません。 ※馬券は自己責任でお願いします。 ※みなさんが寝たり遊んだりテレビ見たりしている時間を割いて予想しています。その対価として料金をいただいております。 ※的中率よりも回収率重視になります。 ※予想の転載・転売は一切禁止致します。