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秘密の花園 三浦しをん
女性作家が10代をテーマに描くとき、いつも「うう……」ってなるので、やはり私の中で何か引っ掛かりがあるのだと思う。
あの頃に置き忘れてきたものに呼ばれているというか、私が百合を必死に掘っているのも、それが一つの要因なんでしょうね。
あらすじ
私は、なにをしているんだろう。どうしたら「私」でいられるんだろう? カトリック系女子高校に通う、三人の少女、那由多、淑子、翠。性格の異なる三人の「私」は、家族、学校、男たちの中にあって、それぞれが遠いはるかを、しずかに深くみつめている。「秘めごと」をかかえる彼女たちの微笑の裏側の自由。甘やかな痛みの底に眠る潔くも強靭な魂。自分を生き抜いていくために「私」が求めていたことは――。記念碑的青春小説。
三浦しをんさんの最新作「ののはな通信」が百合小説だと話題になっておりましたのでこれは読まねばと思っていたところ、同じカトリック系女子校に通う少女たちの話が以前にあり、しかもののはな通信の土台になっていると伺い、それはまずは読まねば!ということで出会った一冊。
女子校に通う少女たちのゆりんゆりんなお話というよりは、百合磁場を作り上げちゃう女の子たちがどんな風に生まれるかといった印象のお話でした。
物語と全く関係のない話になりますが、
生まれてから幼児くらいまで魂って完璧だと思うのです。それが、人同士が群れて安全に暮らしていくために、社会に馴染むために、時代時代に見合うそれ用の形へ削り取られていき、大人となると私は思っているのですが、こと女に関してはその削り取られる部分が大きく、えげつないと感じます。
(それを描いた映画が高橋勲監督のかぐや姫ですね)
私はこのままで居たいのに。
私はこのままじゃいけないのか?
私は誰か?
そういった疑問を考え込む暇も貰えないくらい、少女である時間というのは一瞬です。
大概は思考を捥ぎ取られるように大人に、女に、されてしまう感触があります。
これは、それにあがらう少女たちのお話です。
怒りにも、憎しみにも、似た「悲しいよ」という感情です。
誰にもわからないから一人で抱えるしかないと絶望させられるのですが、女はみんなそうですから、似た種類の匂いのする女の子を見つけたなら、友情の向こう側へ飛べてしまうんじゃないかな。
削られる痛みを、出会いの喜びを、自分は一人ではないのかもしれないという希望を、描いてくれてありがとう。
そんな気持ちでいっぱいになる一冊でした。
はー、酸っぱかった。ごちそうさまでした。
お気持ちだけありがたくいただきます。いいねを連打してやってください。そのお金で百合作品を買ってください^^