輝く世界の真ん中で
アルバムをつくっています。
いつから作っていたかと言われると、2020年の末から具体的な構想は始まっていたんだけど、もっともっと遥か昔から作っていた気もします。
わたしはアカペラから曲を作ることが多く、最初の段階では歌詞とメロディしか存在しません。手拍子に合わせた歌詞とメロディを1曲分つくって、iphoneのボイスメモに録音したmp3を錬金し、共に作るミュージシャンたちに渡します。
アカペラを元に、自分でコードを付けたりアレンジをする場合もあります。
アカペラのみだった歌にコードがついた瞬間、白黒だった世界がカラーになったみたいに、2Dが3Dになるように、主観が俯瞰になるように、世界がぐわあーーーーっと広がる感覚があります。輝く様々な事柄のなかで、その瞬間が一番好きかもしれない。ただぽつんと生まれたイメージに、アドレスが付くかんじ。銀河の、地球の、日本の、東京の、ここから歌っているんだというイメージが一気に立ち上がります。
コードが付いたばかりのデモや、スタジオで合わせたばかりの曲を、ひとりで真夜中に大きな音で聴く時間がずっと大好きです。公園で、おうちの窓辺で、大抵煙草を吸いながら聴きます。わたしだけのものなんてほとんどこれっぽっちも見当たらないこの世界で、唯一これだけはわたしの時間だと思える、とっても特別で大切な時間です。これからどこで、どんな生活をして、どんな人と共に生きても、この時間こそが何よりわたしを慰め、励まし、暖めてくれると思う。ひとりぼっちじゃないと触れない自由みたいなものが、その時間にはあります。
思えばチャリ通しながらMDプレイヤーで聴いた音楽も、憧れて買ったティンバーランドも、ライブハウスの隅っこで光を浴びながら観た歌も、クラブの椅子に座りながら踊らず聴いていたビヨンセも、ぜんぶその自由に触れられる唯一の扉だった気がします。
たかが輝く世界の真ん中で
たかが知れてる表情で
星はなぜ瞬き
風はなぜそよぎ
僕はなぜ生きるのか
たったいまコードがついた、ずっと作れなかった曲の歌詞の一部です。
身体が千切れるくらい走りまわって倒れるみたいに眠りについて、たくさん歌を作りたい。一生懸命作ろう。そんなただの日記です。