いつか目の前から消える前に。


小学6年生の春。もう中学生になるころ
忘れないのは多分俺だけじゃないだろう。

小学4年生のころから2年間同じクラス。
書き忘れたノートも二人三脚。

席替えは毎回同じ班になるぐらい仲良く
授業中はふざけ合って帰る足はいつも遅く

だけど覚えてるバッタリ不登校に
多分今知ってもハッタリ情報誌

脳の病。きっと治らない。
知っても何のことかさっぱり。

もう会えないってわかった日は
ひたすら泣いたよな。そういえば。

後悔に未練に悔しく泣いた日々。
教えてくれたミスチルの歌詞だけが俺の救い

あれからお前はどうしてるかな。
今も俺のこと空から見てくれてんのかなって。

この蒸発しそうな夏の太陽の真下で思う。

今でもあのうるさい男は変わらず言ってるよ。
なにもかも全力でやるって。
今でもあのころみたく変わらず言い聞かしてるよ
楽しくなきゃ意味ないって。

俺の存在価値をくれた一人の女の子に向けて
書いた分も今じゃただの独り言。

だけど意味を生む。明日の自分に向けて
足掻いた分も今はきっと高い壁の向こう

ここに来るたび思う。いつもありがとう
またきっと会いに来る。もっとでっかくなって。


偉そうなこと言えるようになった。
だけどこれもやってきた俺の人生の価値。

2年目でようやく彼女もできた。
趣味も仕事も今じゃ右肩上がり。

空から憎むように見てるかもな。
声も聞こえないから理想とは違うかもね。

だけど全部のきっかけにあなたがいて
やることなすこと全部誰かのためって

今の俺はどう見えてるかな。
今も俺のこと見てんのかなって

この溺れるような雨空の下で思う。

今でもずっと心の底から必死に願ってるよ
全て楽になりたいって。
今でもきっと果てしなく片隅で甘えてるのかも
どこまでも逃げたいって。

日記に記してた一人の女の子に向けて
こんな歌詞書くのも所詮は独り言。


だけど伝えてく。今を必死に。
高けりゃ高いほど理想への長い助走。

これからも胸張ってく。ここでばっちり。
背中にある芯だけは曲げずに高く跳ぼう。

ここにくるたび思う。いつもありがとう。
またきっと会いに来る。もっとでっかくなって。


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