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研究会#11 写景様式本位(小原流 師範科二期)

花型: 写景様式本位(近景) = 睡蓮の出生を生かし、葉や花を水面上に低く構成する。花形構成は直立型。
花材: 睡蓮一種(花1・葉3・巻き葉1・流し葉2) 七宝使用
花器: 丸水盤
〈結果〉95点

□当日の花の状態と意識したこと

▷睡蓮(花)
・花は蕾の状態だった。
 ⇒お稽古の時と似たようすだったので、お稽古通り七宝から1.5〜2cmくらい茎が出る長さに切った。花が咲き気味だったらもう少し短めにしようと思っていた。(花が開くほど花びらが水面に近づくので、水面との距離がより近づくようすを表現するために蕾の時よりも開いた時の方が茎が短くなるのかと。)

▷睡蓮(葉3枚)
・3枚とも小ぶりな葉だった。
 ⇒巻き葉側の葉に一番小さめの葉を選び、半時計周りに小→大となるように配置した。
  葉が小ぶりだったので丸水盤に対してキュッと小さく見えてしまうなという印象を持った。株の中心にゆったりさが残るよう窮屈になりすぎないように意識した。
・丸まりはあったが、お稽古時と比べて弱かった。
 ⇒水入れ用のポンプを使用することを予定していたが、葉脈が黒くなることが好みではなかったので、余分な葉と茎を利用して丸まりを取った。(先生・親先生ともに使用すること推奨だったので丸まりが取りづらかったら使うつもりだった。)すべての花材を一度試し生けして構図を決めてから丸まりの気になる葉を大きな葉で逆巻きにし輪ゴムを使って数分放置した。(その間は花を留めたり、流し葉を浮きやすくなるよう準備した。)放置した後、水に浮かべ、浮きが気になる箇所は切った茎を使って細かく丸まりを取った。

▷睡蓮(巻き葉)
・葉に比べとても大きかった。
 ⇒ 1番目に大きな葉〜2番目に大きな葉の間くらいの大きさに切った。
  株全体が小さい花材だったが、丸水盤に対して巻き葉が短すぎてもバランスが取れないと思ったので、葉と大きさを揃え、構図を決めるときに丸水盤・株に対するバランスを見て最終的に丸水盤から2cmほど出るくらいに切った。

▷睡蓮(流し葉)
・流し葉2つは同じくらいの大きさだった。
 ⇒雰囲気が同じになってしまわないように、葉柄の長さが明らかに長短わかる様に意識した。
・水面に浮かべた際、2枚とも時計回りの方向を向いた。
 ⇒大きさも同じだったので、葉の方向が同じだと力が一つの方向に流れてしまうと思ったので、葉柄が短い方を葉ぎりぎりの部分で逆向きに押しつけ、葉の向きが異なるように作った。

□今回のお題で意識したこと(お稽古での学び)

・七宝の置き方は自由だが、花を縦長の穴に刺すようにするといけやすい。
・葉や花は最初に8cmくらい残して切っておく。(それ以上長く使うことはないので切っても問題ない長さまでは切る。ポンプで水を入れやすくするため。)
・生け初めに七宝に被るくらいの水を入れておく。
・いけるまえに葉が水面にぴったりくっついて浮かぶように、大きな葉を利用して巻き、葉の丸まりを取る。
・花が蕾の場合、七宝から1.5〜2cm茎が出る長さにする。花が開いている場合は少し短めにするが、水面に浮いているイメージは忘れない。
・花を直立型の主枝の位置にくるように挿す。丸水盤を十字に4等分した時の左上真ん中に位置すれば良い。
・花は空に向かっているように真上に向かっているように挿す。
・巻き葉は新葉のため、他の葉とのバランスを等しくする。(水盤の高さよりも2cm弱高いイメージ)
・巻き葉は茎側を切り、半分に割った竹串を垂直に刺す。
・巻き葉の位置を決める。その際、正面から見て花と被らず、花よりも後ろにくることを意識する。
・巻き葉は垂直に立たせず、外側に沿わせる。
・巻き葉は内側に葉が巻かれているほうが花側を見るようにする。
・巻き葉側の葉は小さめなものを選ぶ。巻き葉は葉の先端に来るように位置付ける=花から1番遠い距離を取る。(中央脈の先端に位置づける。)
・葉は花を中心に株を作るが、窮屈にはならないよう留意する。
・葉は互い違いにする必要はないが、3枚で花を中心とする株を作るように重ね合わせ、それぞれの先端を結んだ時に、直線にならないように気をつける。
・流し葉は姿をみて、七宝の左下側、右上側に挟み水盤に沿って流す。
・その際、葉の重なる境界線から茎を出してはいけない。葉の丸みのある部分から出す。
・流し葉が浮きづらい場合、水中で葉柄を潰すと浮きやすくなる。(※千切れないように要注意)
・2つの流し葉が横並びにならないように気をつける。
・左下側から流した流し葉が真ん中より右側に出ることはない。
・直立型を基本構成としているため、副枝・客枝の位置に流し葉がくるとなおよい。(副枝より客枝の方が前寄り)
・今回のお題は水を魅せることも課題の一部であるため、睡蓮の汚れは花器に生ける前にある程度取っていた方が良さそう。(今回は浅めの容器を持っていき、花材を洗った。)

睡蓮の花の挿し位置のイメージ

□研究会で学んだこと(講評や他の方の作品を見て感じたこと)

・流し葉の位置は花より前に来ても問題ない。(葉脈の先端に位置付けることは重要)
・花首が水面から離れ水面に浮いているように見えなくなりやすいので、生け終わった後に開き葉の中心に水面に浮かんでいる様子になっているか見直す。
・花材となる巻き葉は開き葉と同じ株から取ったものではないため、開き葉と巻き葉のバランスがチグハグになりやすい。巻き葉はその株の新葉という位置づけであるため、そのまま使うのではなく、開き葉と同じ位に大きさを調整する。
・水面も花材の一部であり、睡蓮が水面に浮かぶ様を表す型であるため水の量は調整する。

□今回の研究会の感想

師範科二期最後、初めての写景盛花様式本位の研究会。
あまり楽しめる花型ではないなという印象を持っていたが、花が空に向かって咲こうとしている姿、水面に浮かぶ葉の様子を表現することを楽しみながら生けられた。手元の花材を見たときに、小ぶりの葉、お稽古どおりの蕾のままの花だったので、2度目の100点も夢じゃない…?!と思ったが、結果95点。お稽古で学んだことを実践しながら、流し葉の位置など当日の花材と向き合いながらいけることができたので◎
流し葉の葉柄がもっとふんわりと水に浮かぶ様子や開き葉をゆったりと生けてゆったりと咲く睡蓮を表現できていたらよりよくなったんだろうなあ。

当日の作品を正面から見たようす

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