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研究会#14 まわるかたち(小原流 准教授) 2022年12月

花型: まわるかたち = かたむけるかたち(横へ伸びる枝葉の美しさを表現する形)の展開。器の縁の円周上から主枝・福祉・客枝の3つの役枝が外側へ挿され、まわるかたちを表現するかたち。役枝はすべて同じ花材。
花材: ガーベラ(3)、スプレーカーネーション(スター咲き・2)、スプレーストック(白・1)、氷室杉(1)
花器: 花意匠新型花器
〈結果〉90点

上から見たようす


正面から見たようす

□当日の花の状態と意識したこと

▷ガーベラ
 ・大きさに大差がなかった
  ⇒大きさの他に茎の流れや花の向きを見て役枝を選んだ。
▷スプレーカーネーション
 ・ほとんどの花が咲ききっていて、固そうな蕾がいくつかあった。
  ⇒ピンクのバランスに違いを作るのが難しかったので、ストックやヒムロスギの後ろにピンクをチラ見せさせるなどして工夫した。 
▷スプレーストック
 ・蕾も混じり、白の挿れ方にバランスをつけやすそうだった。
▷氷室杉
 ・緑の密度がバラバラだったので、使いやすそうだった。

□今回のお題で意識したこと(お稽古での学び 2022/11/30)

・剣山は奥の花器にひとつ、手前の花器にふたつ置く。(先生によって異なる。)
・ガーベラの様子から右回り、左回りを決める。
・主枝の長さは任意となるが、花首入れて直径分を取り、挿し位置から接線に花がさしかかる長さにする。
・副枝は主枝の2/3〜1/2、客枝は主枝の1/2〜1/3の長さにする。
・まわる方向に主枝、副枝、客枝の順にさす。短い役枝がひとつ前の長い役枝を追いかけるイメージ。
・役枝を挿し終えたら、氷室杉を挿れていく。役枝の半分くらいの長さで役枝に添うように挿す。このとき、花器から外に向かうように挿れる。
・外側に向かう氷室杉の他に2〜3本氷室杉を挿れる。まわる方向を強調するように少しずつ向きを変えながら挿す。
・次にスプレーストックを小分けにしながら入れていく。それぞれの役枝のもとに1本は花器からはみ出すように、他1〜2本を高低差や向きに違いを出しながら挿れる。
・スプレーストックの蕾や開ききっていない小さめの花があれば、高めに使ったり、まわる方向の逆に入れ、それぞれの役枝の塊につながりを作る。
・スプレーカーネーションも同様に1本を花器の縁の円周上に、他1〜2輪を内側に挿れる。
・全体を見た時に白・緑・ピンクのバランスが似通わないように高低差・大小・長さ・向き・数を調整する。
・最後に器の繋ぎ目が目立たないように氷室杉を中心に挿れていく。
・全体を真上からではなく、観る人の視線の位置から見たときに剣山が見えるところに足していく。
・それぞれの役枝の挿し位置、花首の位置が正面から見ても横から見ても被っていないかを確認する。
・剣山の位置を最初にずらしておくと良い。客枝の剣山が花器のつなぎ目に1番近いところ。
・基本的に小さめの花や蕾を高く、咲いている花を低めに挿れると足元が整いやすい。
・水に葉が落ちているときは掬って水をきれいにする

□研究会で学んだこと(講評: 宮原尚美先生)

・役枝は長すぎない方がよい。
・”まわる”の動線を作る。役枝の茎の向きで動線を作り、中間枝で動線を強調する。
・多面性の花型なので、役枝の向きに違いを作る。
・役枝の次にヒムロスギを挿れ、花が埋もれないようにする。
・スプレーカーネーションの緑の蕾は使わない方がよかったかも。(奥住先生)

花意匠は盛花などより楽しく生けられるから点数も自ずとついてくるだろうと思っていたけど、そうもいかず…。今年は11月までで95点を9回採れていたので、あともう1回と思っていたのに悔しい。
他の方が活けおわったものを見てみると私が生けたものより役枝の長さが見るからに長く、外側への力を感じた。比較すると確かに役枝による動線の力が弱かったなと反省。中間枝のバランスの感覚は以前よりも掴めてきた気がするけど、”まわる”を強調するには逆の動線が強かったな〜。写真で見ると副枝の後ろの器の繋ぎ目が見えすぎたのも気になる。

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