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【小豆島旅行記⑫2日目~part.3~】はじめての妖怪美術館入館☆デジタルクラッシャーの指が唸りを上げる

いざ、入館!と意気込んで兄やん達が待つミュージアムショップへ向かう我々。
ミュージアムショップは以前来た時よりもパワーアップしていた。

まずは小豆島の超局地的名物として我々闇チームが認識している「鈍器のようなもの」コーナーが出来ていた。
妖怪美術館ビギナーのために説明すると、「鈍器のようなもの」はオリーブの古木の端材だ。普通なら捨てるものである。それを適当な大きさにカットして、販売しているのだ。そして、それは妖怪美術館のベストセラーとして君臨している。逆転の発想。アートを感じるぞ。
「鈍器のようなもの」のことを語れば長くなる。本当に長くなるので、後日、この旅行記を書き終えた時に番外編として「鈍器のようなもの」について記事を書かこうと思う。" 鈍器回" である。これを読めばきっとアナタも「鈍器のようなもの」が欲しくなるに違いない。乞うご期待だ。
気に入った鈍器に文字を入れてくれるサービスまで出来ていた。サービス満点だ。素晴らしい。
私の目は写真中央にある、節の跡がハート型になっている鈍器に釘付けだった。可愛い。欲しい...。でもこれから美術館に入館だ。今買ってしまえば鈍器を片手に街をウロウロすることになる。事案発生だ。それだけは避けたい。
あぁ、鈍器、アナタはどうして鈍器なの。

オリジナルの「妖怪お札」のコーナーも以前に比べて拡張してあった。怪しく光る福のネオンに謎の認定書もある。なにやら「妖怪お札鑑定サービス」というのも始まっている。これも要チェックだ。美術館を見て回った後に是非体験してみよう。

そして先程のランチであまりの美味しさに感動した佃煮も、地元の和菓子屋さんとのコラボで生まれた「みちしるべぇ焼き」も買いたい。
売り場こそそんなに広くはないが、ミュージアムショップで取り扱っているものは、ひとつひとつが面白い。ここだけで長時間楽しめるほどである。

それら妖しい魅力を放つ商品たちにつられて、ショップ内でワイワイ始めた我々を兄やんは美術館入館へと促す。初めてここに来ておよそ8ヶ月。やっと入館するのだ。

妖怪美術館は「迷路のまち」と言われる入り組んだ路地が特徴のレトロな町の中に合計5ヶ所点在している。受付でマップを貰って町を歩きながらそれらを巡るのだ。
巡りながら「迷路のまち」にある面白そうな店を見つけて楽しんだりすることもできる。
実際にリーダー好みの古着屋さんを見つけて覗いたりもした。アートに触れ、町を感じる実に楽しい時間だ。

美術館巡りにはスマートフォンのアプリを活用した音声ガイドを利用する。これを聴きながら巡るのだが、このナレーションが不思議と落ち着く。
何かに集中したい時や、ぐっすり寝たい時などこれを聞くと効果てきめんである。帰宅後でも聞き返すことできるので、私はこれをよく聞いている。実際にこの記事を書いている今でも聴きながら書いているほどだ。集中力が増す。そしてこの効果はヒト以外にもあるようだ。普段は元気にいたずらをしたりじゃれ合っている我が家の猫たちもこのナレーションを流している時は大人しく香箱座りでじっとしている。不思議である。物以外のお土産としてもこれは凄くいいと思う

点在する美術館にスタッフさんは常駐していない。その代わりに入館時に受付で受け取るパンフレットに書いてあるパスワードを各美術館の入り口で入力して入館する。そうデジタルのチカラを使っているのである。
それを聞いた我らがデジタルクラッシャーGOTOが全ての入り口でパスワードを入力するのだと張り切って先頭を歩く。我々はドキドキしていた。
そうしているうちに最初の美術館である1号館についた。

入り口のドアの前で仁王立ちするデジタルクラッシャー。ドアに付いているセキュリティの液晶へ指を伸ばす。しかしそのまま固まった。
「これ、ボタンがないよ。どこ押すん?」
と一言。いやいや、液晶をタッチしたら出て来るとなぜ気が付かない。全員が突っ込むと、「なぁーんだー」といい再びデジタルに挑むGOTO。
次の瞬間、我々は戦慄した。

GOTOがゆっくりとひと押しひと押しパスワードを入力していく度に、扉がまるで秘孔を突かれたかのようにガタガタと音を立てて仰け反り軋むのだ。凄いチカラだ。親の仇のように力任せに液晶を押すGOTO。彼女の本業はプロのメイクアップアーティストだ。コスメコンシェルジュだ。普段、我々に化粧の時は優しくタッチ!と激を飛ばしているのに、デジタルにはこのタッチなのか。
液晶が割れるんじゃないか。ヒヤヒヤする。その前に扉は大丈夫か。この後も行く先々でこれを見るのだ。これは...心臓に悪い
妖怪美術館のセキュリティにデジタルクラッシャーの魔の手が忍び寄っている。
この後も彼女は横開きの扉をチカラ任せに押し開けようとするなど、我々を恐怖のドン底へと誘う。真の恐怖は身内に居た。

妖怪美術館の展示はとても面白い。注意深く周りを見回さないと、見えないところに仕掛けがあったりもする。

自分が中に入ってアートの一部になることもできる展示など、見る者を飽きさせない。そのどれもが撮影自由なのだ。時間があっという間に経つ。ナレーションの効果もあってか、皆が鑑賞に夢中になっている。

圧巻は最後の暗闇の部屋だった。

この部屋本当に真っ暗でほんの僅かな間接照明がある程度。ここの畳に寝っ転がって、目が慣れて徐々に見えてくるアートを楽しむのだ。天井にビッシリ描かれた妖怪画は迫力満点だった。
見えないものが見えてくるという妖怪美術館のコンセプトそのものだと感じた。そしてこの真っ暗闇が始めこそ怖かったが、慣れてくると落ち着くし不思議と怖くなくなる。ここは特にじっくりと時間をかけて鑑賞したいところだ。

そして、この暗闇の中で忠平さんが我々を待ち受けるというチョーケシ兄やんのドッキリもあった。
突然暗闇から「ふははははは!私が見えますか?」と声をかけられたリーダーはビビり倒していた。もんやり見える忠平さんのような何かと話をしていると。ちゃんと忠平さんが見えてきた。よかった、本物だった。この部屋は面白い。今後もこの部屋の絵を忠平さんは描き足していくという。そう、この部屋はまだ未完成のアート。行くたびに成長するのだ。

また絶対に見に来よう。
そう話しながら部屋を出て、充実した表情でスタート地点であるミュージアムショップへ向かう我々。
ここから小豆島面白Twitter連合の雄として日々つぶやき続けている妖怪美術館の面々との怒涛のプロレス合戦になることにまだ気づいていない。

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