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第6回闇キャンプ②★海老をよこせ!! リーダーの声が響く「小豆島大蒜海老騒動」【香川県・小豆島ふるさと村キャンプ場】

闇チームが乗る2台の車が「道の駅小豆島ふるさと村」の駐車場に入ってきた。

ここでは、今回の旅のメインイベントである「さぬき夢気球フェスタ」でぷかぷか浮ぶ気球を見るのと、イベントと同時開催の「美食イベント」で美味しい昼食を食べることだ。
フェリーの中でリーダーは、H.I.Sが出店するハワイアンカフェでガーリックシュリンプを食べるんだととても楽しみにしている様子だった。
道の駅の前にはすでにイベントスタッフの人達がお揃いのジャンパーを羽織ってお客さんを誘導していた。彼らからパンフレットなどが入った袋を受け取って促されるまま奥にあるグランドへと歩を進めた。
「ゴォォォォ!ボボオォォーー!」と凄い音を立ててバーナーから火を噴く音がする。ふと視線を向けると大きな気球が膨らんでいた。

「おおおおおおおお!」
「気球!」
我々は声を出していた。
ふわりと浮かぶ気球は時折バーナーの音を立てたながら上昇していく。
ある高さに行くとそれ以上は浮き上がらなくなっている。係留されていると書いてあったがそういうことなのか。なんとか乗りたいと思い、出発前に問い合わせをしたりしていたのだが、チケットは完売していて我々は乗ることは出来ない。でも、キャンプ場からは見えるはず。キャンプの予約をする時に、係の方に「気球見えますかね?」と問い合わせていたのだ。
凄く親切な係の方は、「まだ(予約を入れたと時点では)小豆島では飛んでないから、はっきりとは分からないけど、位置を考えたら見えるんじゃないかなぁ・・・。もし抑えてる場所から見えなくてもキャンプ場の中を少し歩けば見えると思いますよ」と親切に教えてくれたのだ。楽しみである。

我々は気球を眺めながらご飯を食べようと、視界の端に気球を捉えたまま美食イベントのゾーンへ進んだ。
そこには地元小豆島のお店も日替わりで出店しており、様々なものが並んでいた。たこ焼きや焼き鳥の他にも小豆島で育った「長命草」なるなにやら不老不死に効きそうな名前の野菜を使った「長命草カレー」や、出発前の事前リサーチの時にもチェックしていた小豆島のクラフトビール「まめまめビール」、宇宙食にも採用されたという宇宙佃煮もあった。不老不死から宇宙まで、ぶっ飛んでるぜ小豆島ぁ。
我々は各ブースをめぐって思い思いの食べ物を買いテーブルにつく。買ってきた物を見せ合いながら食べようとするが、リーダーが
「ガーリックシュリンプは!?ガーリックシュリンプの店がない!!」
と肩を落としている。店は日替わりということなので、今日は出店していないのだろう。
「食べたかったぁ!私、ガーリックシュリンプの口やったのにぃ」
と嘆くリーダー。今はまだガーリックシュリンプの口だから、他のものを食べたくないとのこと。そんなリーダーに
「美味しいですよぉ?」
とそれぞれの食べ物を1口ずつ食べさせる我々に、リーダーはしばらくの間、口元に運ばれてくる食べ物を口を開けては咀嚼する雛と化していた。

その後、
「ちょっと道の駅の食べ物も見てみたい」
というリーダーと一緒に道の駅のレストランへ偵察に向かった我々は、美味しそうな生そうめんを発見し、結局全員で生そうめんを頂いた後、売店で見つけた超高級エキストラバージンオリーブオイルをかけたソフトクリームを頂いて、満腹の腹を抱えてキャンプ場へ向かった。

今回、我々がキャンプ地とするのは「小豆島ふるさと村キャンプ場」。
山の斜面を利用して、フリーサイトをはじめ電源付きのオートサイトやケビン、トレーラーハウスなど様々な用途に合わせた施設が充実するキャンプ場だ。今回の気球が浮き沈みする様子を見ながらキャンプができるのが決め手になりこのキャンプ場を選んだ。
今回は旅行を兼ねたキャンプで長時間の移動もあるとあって「如何に荷物を少なくするか」が課題だった。荷物を減らすための一環として、テントや防寒用のグッズが必要になるテント泊ではなくエアコンの付いた快適なトレーラーハウスを予約している。

なおかつ、受付の時に渡して下さる袋にしっかり分別をすればゴミの回収もしてくれるというのもありがたい。ビバ!小豆島ふるさと村!
受付を済ませて、教えられたルートを通ってトレーラーハウスに車を走らせた我々は、到着後、まずは荷物を運び込んだ。

ウッドデッキの付いたトレーラーハウスは2棟並んで建っており、今日はどちらも我々が抑えている。2つのトレーラーハウスの間にある芝生の庭で料理をしたり食卓を設置する予定だ。明るいうちにと、ロフト型の2段になっているスペースにエアベッドやシュラフで寝る準備を整え、トレーラーハウスに付いている冷蔵庫にクーラーボックスから食材やドリンク類を移し終わって外に出ると、ウッドデッキからはぷかぷか浮かんでくる気球とキラキラと光る海が見えた。素晴らしい眺めだ!そして何て快適なんだろう!そう感動する私の脳裏にふとGOTOお手製の闇のマスカルポーネの姿がよぎる。晩餐には、まだ見ぬ闇のマスカルポーネも待っているのだ。きっと今頃隣のリーダーやGOTO達が居るトレーラーハウスでは闇のマスカルポーネが冷蔵庫に移されているに違いない・・・。
そう思いつつ隣のトレーラーハウスを眺めているとリーダーとGOTO、ディレクターが出てきた。ある程度荷物を下ろしたあとは、少し観光に行く予定なのだ。目的地は、エンジェルロード。ちょうどこの時間は潮が引いていて渡れる事も調べている。

車に乗り込んで気球を眺めながら、エンジェルロードを目指した。

途中、先導する我々夫婦の車を運転するたっちゃんがまだまだ目的地まで距離があるにも関わらず大減速をした。驚いた私は「どうした?」と尋ねると、「いや、行きもそうやったんやけど、リーダー、あの店の前で信じられんくらい減速するんよ」と、道沿いにある銀色のバスを指す。バスの壁にはコーディネートした古着がいくつか飾ってある。リーダー好みのコーディネート。確かに好きそうだ。そして、少し遅れて来た後続のリーダーの車が歩行者の方が早いくらいのスピードで通過しているではないか。バックミラーに映るリーダーの車内は運転するしているリーダーはじめ皆が食い入るようにその店を凝視していた。実にわかりやすく気になっているようだ。
「帰りに寄るか、あとで聞いてみようか」
と言いながらエンジェルロードへ車を走らせた。

エンジェルロードはGOTOが行きたいと熱望していた場所だった。歩ける時間帯には観光客が集中するらしく、駐車場が大変な事になっていた。なんとか駐車した我々はエンジェルロードを目指して歩いた。

楽しそうなGOTOの様子を、未だガーリックシュリンプを引きずっているリーダーが写真におさめていく。

エンジェルロードは人でいっぱいだった。みんな、エンジェルロードを渡って向かいの島まで歩いていた。その波に乗って我々も歩を進める。完全に潮が引いているのか、岩場が顔を出しているところもり、小さな生き物を見つけてはしゃぐ子供の姿を見ながら島に着いて、メンバーで記念撮影をした後ふと顔を上げると・・・

わざわざこんな高い場所に!?と思う所に写真の絵馬を見つけた。こんなところに絵馬を掲げる時間があるなら、早急に泌尿器科を受診することをオススメしたい。

そう思いながら振り返るとリーダーの姿が見えなくなっていた。
「どこにおるんやろう?」
辺りを見回してみると、少し先キラキラ輝く西日の中、子どもたちに混じって潮だまりを覗き込み、海老を探すリーダーの姿があった。

海老を捜してるんだ!私も隣りにいたたっちゃんも驚いた。GOTOやディレクターも笑いながら一緒に探している。

ご覧あれ、この必死の形相。海老をよこせと言わんばかりに見開いた目を。あぁ、罪深きガーリックシュリンプ。ガーリックシュリンプが無かったせいで、リーダーが、海老漁師も真っ青の執念で血眼になって海老を探しているではないか。ここは大切な人と手をつないで渡ると、砂州の真ん中で天使が舞い降りてきて願いを叶えてくれると言われている恋人の聖地・エンジェルロード。
おそらく海老は・・・いない。エンジェルロードの真ん中で海老を叫ぶ人もおそらくリーダーだけだろう。
この事件を我々闇チームでは米騒動になぞらえてる「小豆島大蒜海老騒動」と呼んでいる。

さて、こうして観光を終えた我々。キャンプ場へ戻ってようやくキャンプを始めることとなる。
次回、「小豆島ふるさと村キャンプ場」の特設キッチンスタジアムで突如始まった鉄人GOTOと挑戦者まなみん&たっちゃん夫婦のクッキングバトルについて書こう。

See you next part!



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