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外国人から聞いた忘れられない言葉①

シリーズでお送りします(たぶん)

①スペイン人 ②アメリカ人 ③カナダ人を予定しています。(結構どうでもいい予告)

ということで、本日はスペイン人の人のラミのお話。

ラミとは昔の私のボーイフレンドであり、ある日神戸三宮駅で待ち合わせをしていた。

ラミは外国人は平気で遅刻するという噂とは正反対の人で日本人よりも早く到着しているタイプだった。今書いてて気づいたのが、私が今まで待ち合わせをして少し遅れ気味だったのはアメリカ人くらいでカナダ人もイギリス人も皆時間ぴったりに着いていて大抵は私の方が遅れるくらいだった。(ごめん)

話は逸れたが、その日待ち合わせのため私の最寄駅に向ったら電車が大幅に遅れている。理由は人身事故だった。ラミは待ち合わせの30分前くらいに着いている特異とも言える人だったので私はすぐにメールした。

「ごめんなさい、人身事故で電車が止まっています。遅れると思う」

ラミからの返信

「日本人はなんでこんなに自殺する。Life is beautifulなのに。 わからないよ」

とのことだった。

私はラミからのメールを読んでなぜだかひどく驚いてしまった。

『Life is beautiful』

同名の映画があった。ユダヤ人迫害についての映画。素晴らしい話だったし『Life is beautiful』というその題にはすごく深い意味がある。

驚いたのは私の好きな映画の名前を口に出したからではなく、さらっとLife is beautifulと事もなげに言う人に初めて会ったからだった。

日本人はシャイだから恥ずかしいけど本当はそう思ってる、ということもあるかもしれない。あまりにも美しい景色を見たり、何か素晴らしい光景を目の当たりにしたりすればそんな言葉が一生のうちに数回程度出てこないとも限らないが、その時は何もない日常に突然表れた光を持った言葉と人身事故という灰色の出来事の対比に圧倒されたような気分になった。

私は「Life is beautiful」なんて思ったことが今まであっただろうかという気持ちと、ラミはそんな風に思っているんだという不思議な感覚。特にちょうどその頃は転職しようかどうか迷っている時期だったし、それでなくても基本的に不幸体質で嫌なことにばかり目を向けがちな自分に人生は素晴らしいなんて思えるような感情は全くなかった。

そしてその後しみじみと彼のその考え方を羨ましく、そして単純にすごく良いと思った。

あれから10年くらい経って、ラミともとっくの昔に別れた。

でも、あの時駅のホームで読んだメールから受けた衝撃を私は忘れられないでいるし、これからも一生忘れないと思う。こんな風に思うの私だけかもしれないけど。

みんなは「Life is beautiful」なのかな




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