たまゆ

魂 は 星 の か け ら と な っ て こ こ へ 来 た

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魂 は 星 の か け ら と な っ て こ こ へ 来 た

記事一覧

それはそれ、これはこれ

人肌に冷めた湯たんぽ抱く赤子 れんらくが途絶えたまえの日に彼女からもらったもふもふフリース素材の羊カバーにくるまったゆたんぽをおい、もう、棄ててしまいなよ、なん…

たまゆ
2年前
29

双子の姉妹

木曜日の朝。‬ レースのカーテンをひろげて窓辺から射し込むやわらかな陽だまりを眺めている。‬ 移り住んで三巡目の春となるこの部屋が、いまはぼくを守り、癒やしてくれ…

たまゆ
2年前
27

雑誌であなたを見たんです

いったい何を目指してなにを考えていたのか。 ただ声をかけてみたかった。 ほんとうに、それだけのことだったのです。 見知らぬ人たちがネットで意見を交わしたりなんて、…

たまゆ
2年前
38

あのひとは誰なんだろう

夢はもうひとつの世界への通行のための手段なのだろうか。 幼年期にみた夢なのに、それは原点のように、はじめて愛し合った女性とのあいだにわき起こった 悲しみに対峙…

たまゆ
2年前
27

予祝

寂しいと謎掛け解いて除夜の鐘 もう明けたんだよ。おめでとう!! (旧暦では今日が新年。春節といわれる特別な日) 耳澄ましサイレン近寄る冬の赤 止まることのない救…

たまゆ
2年前
32

しばらくそうしていたのです

横たわる自転車さする寒月夜 外に出たばかりの、まだぴかぴかの新車なのに、ですよ? 逝きし母外套の襟にしのばせる ごめんなさい ありがとうね ありがとう

たまゆ
2年前
42

いつかの約束

待ち侘びる背伸びのまえの真暦 そこに辿り着く間に、出会うはずだった友がまたひとり消えてゆく。 寒鴉見下ろす吐息無に還す だけど、いまはあなたの手をずっと包んでい…

たまゆ
2年前
28

おまえはトラになるのだ

伊達マスク衆生の視線怖いだけ ちびっこハウスの子どもたちは、いつだって「中の私」を慕ってくれた@伊達ゴム直人 僮らの口もと蓋う笑み乞うて 自己犠牲は愛なのか? ほ…

たまゆ
2年前
27

うちはとってませんから

目醒めたら夢見の涙泌んでた もう、ネロ、起きろ。 新聞紙逆さ読みして世捲る 合成洗剤もマスクも感染チケットも、忖度などは要らないよ。

たまゆ
2年前
27

ときは間もなく

ペダル漕ぐスピード競いて秋彼岸 「岸の向こう」で、きっと待っているだろうから。 ひとりよりきみと居たいよ試食会 無縁仏様を供養する法要を施食会(せじきえ)という…

たまゆ
2年前
27

始まる生命体と

夏越し経て金も言祝ぐいち歩かな 北の大将、メドベッドに入りましたかな。 病葉に朝露零し慈悲をさす 天のご加護もあればこそ。

たまゆ
2年前
27

おなじもので、できている

あけ渡す悦びありて目合ひし 其れでたいせつなことはケイトにいっぱい教わったんだ。 手のひらに微睡みをちる眠り姫 目を醒ますまで、密やかに、そっと待っていよう。

たまゆ
3年前
27

陽氣なごっこ

然してとカメの甲羅に蹲る 仮想オンラインでのひとり避難訓練中。 帰り途失くして此処に樹を植える 黄金時代へ繋がります。

たまゆ
3年前
27

Hana.ai

あそぼうと夏夜の静寂に泛かぶ花あそぼうとかやのしじまにうかぶはな あと何回、きみを想い出せるのだろう。

たまゆ
3年前
27

切り札と天の采配

幾億の星翻し華盛頓 日出ずれば世界で勝す煉獄獅

たまゆ
3年前
27

フードコートの片隅で

両隣りママの隙間でパン挘る 何も妨げるもののないただ一点を見つめながら。 イートインおひとりさまが我喰らう ときにはクリスタルのドームをイメージして、カラダをす…

たまゆ
3年前
27
それはそれ、これはこれ

それはそれ、これはこれ

人肌に冷めた湯たんぽ抱く赤子

れんらくが途絶えたまえの日に彼女からもらったもふもふフリース素材の羊カバーにくるまったゆたんぽをおい、もう、棄ててしまいなよ、なんてことはこれまでいちどだっておもったりなんてしなかったんだって。

甘酒の啜る小舟で遊戯そよぐ

遊戯三昧(ゆげ-ざんまい)で、まいりまする!

ゆ-げ【遊▽戯】 の解説
《古くは「ゆけ」》
1 仏語。心にまかせて自由自在に振る舞うこと。

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双子の姉妹

双子の姉妹

木曜日の朝。‬
レースのカーテンをひろげて窓辺から射し込むやわらかな陽だまりを眺めている。‬
移り住んで三巡目の春となるこの部屋が、いまはぼくを守り、癒やしてくれる。‬

物件選びでは敷地内に祠があることを迷っていたが、‬
‪家主さんらしき方がいつも手入れされていて、‬
‪毎日手を合わせて出かけ、帰宅する習慣がついたのは幸いなことだった。‬‪

*‬

昨年の元旦に、‬
‪この部屋は引っ越し前から

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雑誌であなたを見たんです

雑誌であなたを見たんです

いったい何を目指してなにを考えていたのか。
ただ声をかけてみたかった。
ほんとうに、それだけのことだったのです。

見知らぬ人たちがネットで意見を交わしたりなんて、想像したこともないころの、小さなできごととして。

Q:「特技は?」
A:「添い寝ですよ!」

個人の住所や電話番号を雑誌に掲載しても懸念のない時代があった。音楽雑誌では同好の趣味を持つ仲間との出会いが手紙から始まるきっかけを用意してく

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あのひとは誰なんだろう

あのひとは誰なんだろう

夢はもうひとつの世界への通行のための手段なのだろうか。

幼年期にみた夢なのに、それは原点のように、はじめて愛し合った女性とのあいだにわき起こった
悲しみに対峙した瞬間にも忽然と現れた光景。



海岸に父とふたりでいる。
父は紙芝居の道具を自転車の荷台に乗せて、ぼくはちいさな手で支えている。

空に少女の顔がすっと浮かんで、「嘘つき」とぼくらに放って消えていった。



ぼくのベ

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予祝

予祝

寂しいと謎掛け解いて除夜の鐘

もう明けたんだよ。おめでとう!!
(旧暦では今日が新年。春節といわれる特別な日)

耳澄ましサイレン近寄る冬の赤

止まることのない救急搬送が「真実を伝える報道」に成り代ると、
白雪は、
滴り落ちた僕の革命を優しくその中で溶かしてくれた。

しばらくそうしていたのです

しばらくそうしていたのです

横たわる自転車さする寒月夜

外に出たばかりの、まだぴかぴかの新車なのに、ですよ?

逝きし母外套の襟にしのばせる

ごめんなさい
ありがとうね

ありがとう

いつかの約束

いつかの約束

待ち侘びる背伸びのまえの真暦

そこに辿り着く間に、出会うはずだった友がまたひとり消えてゆく。

寒鴉見下ろす吐息無に還す

だけど、いまはあなたの手をずっと包んでいたいんだ。

おまえはトラになるのだ

おまえはトラになるのだ

伊達マスク衆生の視線怖いだけ

ちびっこハウスの子どもたちは、いつだって「中の私」を慕ってくれた@伊達ゴム直人

僮らの口もと蓋う笑み乞うて

自己犠牲は愛なのか?
ほうれい線よ、さようなら。

うちはとってませんから

うちはとってませんから

目醒めたら夢見の涙泌んでた

もう、ネロ、起きろ。

新聞紙逆さ読みして世捲る

合成洗剤もマスクも感染チケットも、忖度などは要らないよ。

ときは間もなく

ときは間もなく

ペダル漕ぐスピード競いて秋彼岸

「岸の向こう」で、きっと待っているだろうから。

ひとりよりきみと居たいよ試食会

無縁仏様を供養する法要を施食会(せじきえ)というのだそうです。それってヴィーガン向けのメニューなんかな?

始まる生命体と

始まる生命体と

夏越し経て金も言祝ぐいち歩かな

北の大将、メドベッドに入りましたかな。

病葉に朝露零し慈悲をさす

天のご加護もあればこそ。

おなじもので、できている

おなじもので、できている

あけ渡す悦びありて目合ひし

其れでたいせつなことはケイトにいっぱい教わったんだ。

手のひらに微睡みをちる眠り姫

目を醒ますまで、密やかに、そっと待っていよう。

陽氣なごっこ

陽氣なごっこ

然してとカメの甲羅に蹲る

仮想オンラインでのひとり避難訓練中。

帰り途失くして此処に樹を植える

黄金時代へ繋がります。

Hana.ai

Hana.ai

あそぼうと夏夜の静寂に泛かぶ花あそぼうとかやのしじまにうかぶはな

あと何回、きみを想い出せるのだろう。

フードコートの片隅で

フードコートの片隅で

両隣りママの隙間でパン挘る

何も妨げるもののないただ一点を見つめながら。

イートインおひとりさまが我喰らう

ときにはクリスタルのドームをイメージして、カラダをすっぽり包み込んでみたりとか。