みんなが、あるいは誰かがすでに持っている記憶を呼び起こす写真

濱田英明さんのトークショーに参加してきました。そのなかで、濱田さんは以下のようなことを意識していると話していました。

・見ているようで見ていない、普段の生活の、意識の外にある景色がある
・写真という誰かの視点が、自分の視点に切り替わることがある
・自分の視点に切り替わると、その人の中でその写真は広がっていく
・撮影者が透明になる写真が理想のひとつ

その話を聞いているとき、作詞家のいしわたり淳治さんの話していたことがカチッとはまったような気がしました。

・音楽を聴いて、楽しくなったり悲しくなったり共感したりすることは、自分ごとになったということ
・固有名詞を出しすぎると、具体的になり過ぎてしまって、自分ごとにできない人がたくさん出てきてしまう
・逆に、抽象的な言葉は、自分のことだと解釈できる裾野を広げる効果がある
・抽象的な中に具体的なことを置いていくと、場面が想像しやすくなる
・委ねることでその曲は、みんなの自分の曲になっていく

自分ごとになったその写真は、記憶や思い出に繋がる大切な写真になるのかもしれない。そう思うと、すべてを詰め込んで完結させるのは惜しい気がしてくる。自分の手を離れた写真は、ある意味で最強かもしれない。

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