1/fって何すか。#91(2021.04月号)

新しいアルバムのリリースと、そのツアーが発表されました。5月26日「MOON」です。
1年間曲を作っては録って、書いては録ってを繰り返し11曲。しかし、最後の曲のレコーディングが終わっても「テスラは泣かない。これにてオールアップです!!!パチパチ」みたいなのもなかったし、ゴールテープを切った感覚がほとんどしない。これは、まだ実は終わっていないのか?それとも時間がたっぷりあることに甘えて、周回遅れのゴールだったのか?なんかのドッキリか?
それは分かりませんが、とりあえずこの作品が目の前にあるということは、1年前の4月と今は違う場所にいて、おそらく新しいスタートは切れるのだろう。そういうことにしよう。

さて、今月のコラムでアルバムの全貌を紹介するというのも構わないのですが、発売日までのワクワクは増えても、発売日以降のドキドキを減らしてしまいそうなのでやめておきます。本当に良い映画は予告編を見ても良い映画ですが、予告編を見なかったらもっと良い映画になっていたかもしれないし。

前作「CHOOSE A」のとき、CDのブックレットの最後に「あとがき」と題したセルフライナーノーツを書きました。(現在は村上のnoteでも公開しています)ただのセルフライナーノーツにすると面白くないので、毎曲ごとに主人公が出てくる物語タッチに書いたのですが、これがなんともノーリアクションだった。物語にしては短すぎるし、楽曲解説にしては抽象的すぎた。というのが反省点である。とはいえ、パソコンに向かってコラム以外の文書をしたためるのは初めての経験だったし、個人的には作品として納得している。問題はここから。今作「MOON」でもこれをやるのか?前回はミニアルバムだったのに対し、今作は11曲のフルアルバム。うーん困った。

しかし、結果から言うと私は書こうと思っている。どれくらいの人が読んでくれるかは分からないが、おそらくこのサブスク全盛期にCDを購入してくれる人というのは、きっと心の優しい人に違いない。どんな内容になるかは全く決まっていないが、自分の体の芯から出てくる言葉をつないで、グッドリアクションを引き起こしたいと思っている。しばらくはPCを持って喫茶店に通う日が続くだろう。小説家気取りになっても許してほしい、ツアーが始まる頃にはいちバンドマンに戻っている。あとコーヒーを飲みすぎて胃を壊すのも避けたい。

なるほど、ゴールテープはまだまだ先だ。

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