コロナ渦の七夕で6歳女の子が願ったこと。(web版1/fって何すか。#80)

とある日の朝、自宅のベルが鳴り、玄関にでると、近所のおばあちゃんが缶コーヒーを一本握って立っていた。どうなさいましたか?と聞くと、「お庭に生えてる竹の笹を何本かいただいてもよろしいですか?」といわれる。「もちろんです 」と私が答えると、「ありがとう、これはお礼です」と冷たい缶コーヒーを差し出してくれた。そのあと私と二人で、何本かの笹の葉を切って、おばあちゃんは帰っていった。
その日は7月7日。七夕だった。

翌々日、7月9日。
久々のライブだった。それは初めての試みとなる配信ライブで、カメラの向こう側に向けて精一杯歌を歌った。この日のこともあり、七夕の夜というのはリハーサルの真っ只中だった。
いま思えば、「配信ライブがうまくいきますように」くらいの短冊を吊るす余裕があってもよかったなと思うが、結果的には、それなりに、おおよそ、だいたい、その願いは叶ったので、織姫彦星と、視聴者の皆様に感謝。(ありがとうございましたm(__)m)

さらにその翌日、7月10日。
地元の友人から一枚の写真が届いた。
「うちの子供(小学一年生, 女子)が、学校でこんな願いごとを短冊に書いていた」と。

写真を見る限り、彼女の同級生の子供たちの多くが、まるで夕方のテレビのワイドショーの街頭インタビューのように口をそろえて「コロナがなくなりますように」と書いているなか、彼女の願いはこうだった。

「きめつのやいばの かなおの こすぷれが おたんじょうびにもらえますように」

ロックだ…。
突き抜けている。
街頭インタビューならカット案件。

確かにいま、時代の不条理は子供の未来や夢さえ脅かしかねないのだろう。
しかし、それを憂いて戦うべきは大人の役目で、子供は何の心配もせずに夢を持ち続けてよいはずだ。

いや、子供だけじゃないな。
大人だって、いつだって、夢をもつのは自由。夢をもつのに大人も子供もないよな。

私は彼女からふたつ大切なことを教わった。

夢はいつだってマイペースに、ユーモアを添えて持っていてよいこと。

そして、彼女の2020年最新版欲しいものリストの第一候補を。(昨年はアナと雪の女王だった)

しばらくして気づいたときにはもう、
私の指先は、Amazonで「鬼滅の刃 コスプレ」と検索していた。

願いが叶いますように。



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