1/fって何すか。2019.10月号

 <#67  衝撃の結末って先に言うなよ>

 ドラマや映画の宣伝で、俳優や女優がバラエティー番組に出た時に、その作品上の役柄と普段のキャラクターがかけ離れているのを見ると驚いてしまう。最近はそのドラマ専用のインスタグラムのアカウントなんかも開設されていて、ミステリアスな役柄の役者さんが他の役者さんと集まって満面の笑みで写っているのにも、妙な感覚を覚える。しかし、時代はSNS全盛で、作品を広める為なら恥はかき捨て。余計なプライドは無用である。なのでここでは、敢えて二つだけ苦言を呈したい。

 まず、作品の中でいがみ合っている設定(たとえば刑事と犯人とか)の2人が番宣の中で仲良くするのはやめて欲しい。そのドラマを見るとき、「でも本当は仲良いんだよなあ」と思ってしまう。二つ目は、一回死んだ役の人の登場はお控え頂きたい。「あ、生きてたんだ」って思ってしまう。ついでに三つ目も良いだろうか。失敬。映画の予告でやドラマの宣伝で、「ラスト5分、衝撃の結末!」というのをやめてほしい。「全部ひっくり返るんだろうな」と思って観てしまう。犯人分かっちゃう。以上、自分が言っていることが、大人気ないタチの悪いクレームであることも承知だし、「フィクションなんだから文句言うな」と言われたらぐうの音もでない。

 しかし、作り手の監督はそれで良いのだろうか!?例えばレストランに行って、メインディッシュを食べる前に、ウェイターに「隠し味に柚子胡椒が入っています」と言われたら、もう私の舌は柚子胡椒を探す舌になって、本来の愉しみは得られないのだ。

 さて、今月2日、我々テスラは泣かない。の新しいミニアルバム「CHOOSE A」が発売されました。これが、なかなかの衝撃的な内容になっています。今までにないアレンジと高揚感で…おっとおっと危ない危ない。隠し味は隠しておこう。この号には私のインタビューも載っているはず。うっかり調子に乗って余計なことを喋っていなければ良いのだが。とはいえ実のところ自信はない。この作品をたくさんの人に聴いていただきたいと願う気持ちは今までの中でも一段と強い。つい饒舌になって、あれやこれやと語った記憶がある。しかし、そこはeggmanのインタビュー。種明かしのような野暮なことはなさらない。きっと作品を聴く上での粋なスパイスになっているはず。さて次は、作品を聴いた貴方のレビューを拝見したい。ハッシュタグ#CHOOSE_Aでお待ちしております。

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