1/fって何すか。2016.7月号

<#28 ハンバーガーについての考察>

ハンバーガーの話です。
正しくはハンバーガーに例えた、「ものの順番」についての話です。

ハンバーガーにもいろいろありますが、今回はチーズバーガーを例に挙げたいと思います。
チーズバーガーは上からパン→ピクルスとケチャップ→チーズ→ミートパテ→パンの順番で構成されています。
私は試しに、注文したチーズバーガーを逆さにして食べました。
チーズがミートパテより舌に近い場所に来ます。逆さにして食べたチーズバーガーは、正しい食べ方のチーズバーガーとはまるで味が違います。私はグルメコメンテーターではないので、この味のニュアンスの差を説明できないのがもどかしいのですが、とにかく違うのです。
もし、上からミートパテ→パン→チーズ→ピクルス→パンで挟んだチーズバーガーなんてものが存在したとして、そこに本来のチーズバーガーの美味しさはありません。
「口の中に入れてしまえば一緒じゃないか。」とか、「どうせ噛んでぐちゃぐちゃになるんだから」とかいう風に思っている人は試してみてください。本当に違うんですから。
チーズバーガーはあの順番でパンに挟まれているから美味しいんです。

さあ、もう既に興味がなくなっているかもしれませんが、ここからは音楽との共通点です。楽曲にはイントロや、Aメロ、Bメロ、サビなどがあって、作曲家によってアレンジは様々です。その順番の違いで、かなり楽曲の味は変わってきます。「この曲、サビが良いんだよなー」って曲も、実はサビが特別良いわけではなく、それを挟むAメロやBメロが良いのかもしれません。
これが、“チーズバーガー効果”です。(これは勝手に僕が命名しました。)

ライブのセットリストも、映画のシナリオも、小説のあらすじも、一番味の強いミートパテの部分をどのようにして挟むかで、美味しさは決まってきます。

もしかしたら、毎日の生活にも“チーズバーガー効果”は隠れているかもしれません。晩御飯の前に、10分間のジョギングをすると、晩御飯は美味しくなります。寝る前に好きな人に電話をしたら良い夢が見れるかもしれません。ミートパテの質にこだわるのでなく、ミートパテに至るまでにこだわる。これが“チーズバーガー効果”。

なんともまとまりの無いコラムになってしまいました。チーズバーガーなら二流です。次回は“ホットドッグ”について話します。


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