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1枚の画像から広がる英語の授業①Make a sentence!

昨日は英検4級レベルのクラスで私が作った新しい教材を使って授業をしました。

画像を活用する場合、何も見せずにディクテーションから始める方法と、画像を見せてQ&Aで進める方法があるのですが、昨日は画像を先に見せて文を作らせる活動から始めました。

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電子書籍のp.1にあるアリの画像を見せていきなり「Make a sentence!」と言うと、当然「???」という顔をするので、そこからQ&Aで攻めまくります。

ここからはその様子を時系列で書いて行きます。

「What is it?」の問いに「Ant.」と答えが返って来たので、ちょっと上にスクロールしてp.2にある文を2つだけ見えるようにしました。PDFに変換しておくとこういう時に便利です。

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英語を何年習っても抜けてしまうのが不定冠詞のaやanです。

それを分からせるために、上2つの文はこの順に色分けしてあります。すでにそのことに気付いていた方はハナマルです。

"An ant. An ant. An ant... "

「アナーンt」と一瞬で言えるようになるまで猛スピードで言わせます。

画像1

再び画像に戻って"What's it doing?" "Walking!" 

「ボケ!」「え?違うの?あっ!運んでる!」

「What's 'hakobu' in English?」「Carry!」

「What's it doing?」「Carrying!」

「ボケ!」「あっ!It’s carrying.」

「What's it carrying?」「Rice!」

「It's not a rice. But what's rice?」「What's rice? え?米は米じゃないの?」

そこでネットでWikiを検索。

「"Rice is the seed..."  あー。シード。種だ。」

「What's it carrying?」「Seed!」

「ボケ!」「あっ!It’s carrying seed.」

「ボケ!」「あっ!It’s carrying a seed.」

この「ボケ!」は私の口癖です。「このバカタレが!」という感じで使っています。その「ボケ!」を聞くとうちの生徒達はとてもやる気になります。

私が口が悪くなるのは本気を出している時だけなので、本気を出して教えてもらってるってことは期待されてるってことだなと解釈して喜ぶのです。

私は体育会系の教師です。普通の先生達みたいに「ちゃんとしろ!」だの「授業を始めます。」なんてことは言いません。生徒達が自分から学ぶ姿勢を見せない限り、私は黙って何もしません。

それは公立中学校で英語を教えていた時も同じです。私が一言も喋らずに直立不動で立っていると生徒達は異変を感じて黙ります。静かになっても姿勢が悪ければそのまま無表情で立ち続けます。姿勢を正して静かになったら、その一瞬の静寂を掴んでいきなり大迫力の授業を展開します。

一旦授業が始まったら、私の気迫に圧倒されて横も下も向けません。名指しされたり、喋らざるを得ない状況に追い込まれるので、クラス全体が全身で授業に参加しているような感じになります。

そういう状態の時に思わず口から出るのが「ボケ!」なので、「ボケ!」と言われて喜ぶことはあっても、パワハラなんてことを言われることはありません。

これまでいくつかの公立小学校や中学校で同じスタイルで授業をやりましたが、慕われることはあっても、問題にされたことなど一度もありません。学級崩壊をしているクラスでも授業を成立させて、数字として結果を残してさえいれば、文句を言われることはありません。

そんな授業の様子をイメージしながら、続きを読んでください。

画像6

「Where is the ant?」「Tree!」

「...」「あっ!枝!」

「What's 'eda' in English?」「Branch!」

「Where is the ant?」「Branch!」

「ボケ!」「It’s on branch.」

ここで下までスクロールします。

画像4

「Where is the ant?」「It's on a branch.」

「OK. Now memorize the sentence.」

ここでAn ant is carrying a seed on a branch.の文字を見ながら高速で言う練習をします。

最後のbranch以外は全てリンキングしているので、「あなーんてぃずきゃりんがすぃーどんなぶらんち」となります。それを正確な発音で2秒以内に言えるようにします。

この時気を付けなければならないのは、生徒に絶対にリズムを取らせないことです。

英語を学ぶのにチャンツをやって来た子は必ずリズムを取りたがります。

でも、それをやっている限り英語が上達することはありません。

それどころか、英語の発音もイントネーションもへんてこりんになるだけです。

21年前、公立小学校でWhere do you live?をチャンツを使って教えるための指導案を書いていた時に、4拍子か2拍子かという話になって、どっちも変だという結論に達したものの、当時はチャンツを推奨している大先生方をご尊敬申し上げていたし、可愛がっても頂いていたし、皆様の期待に応えるべく本まで出していたので、創意工夫を凝らしてチャンツの普及に努めました。

でも、しがらみのない今なら言えます。

チャンツなんてものはやめてしまえ!

話を戻します。

『主語+動詞+目的語+修飾語』が色分けされた文を見ながら速読の練習をした後、4線に書かれた黒字の文を見ると、色分けされていなくても、4つに分割されて見えるようになります。

画像5

そこまで口頭練習をしてからノートに文を書き写させると、黙っていても音が聞こえて来るような錯覚になります。いわゆる空耳です。

そういう状態まで持って行って、さらにそれを継続的に繰り返し練習すると、五感が研ぎ澄まされて徐々に英語脳が育って行きます。

「定着」とか「長期記憶」というのはその後の話なのですが、大抵そこまでやらずに終わってしまうので、全てが中途半端になって小学校で学んだことが中学校で役に立たないみたいな話になります。

どんな教材を使おうと、五感を磨いて英語脳を育てるという意識を持てばそれなりの成果は上がるので、目標言語を絞ってしつこく楽しくやってみてください。

さて、Q&Aの後はStoryを作るという活動をやったのですが、その様子については次の記事で紹介したいと思います。

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