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敬語トレーニング ―確認テストに挑戦6ー

これだけは覚えておきたい敬語表現ばかりを集めた確認テストです。
基本シリーズ20問と応用シリーズ10問があります。

一日1問ずつでもいいので、自分のペースで挑戦してみてください。
解いていくうちに、これまで曖昧だった部分がきっとクリアになるはずです。

応用シリーズ 2 (問 6~問10)

応用シリーズ2では、引き続き、実際の場面でとっさに適切な敬語表現が使えるかどうかを確認していきます。問題を見て、すぐに声に出して言ってみましょう。


問6 適切な表現に改めて、すぐに言いましょう。

(訪問先の受付で)
1)総務課長の高橋さんがお暇だったら、2)ちょっと挨拶したいと思って、来ました。


【解答例】

1)総務課長の高橋様がお手すきでしたら、
2)一言ご挨拶をさせていただきたいと存じまして、伺いました/参りました。

【解説】

1)「お暇」は、「お手すき」と言い換えます。

2)「ちょっと」にはいろいろな意味があります。それぞれの場面に応じた表現に置き換えて、使うようにしましょう。
【例】
・ちょっと挨拶したいのですが → 一言ご挨拶申し上げたいのですが
・ちょっと待ってください → 少々お待ちください
・今ちょっといいですか → ただ今少し(少々)お時間よろしいですか
・今ちょっといません → ただ今あいにく席を外して(外出して)おります
・ちょっとできません → 申し訳ございませんが、いたしかねます など。



問7 適切な表現に改めて、すぐに言いましょう。

(上司に)
すみません。会議の時間が変更になったことを言い忘れました。


【解答例】

大変申し訳ございません。会議の時間が変更になったことをお伝えするのを失念いたしました。

【解説】

「忘れる」よりも「失念する」の方が、誠実で改まった印象を与えます。



問8 適切な表現に改めて、すぐに言いましょう。


(電話で)
1)すみません。
2)中村課長は今外出中ですが、4時頃に戻る予定です。
3)戻ったら、電話かけましょうか?

【解答例】

1)申し訳ございません。
2)あいにく課長の中村はただ今外出中ですが、4時頃には戻る予定でございます。
3)戻りましたら(戻り次第)、お電話を差し上げるようにいたしましょうか?

【解説】

1)「大変申し訳ございません」と言う場合もあります。
2)「あいにく」はクッション言葉の一つ。相手を配慮する気持ちを伝えることができます。また、社内の人を「個人名+役職名」で呼ぶと、社内の人を敬って呼んだことになり、社外の人に対して失礼です。「役職名+の+個人名」と入れ替えて表現します。「課長」あるいは「中村」と呼ぶこともあります。


問9  適切な表現に改めて、すぐに言いましょう。

(電話で)
1)佐藤さんですか?
2)中村です。
3)しばらくです。
4)忙しいところ、(電話口まで)呼び出して、すみません。

【解答例】

1)佐藤様でいらっしゃいますか?
2)中村でございます。
3)ご無沙汰しております。
4)お忙しいところ、お呼び立ていたしまして、申し訳ございません。

【解説】

1)「佐藤様でございますか?」と言ってしまいそうですが、「ございます」は丁寧語のため、積極的に相手を高めるには不十分です。尊敬語「いらっしゃる」を使いましょう。

2)自分を名乗る際、「〇〇でございます」と「〇〇と申します」の表現がありますが、ここではお互いに面識があるので、「でございます」としています。初めての相手、あるいはこちらの名前を知らないだろうと思われる相手には、「〇〇と申します」と名乗ることが多いようです。

3)「しばらくです」はくだけた印象を与えますので、改まった場では「ご無沙汰して(いたして)おります」と言います。

4)あまり「お呼び立ていたしまして」を使うことはないかもしれませんが、取り次いでもらった相手が電話口に出た時などに使います。


問10  適切な表現に改めて、すぐに言いましょう。

(電話で)
1)念のため繰り返します。
2)あしたのアポイントを 11 日に変更したいんですね?
3)田中にそう伝えます。

【解答例】


1)念のため復唱させていただきます。
2)あすのアポイントを11日に 変更なさりたいとのことですね?/ご希望とのことですね?
3)田中にその旨申し伝えます。

【解説】

「田中にその旨お伝えします」と言ってしまいそうですが、社内の人(田中)に伝えると言うときに、謙譲語I「お...する」を使うと、相手の前で社内の人の方を立ててしまうことになります。従って、聞いている相手に対して丁重に表現できる謙譲語II「申す」を使って、「その旨申し伝えます」とします。



応用シリーズ10問、お疲れ様でした。

これだけは覚えておきたい基本的な敬語表現を、確認テストの形で出題してきましたが、いかがでしたか。敬語表現に関して、これまで曖昧だった部分がクリアになったことと思います。

これからも敬語に関心を持ち続けて、美しい話し方にさらに磨きをかけていってくださいね。

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