見出し画像

敬語トレーニング ―確認テストに挑戦3ー

これだけは覚えておきたい敬語表現ばかりを集めた確認テストです。
基本シリーズ20問と応用シリーズ10問があります。

一日1問ずつでもいいので、自分のペースで挑戦してみてください。
解いていくうちに、これまで曖昧だった部分がきっとクリアになるはずです。

基本シリーズ 3 (問 11~問 15)

基本シリーズ3では、ビジネスの場でよく使われる敬語表現を取り上げます。

ビジネスマナーと敬語は切っても切れない関係です。問題を解きながら一つ一つ適切な敬語表現を確認することで、皆さんのビジネスマナーも同時に磨かれますよ。


問11 適切なのは、a)、b)どちらでしょうか。


a)木村様でございますね。お待ちいたしておりました。

b)木村様でいらっしゃいますね。お待ちいたしておりました。

【答え】

b)木村様でいらっしゃいますね。お待ちいたしておりました。

【解説】

図左側の尊敬語「いらっしゃる」を使って、お客様を高めている b)が適切です。
a)は、図右側の丁寧語「ございます」を使っています。丁寧語は表現を美しく丁寧にしますが、相手を積極的に高める働きはありません。お客様には尊敬語を使いましょう。

【練習】 お客様に対する適切な表現に改めましょう。


1)どちら様でございますか。
2)部長とはお約束でございますか。
3)書類をお持ちでございますか。
4)お元気でございましたか。

【解答例】


1)どちら様でいらっしゃいますか。
2)部長とはお約束でいらっしゃいますか。
3)書類をお持ちでいらっしゃいますか。
4)お元気でいらっしゃいましたか。


問12 適切なのは、a)、b)どちらでしょうか。

a)(お客様に)木曜日の13時ですね。承知しました。

b)(お客様に)木曜日の13時ですね。了解しました。

【答え】 

a)(お客様に)木曜日の13時ですね。承知しました。

【解説】

「分かる」は自分の動作ですから、図右側の謙譲語「承知する」と置き換えている a)が適切です。他に「かしこまりました」という表現もあります。

b)の「了解する」には敬意が含まれていません。つまり、「承知する」のように、自分がへりくだって、間接的に相手を高めるという働きを持ちませんので、相手に失礼となります。

【練習】 適切な表現に改めましょう。


1)(お客様に)本日はご苦労様でした。
2)(お客様に)お名前を伺っても結構でしょうか。
3)(お客様に)プロセスについてお教えします。
4)(上司に)会場までご一緒に参ります。

【解答例】


1)(お客様に)本日はお疲れ様でした。
2)(お客様に)お名前を伺ってもよろしいでしょうか。
3)(お客様に)プロセスについてご説明いたします(ご案内いたします)。
4)(上司に)会場までお供いたします。


問13 適切なのは、a)、b)どちらでしょうか。


a)(お客様に)あいにく部長はただ今外出しております。
b)(お客様に)あいにく部長はただ今外出していらっしゃいます。

【答え】

a)(お客様に)あいにく部長はただ今外出しております。

【解説】

お客様に対して社内の人のことを言うときは、謙譲語で表現しますので、上司の動作「いる」を図右側の謙譲語「おる」と置き換えている a)が、適切です。

b)は、「いる」を図左側の尊敬語「いらっしゃる」と置き換えています。これでは自分の上司を高めて、目の前にいるお客様を間接的に低めることになってしまい、お客様に失礼となります。

★ポイント★


社外のお客様等に対して、社内の人のことを言うときは、たとえ上司であっても、へりくだって謙譲語で表現するのが原則です。社外の人に対して、社内の人は自分の「身内」と考えます。


問14  適切なのは、a)~d)のどれでしょうか。

(取引先の担当者に電話で・・・)
a)課長が日程を変更なさりたいとおっしゃっております。
b)課長が日程を変更なさりたいと申しております。
c)課長が日程を変更させていただきたいとおっしゃっております。
d)課長が日程を変更させていただきたいと申しております。

【答え】

d)課長が日程を変更させていただきたいと申しております。

【解説】

社外の人に対して、社内の課長の動作は謙譲語で表現しますので、「変更する」「言う」を、それぞれ図右側の謙譲語「させていただく」「申す」を使って表現しているd)が、適切です。

a)~c)は、「変更する」「言う」に、図左側の尊敬語「~なさる」「おっしゃる」の尊敬表現が使われているため、不適切です。


問15  適切なのは、a)、b)どちらでしょうか。

(訪問先で・・・)
a)佐藤部長から書類をことづかって参りました。
b)部長の佐藤から書類をことづかって参りました。

【答え】

b)部長の佐藤から書類をことづかって参りました。

【解説】


a)の「佐藤部長」のように「名前+役職名」で呼ぶと、名前に敬称を付けて呼んだ表現となるため、お客様の前では使いません。

b)のように入れ替えて「部長の佐藤」とします。他に、「部長」あるいは「佐藤」と呼ぶこともあります。

★ポイント★

社外のお客様等に対して社内の人を呼ぶときに、「佐藤部長」のように「名前+役職名」で呼ぶと、敬称を付けて敬って呼んだように聞こえてしまいます。普段社内で呼び慣れているかもしれませんが、社外のお客様の前では使いませんので、要注意です。

自己紹介で「私、佐藤部長でございます。」などと名乗らないのも、自分で自分に敬称を付けているように聞こえるからです。


【練習】 お客様に対する適切な表現に改めましょう。


1)申し訳ございません。社長はただいま会議中でいらっしゃいます。
2)ただいま木村課長に代わりますので、少々お待ちしていただけますか。
3)戻り次第、部長からお電話なさるそうです。
4)部長がそのようにおっしゃっていました。

【解答例】

1)申し訳ございません。社長はただいま会議中でございます。
2)ただいま課長の木村に代わりますので、少々お待ちいただけますか。
3)戻り次第、部長からお電話を差し上げるそうです。
4)部長がそのように申しておりました。


基本シリーズ3では、ビジネスの場でよく使われる敬語表現を取り上げましたが、いかがでしたか。引き続き、基本シリーズ4にも挑戦してくださいね。

適切な敬語表現を身につけることで、皆さんのビジネスマナーもどんどん磨かれるはずです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?