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スタイルオブ東京の変遷NO8

〜そして建築業界に戻る〜

物件探しからリフォームまでをワンストップで行うワンストップサービスは今や、猫も杓子も。
メーカー主催のセミナーや業界紙や団体、地方といろいろなところでそのモデルについてセミナーで話をしました。
はじめは地方に行って話をしたら、東京はいいけど田舎は新築だよ!という工務店も多かった。
ワンストップ相談会を始めてから数年で、ワンストップサービスの相見になったときには驚きました。
それほど、物件を探す段階でリフォーム工事業社がある程度決まっているほうがメリットがあると認知されてきたのだとおもいました。
ワンストップサービスは物件を買う段階でリフォームプランとリフォーム予算が決まっていて、住宅ローンでリフォーム代も組めるから資金計画も安心というのが売りでした。
初めの頃はS工房のチーフプランナーのNさんが仕切ってやってくれたので、ちゃんと予算の中で納めてくれていたものが、他のプランナーさんがやるようになると、最終的にリフォーム予算が上がってしまう。
リフォーム予算が800万円であれば、S工房のプランナーさんには予算700万円と言っておく、そして詳細打ち合わせをすると100万円上がる。そうやって調整してみてはものの、追加の額がどんどん上がっていくから、お客さんから不満がでるようになっていきました。
予算が足りなくなれば、当然減額案を考えるのですが、せっかく盛り上がったのに、減額のために盛り下がっていき、予算重視になるとどうしても妥協した感になる。
S工房には見積がひっきりなしに来るのでプランナーさんがいつも忙しい。だから打ち合わせのスケジュールも2週間〜3週間後、プランの変更をすると打ち合わせの回数や時間が伸びていくので、引き渡し後すぐに引越したいのに、それも延長される。そうなるとどんどんお客さんのストレスが溜まっていく。
”なんのためのワンストップサービスなんだろう。”
プランナーさんに当初の予算を上げないようにいうと、お客さんが拘っているんだって言われる。
M社長にクレームを言うとみんながNさんや藤木さんのようにはできないんだよって言われる。
とうとう、予算があわずに、他の工務店で工事をしたいという人もでてくる。
時間がないから渋々予算を飲む人もいる。
ワンストップサービスを始めた目的は、家を買ってから、構造上間取りが変えられないとか、予算が足りないとか、後で後悔しないために、不動産探しから一緒に考えること。
だから先に建築会社の目星をつけておくこと、自分のやりたいことがいくらくらいかかるか先に知っておくこと。
ウチは時間と予算を守ってほしかった。
でもそんなに建築は簡単ではないと言われる。
いや物件探しだって簡単ではないのだ。ワンストップ業界猫も杓子もになれば尚更物件隠しもなくならない。
ある時不動産業界新聞の記者のKちゃんと話をしていたとき、買取再販の話になった。区分マンションのを買い取ってリノベして売る、再販。
日本最大手のI社の社長の話をKちゃんはしていた。
買取してリノベするってことは、リノベする前にその物件情報を入手してリフォームする前に売れたら、I社も販売リスクも減るからハッピー、お客さんもリノベ済を買って、さらにリノベするようなこともなくなるからハッピーじゃない?と勝手に思い笑
I社の社長に直談判してみようと思った。
そうそう簡単にアポは取れなかったけど、Kちゃんがあるパーティで一緒になった時に、私を売り込んでくれてなんとか会えるようになった。
社長室に通されるととても感じのおじさん(Y社長)が笑顔で迎えてくれた、私が一生懸命プレゼンをすると、喜んで役員を何人も呼んで一緒に話を聞くようにいった。
役員はうれしそうではない感じ・・。(その理由が後日知ることになる笑)
結局、再販物件のリノベ前の物件を紹介してもらうことは難しかった。
でもしばらくして、社長からウチのリノベ会社を見てくれと言われた。
そう・・。ミイラ取りがミイラになってしまった笑
なぜI社の役員になったかといえば、年間1200戸の区分マンションのリノベをしていたから。
それだけの工事をやっていれば施工力が高く、システム構築が出来上がっているのではないかと思ったから。
S工房さんは見積も高い、デザインはいいけど、施工ではなにかしからトラブルもあった。それは多くの工務店が抱えている問題。そういう問題をクリアした先に本来のワンストップサービスがあると思ったから。
せっかくの楽しい暮らしを施工会社側のスキル不足で嫌な気分にしたくなかったから。
という思いではI社に入ってみたものの・・。そんなに簡単ではなかった笑
建築業界は何十年も変わっていない。
I社は下請けを50社抱えていた、その下請けの社長さんたちと話をして驚いた
父の会社で働いていた頃となにひとつ変わっていなかった・・。
こんな上場会社でも・。
どうにかしないと・、そう思ったのでした。
人生は不思議なことだらけ、私は住宅コンサルをしたかっただけなのに、なぜか建設業界の改善が目の前のミッションとなってしまいました笑
つづく^_^

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