スタイルオブ東京の変遷NO5
〜中古を買ってリフォームワンストップ相談会〜
浜田山に本店がある温かみのあるお洒落なリフォーム会社S工房。杉並を拠点として練馬、世田谷近辺の大型リフォーム案件を多く抱えていました。ロハスなリフォーム会社O社には世田谷店と練馬店。デザインテイストが被ることもあり、S社とO社は競合会社です。
S工房のM社長はマーケティングを得意としていて、設計のトップはNさんという女性のベテランのプランナーさん、デザインチーフとして阿佐ヶ谷店を仕切っていたOさんを中心とした売上10億くらいの会社さん。
そのS工房さんがウチのサービスを使いたいと言っていると、リフォーム会社にコンテンツを販売している会社のK社長から連絡がありました。
浜田山!いい〜!地方にはもう未練はない!と思っていたので、ウレシイ!!
早速S工房さんへお伺いして、話を聞くと、どうもライバル会社O社がウチのサービスを使って、ファイナンスが理由で失注する案件を受注できるということを知ったもよう。
杉並や世田谷の二世帯リフォームなどになると、資金の関係がうまくいかなくて、なかなか決まらないことに悩んでいたそうで、是非導入したいというお話。
それが2010年。
今では中古買ってリフォームなんて当たり前になっていますが、その時は中古はまだ“中古”リノベーションって何?みたいな世界。
銀行だって中古に2000万円のリフォーム代なんてなかなか融資してくれない。
築40年のマンションは35年借入できる年齢の人でも、20年しか貸さないところも多かった。
地銀のY銀行に3500万円のリノベーションの話を持って行った時に、マジで担当者に金のトイレでもつけるんですか!って言われたもん。金のトイレつけたら3500万じゃできないよね笑
わずか10年で世の中は本当に変わるものです。
大型のリフォームをするお客様の事情は様々、2000万円を超えるリフォームとなれば、誰でも新築建て替えを考えます。
それでもリフォームする理由は、新築にすると接道分のセットバックをしなければならず延べ床面積が減ってしまう、再建築不可の物件という建築的な理由と、壊せない思い入れ。
全てが新しくなっても柱や棚などが昔のまま残っているとなんだかとても暖かい気持ちになります。
新築なら簡単に融資はつくけど、築30年の中古の家の価値はほぼない。その家に2000万円のリフォーム代を貸してくれ!といっても当時の銀行は簡単ではありませんでした。
しかしこのファイナンスをクリアすれば2000万円の売上ですからね。
大型リフォームを受注したい会社にとってはありがたいサービスです。
中でも一番リフォーム会社に喜ばれたのは、二世帯リフォームの資金繰り。
杉並・世田谷に実家がある奥様の家を二世帯にして住む。
いくら長男がいても、嫁と一緒に住むより娘と一緒に住みたいと思うお母さんは多い。
旦那の実家が地方となれば、名目も立ちます。
杉並・世田谷に土地を買って家を建てるよりも実家を3000万円かけてもリフォームしたほうが安いし。
そんなとき困るのが人間関係の整理。
その家の所有者はお父さん、そこに娘家族が住む。リフォーム資金は誰が出すか。
お父さんが現金で出す場合は特に問題ないですが、お父さんは高齢なので住宅ローンを組むのは難しいし、娘さんの夫からすれば、夫が出したいところです。
もちろん現金があればいいですが、数千万円となれば住宅ローンを組みたい。
住宅ローンを組むためには、当然土地建物に抵当権を設定しなければならない。
そして、娘の夫が建物の所有権を持たなければならない。
そこが問題なのです。
娘の夫が所有権を持つ・。という言葉だけ聞くと、お父さんが家をマスオに乗っ取られる!とおもうでしょ。
娘さんに他の兄弟がいれば、その兄弟も黙ってない。マスオに家を取られる。
娘さんが二世帯で同居することは家族同意していても、マスオが所有権をもつとなれば話は別だ!となっちゃうわけです。
とはいえ、持分のない住宅に銀行は融資をするわけない。
抵当権というのは、本人がローンをお支払いしないときに、差し押さえて競売するためにつけるんだから、所有権がないなんてありえない。
特に難しくないんですよ。
土地と建物をまずわけて、土地の所有者はお父さんのまま。
建物の評価を出します。
築年数が古ければ固定資産評価は100万円くらいしかない。
そこに2000万円のリフォームをすると2100万円の価値になると考えます。
マスオが2000万円の借り入れをする場合、2100万円のうち2000万円分の持分をもつ。
土地の持分をマスオが持つのではなく、リフォームをして価値が上がる分、マスオが出す分だけの持分を持つのです。
だからいずれ相続になった場合でも土地は兄弟の相続権があるのです。
といえば、そこそこ納得します。
もちろん、その際に、とはいえ土地だけ兄弟で相続されても今度は娘さんも困りますから、他の兄弟には相続できる資産や遺言などをお忘れなくともいいます。
それでも渋るので、
今度は逆に、もしマスオさんが、現金で2000万円を出したとして、100万円の価値しかない住宅の価値を2100万円にしてしまうと、お父さんにマスオさんが2000万円贈与したことになるので、贈与税かかるかもしれせんよ!
それにマスオさんの持分がなければ、相続になったときに、娘さんもマスオさんが出したお金も関係なく平等に分配されちゃいますと!言う。
まぁだいだいこっちの方が効きます笑
はい。そこですんなりOK〜!です。
二世帯は人間関係のお金の整理が実は一番大きなハードルなんですよ。その問題を理路整然と第三者がする。これが一番です。
大体お金や相続の話は家族内でのほうがしにくいものです。
リフォーム会社の営業やプランナーさんはお金の話は聞いてはいけないと思うので、プランを進めていっても実はお金の問題で失注してしまうことは多い。
だから第三者がお金の相談を受けますというのは、実はリフォーム会社にとってものすごく都合がよいということです。
プランナーは要望を聞いていいプランを作ろうと思うので、予算が大幅にオーバーしてしまう。
私はお客様の予算のアッパーを知っている。だから個人情報は言えないけど、プランナーさんにその予算だとお客様無理ですよ!と助言してあげられるからです。
そんな感じで私はS工房のすっかりご意見番となっていきました。
社内研修や新規企画まで、大いに口出す笑
そんな中、チーフプランナーのNさんとM社長と雑談していたときです。
この間中古を買ってきたお客さんの予算が1000万円だったんだけど。壁を壊してみたらひどい瑕疵で、構造の補強だけで1000万円かかっちゃうから、ほぼ希望のデザインができなかったって。
住宅ローンも始めからリフォーム分も組んでおけばよかったのに、決済後に相談にきているから、お金もない。
しかも中古といっても土地代みたいなもんだから、売買契約が瑕疵担保免除となっていた。
かわいそうに。不動産業者もひどいなぁ・・。買う前にリフォーム工事の内容がわかっていればその物件を買わないという選択もできたのに・。
不動産仲介業者ってそんなにひどいのか。と思いました。
”あ・・。”
中古を買う前にリフォーム相談をしてもらう!
そうだ!相談会をやろう!
そしてワンストップで物件探しからリフォームまでやれば、予算も狂わず、お客様にとってハッピーじゃない!と。
早速その話をNさんとM社長にしました。
相談会やろう!相談料はタダでいいから私が全部受けるから!と。
M社長は乗り気じゃない・・。
でもNさんは、いいね!それはお客様にとっていいことだ!って。散々お客様の悲しむ顔をみてきたNさんだからこそ賛成してくれたんだと思います。
S工房さんはNさんの一言で物事がうごく会社。
社長はNさんが言うならやりますという感じで、中古買ってリフォームのワンストップサービスがはじまったのでした。
つづく^ ^