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秋田道夫さんの「機嫌のデザイン」を読んで考えたこと

オトナとは、自分の機嫌を自分でとれること

20代のころ、30代の人はオトナに見えた。
30代の頃は40代がオトナに。
でも、自分が実際にその年代になってみるとそうでもないことに気がついた。
もちろん、20代にはわからなかったこと、30代ではできなかったことが
わかるようになったり、できるようになったりしていることはある。
でも、だからと言って、いまの自分がむかし考えていた「オトナ」になっているのかどうかは、実はよくわからない。

そもそも、「オトナ」って、何だろう。

いろいろあげられるポイントはあるけれど、私は、オトナとは
「自分で自分の機嫌を取ることができるひと」だと思う。
そして、残念ながら、「あー、自分はまだまだだなぁ」と、しみじみ思う。

今朝も、小学生の息子とひと悶着してしまった。
そんな時のわたしは、まるで般若の面のような顔をしていると思う。

いつも春風駘蕩としていたいと思っているのに。
母親になってからのわたしは小噴火を繰り返す活火山みたいで、そんな自分にがっかりしたりもする。

もっと自分のご機嫌を自分でとれるステキなオトナでありたい、そう思っていた時に出会ったのが、プロダクトデザイナーの秋田道夫さんの著書「機嫌のデザイン」だった。

景色としての自分を美しく保つ

「出かけるときには、ユーモアと機嫌のよさをポケットに」と、秋田さんは言う。
街を行く自分の姿は、ほかの人から見たら景色の一部。
世界が美しくあってほしいのならば、その風景の一部である自分からまず調える、ということなのだそう。
本当にそうだなぁ、と思う。

ポケットの中に、という軽やかな感じがとても好き。

たとえ一瞬、般若の面になっても。
両のポケットに、「機嫌のよさ」がいつでも入っているならば。
そっとポケットに手を伸ばせばすぐにリセットできそうな、そんな気もする。

小さい頃よく歌っていた、「ふしぎなポケット」という歌で、ポケットをたたくとビスケットが増えていたみたいに。

ポケットの中にある「機嫌のよさ」は、誰かがにこっと笑うたびに、きっとどんどん増えて広がっていく。

道行く人がみんな笑顔でいる風景。
私はそんな風景の中にいたい。

ならば、まずは自分から。
気持ちのいい青空みたいに、いつも上機嫌でいよう。


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