RNA干渉について

これからnoteに慶應の生物学科で新しく学んだこととかを書いていこうと思います。

今回はRNA干渉について話したいと思います。
この単語自体、2年の秋に教科書で読んでるんですけどイマイチ理解できてませんでした。

慶應の生命情報学科では、東京化学同人の"分子細胞生物学"っていう教科書を使ってるんですけど、そこの10章(たぶん)くらいにめっちゃ詳しく書いてます。

自分なりの解釈でこのRNA干渉を説明したいと思います。

まず、人間の細胞の中には、細胞核というものがあります。それが以下の写真のような状態になってます。

ここで、用語の説明をしたいと思います。

ヌクレオソーム
ヒストンっていう筒状のタンパク質の周りにDNAが紐状になって結び付いてます。

クロマチン
ヌクレオソームがいっぱい集まったやつのことです。

染色体
細胞分裂時にDNAがコンパクトにパッケージされた状態で、クロマチンが密になったもの。

つまり、ヌクレオソーム<クロマチン<染色体って感じで単位がどんどん大きくなります。
元を辿れば全部同じもので、これに遺伝子情報がセットされてます。

話をRNA干渉に戻します。
人間は、このDNAを"転写"という作業でRNAにして、それを"翻訳"という作業でタンパク質にします。
ここの説明もまた今度したいと思います。

この転写の作業で、RNAの量を調整する必要があります。(多すぎたりすると過剰にタンパク質ができて生体内のバランスが崩れたり、病気の原因になったりするため)

そこで活躍するのが"RNA干渉"です!

RNA干渉では、意図的に余分なRNAを壊すことで、RNAの量を調整します。

siRNA(small interfering RNA)とmiRNA(micro-RNA)の2つがRNA干渉を引き起こします!

○siRNA
21-23塩基対からなるとても短い2本鎖RNAです!
細胞外から取り込まれて、不要なmRNA(RNAの内、転写でできたRNA)を破壊します!
細胞外から取り込むので、プラスミドベクターとかを使って細胞内に取り込ませます。(ここら辺の外部からどうやって、人体に新たな物質を取り込ませるのかとかも今度書きたいと思います!)

siRNAがどうやってmRNAを破壊するかなどは、まだ自分が完全に理解できてないんですけど、これにはRISC(RNA誘導サイレンシング複合体)が関わってきます。簡単に説明すると、siRNAがこのRISCと結合して、そうするとsiRNAがmRNAへと誘導して?、RISC内のRNA分解酵素が、対象のmRNAへ放出されて、破壊されるらしいです。(うーん、あんまちゃんと理解できてない!)

2本鎖は、破壊したい対象のmRNAと同じ配列のものが1つ、それと相補的なものが1つでできてます。
なので、"特定の"mRNAの破壊に適してます。

○miRNA
遺伝子発現を抑制する効果を持つ21~25塩基程度の一本鎖RNAです。 これは細胞内にあります!(大事)
ゲノム上にコードされていますがタンパク質へは翻訳されないnon-cording RNA(ncRNA)。

siRNAと違って、複数のmRNA配列に部分相補的に結合して、mRNAの翻訳反応を物理的に阻害することで、さまざまな遺伝子発現を抑制します!
つまり、元々生体の中にあって、いろんなmRNAの翻訳を物理的に妨害するのが、miRNAです!
こいつは凄くて、がんとか色んな病気の妨害に一役買ってます!もっと詳しく分かったら、また記事に書きたいと思います。

以上のsiRNAとmiRNAが人間のRNAの量を調整してるのでした!

慶應の生命情報学科の分子細胞生物学の授業では、こういう遺伝子に関することだったり細胞に関することだったりを、学部2〜3年でずっとやります!
興味ある人は是非受験したりしてみてください!

これ以外にもこういうのに関連したプログラミングとかもやるので結構面白いです!

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