死のリスクのないところに生はない その4
足裏の皮膚が岩をとらえる。
100%のグリップは望めない。
じわじわと滑り落ちヒリヒリする。
足裏の接触面積も足趾の腹1つだけなんてこともザラにある。
手探り、足探りで、手がかり足がかりを探すが、
どこにも見当たらない。
手足のチカラが抜け、震えて剥がれ落ちそうになる。
完全に追い込まれ、トップロープがなければ完全に「死」
「もう無理だ」
諦めかけた瞬間に、
下から仲間の
「限界突破!」の声が聞こえてくる。
やめられない。
しばらく諦めずにもがいていると、
不思議と道がひらけて次の地平に上がれる。
その時に脳内に快感物質が駆け巡る、
それを目の当たりにした仲間の脳にも同様に、
快感物質が駆け巡る。
グループフロー。
諦めのジャッジをせず、
イマココにひたむきに集中すれば、
必ず起きる。
これ以上に生きているという感じを得られることは他にない。
この体験が、日常に活かされると、
人生が一変する。
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