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まむおの小説シリーズ

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私が書いた小説をまとめました。
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#家族

キャッチボール

「ボール、捕れるようになったなあ、少しずつ上達してきているぞ。この調子…」 自宅から坂を下った窪地にある公園に小さなグラウンドがある。今日は日曜日。旦那も私も久しぶりの休日。 日照りがまだ穏やかなうちに、娘は私達を叩き起こしてきた。眠い目をこすり、ゆっくり寝たい気持ちを抑えながら寝床を後にする。 旦那は、なぜ娘に起こされたか咄嗟に感じたのだろう、直ぐに身支度を整えている。 「ユキ、マイと先に行ってるわ、後で来いよ、先にやってるね」 私は支度が遅いことは長年連れ添って