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2Pickを競技的に取り組むということ

※本記事は、「シャドウバース Advent Calendar 2021」の企画記事です。

Toby(@toby_24ss)さん主催の企画です。
12月1日~12月25日まで昼と夜に一つずつ、19日からは昼にさらにもう一つ、25日は夜にももう一つShadowverseに関する記事が公開されます。
概要は下記をチェック!


導入

このタイトルをみて「2Pickに競技性があるの?!」と思ったあなた
「2Pickを専門的にやっている人はどんなことをしているのだろう?」と思ったあなた

分かります。
自分もまだローテーションをメインに取り組んでいた時、
「2Pickは強いカード持っている方が勝つゲームで、あんまりプレイングが出ないなぁ。2Pickerは何しているのだろう?」
と思っていました。


2Pickはいろいろなカードが使えて楽しいなという感覚はありました。
そのため、「Ratings for Shadowverse」の傍ら、
「Ratings for Shadowverse 2Pick」に取り組んでいました。


あ、自己紹介が遅れましたね。つぁんと言います。
今年の5月から2Pickを専門的に始めました。
実績としてはこれまで2回2Pickレート杯に出場し、優勝・ベスト6でした。


2Pickを約半年間にわたって競技的に取り組んできましたが、確かにBO1単位だと運要素が絡んで決着することが多いです。
それでも長期的に取り組むなかで、実力で差が出るフォーマットであることに気づいていきました。

このnoteでは、2Pickを競技として考えます。

まずは、その競技性を担保するデータをみていきましょう。


2Pickレートから競技性を考える

アマチュアが参加できる2Pickの競技シーンとしては、
「Ratings for Shadowverse 2Pick」のみだと思います。
そのため、今回はここからのデータを使わせていただきます。

前半戦、後半戦それぞれの上位16位以内に入ったプレイヤーは「2Pickレート杯」に出場する権利が与えられます。

あ、そういえば12/26(日)に今期の2Pickレート杯が行われます!!
決勝トーナメントはバーサさんとフォレストさんによって配信されます!
熱い!!
競技勢最高峰の戦いを是非一緒に観ましょう!!!!

はい、本題に戻ります。言いたいのは、

16位以内に入っているプレイヤーは固定化されていることです。

以下では、直近2期間(第11期、12期)のデータをまとめました。

・第12期では前半戦、後半戦の両方で16位以内に入ったのは3名
・第11期と第12期の両方でレート杯に出る権限を持っているのは12名
・oya/SHGは第11期前後半、第12期前後半で4回連続16位以内に入ってる。

このようなデータを踏まえると、一部のプレイヤーが上位を占め続けていることがわかります。




2Pickの競技プレイヤーがやっていること

まず、2Pickというゲームの流れはどのように構成されているのでしょうか?

流れって何ぞや?という疑問符が浮かんでいる人も多いと思いますが、
ローテーションは戦うデッキを予め決めて持ち込むことができるのに対して、2Pickは即席でデッキ構築をするため
「カードのPick」、「デッキ確認」という段階が重要になります。


そこで、自分が思うゲームの流れは
「カードのPick→デッキ確認→マリガン→プレイ」
というものです。

各段階で意識するべきことがあるので、分けて記していきます。



〇カードのPick
どのカードをPickするのか定めることは、2Pickの専門性が問われる所です。
当たり前ですが、1つの択が違うだけでデッキの方向性が変わってきます。

そのため、自分は環境初期に「カード順位表」を作成し、これを基準としてPickをしています。
もちろん、他の人の意見を参考にするなど、日々順位は変わっていくので細めに更新します。
自分のカード順位のつけ方は以下のURLを参照ください。

自分の表があまりにも見にくいので、来期からはソーさんのように画像でまとめたい、、、

今期からカード順位を視覚化するようになったのですが、
自分としてはかなり気に入ったので、カード順位表について紹介させてください。



メリット
・カード順位を作成して、回りの意見と比較することで、自分のPick観が間違っていることを認識することができる
(今期の例だと「狂想の悪魔」、11月入るまで自分はこのカードを弱いと思っていた)
・自分の特徴が客観視できる(自分の場合はドロソが好き)
・実践では見ながらPickすることは少ないが、本当に迷ったときの参考になる。(特にニュートラルのレジェンドを比較するときに役立つ)


デメリット

この「カード順位表」は一般化したものであり、実践ではその時のデッキを踏まえて考える必要があります。
そのため、自身のカード順位による「4123」や「2413」というような評価はあまりせず、柔軟な対応が求められます。


そこで、自分の「カード順位表」には「変数」をつけています。
「変数」とは、「狂乱」や「ドロソ」など、デッキの全体的なバランスを考える際の諸要素です。




〇デッキ確認(デッキ完成後)
デッキ確認はPickをしながら行うのですが、ここではデッキ完成後の確認のことを指します。
自分はデッキ確認に30秒~1分は時間をかけ、大会などの重要なシーンでは2分ほど時間を取ります。

これぐらい時間をかけている人はあまり見ないのですが、
自分が作成したデッキで勝利をつかむために必要だと思ってます。



何をしているか

・デッキの勝ち筋(or 敗け筋)
デッキ全体のリストをみて、「どのような動きが強いのか」、「どのように勝つのか」を考えます。

また、デッキがそこそこ強い場合は「どのような動きをされたら敗けるのか」を考えます。
今期の例だと、特に「大天災・ハレゼナ」を考えることが多いですね。


・継続的なプレイができるか(ドロソ)の確認
継続的な攻めができるかは、高コストが多いandドロソ(2枚以上ドローができるカード)がデッキに何枚あるかによって判断します。


・マリガンの確認
デッキはこの段階でしか見られないので、先攻と後攻のパターンを分けて考えます。
主に、2コストのカードをよく確認します。
ここで思考の整理をすることで、実際にマリガンをするときに最適解を踏みやすいです。

・特殊状態の確認
「バフ」や「狂乱」など、各クラスにおける特殊状態の確認をします。
デッキの強みを再確認する時間です。
以下はクラスごとに意識している特殊状態です。
ヴァンパイア…復讐、狂乱、20種類、渇望
ネメシス…10体破壊、共鳴10回
ロイヤル…連携
ウィッチ…スタック数、進化回数、スペル数
ドラゴン…バフする枚数、ナテラを生成するカード数

・コンボカードの確認
方舟エンペラー、モノコンボなど相性の良いカードはセットで確認しておきたいです。

・その他
直接召喚、ハレゼナを取れるカード、ドロー枚数、総合打点、回復量の確認など

これらはデッキ作成中にも考えていることですが、
デッキ完成後に改めて考えることや、意識していなかった項目に目を向けることはとても大事だと思います。


実践例(ヴァンパイア)

スクリーンショット (107)

・デッキの勝ち筋(or 敗け筋)
①「ダークエンペラー」の安着
②狂乱状態になった「悪魔の令嬢」を用いて盤面で勝負する。
③「ゼノ・ディアボロス」のラストワードで渇望、狂乱、復讐の効果を発動させる。

・継続的なプレイができるか(ドロソ)の確認
「ダークオーダー(2枚)」、「インサイトデビル(1枚)」、「霹靂の悪魔(2枚)」潤沢なリソースがある。
ヴァンパイアは2枚ドローカードが3枚ほしい。

・特殊状態の確認
自傷回数10回以上が見込めるので、狂乱状態を意識する。

・コンボカードの確認
ゼノ・ディアボロス殺意のコンボ

・その他
打点が出るカードを覚えることや、自傷回数と回復量のバランスを考える。

・マリガンの確認
マナカーブを見ると2コスが少ないように見えるが、「悪魔の令嬢」の1枚目は2コス換算していい。
そのため、先攻2t出せる2コスカードは9枚という認識

先攻キープ

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先攻2tで出すカードが7枚以下であればそれらのカードをキープしますが、
このデッキは9枚あるので自傷回数とドローできる「ダークオーダー」以外は返します。
このデッキは3コスの動きが少ないので「乱舞の獣人」をキープします。

後攻マリガン

画像4

後攻4tに弱い「インサイトデビル」(ドロソが少ないデッキだと持つこともあります)を返し、4tに強い「デモンディーヴァー」をキープします。


〇マリガン(続き)
現代2Pickは
「2コスのなかで一番強いから持つ」、「何もできないよりはマシ」、「最低限動ける」という理由でマリガンすることは減ってます。
(もちろん、上記の理由でマリガンをすることもあります)

理由は、2tの価値が低くなっていることやテンポを取り返すパワーのあるカードが増えたことが挙げられます。
そして、強いカードを引きにいくマリガンをすることが多くななりました。

「1枚でも多く引いて強いカードにたどりつきたい」
これが軸としてあります。


・先攻4tを意識したキープ
強気のマリガンをする現代2Pickといえども、昔から弱点となっているターンがあります。
それが、先攻4tです。

4コストのカードは各クラスに存在するのですが、
エンハンスで運用したいカードがあるなど、実際に出したいカードは主に各クラス1種類です。

そのため、「ストーンマーチャント」や「サークルウィザード」、「ミニマムタンク」をPickする価値が上がり、先攻のマリガンではキープすることが多いです。


〇プレイング
2Pickは構築ほど盤面の再現性は高くありません。
毎試合、毎試合見たことないゲームをすることになります。

そこで、プレイヤーは自分のプレイに対する「リスク・リターン」を考えながら試合をしており、
そこで発生する「ケア」と「勝ち筋」の話をしたいと思います。


ケア
2Pickは構築と違って相手の動きを予想しにくいです。
しかし、

・ブロンズやシルバーのカードを上手く使わせないようにすること
・自分が有利な状況の時に、敗けないためにケアをすること

がとても重要です。
試合数をこなすとケアするべきカードが分かってくるのですが、
経験値が少ない人や視覚化したい人におすすめなのが、「ケア表」を参考にすることです。

これは自分で作ってもいいですし、他の人のケア表を参考にするのでもいいです。
(ケア表の例を探せなくて申し訳ないです)


勝ち筋
これは自分に不利な状況の時に考えることです。
勝ち筋を追う選択肢として、


「山上を期待する」、「相手が返せない盤面を作る」、「相手の回復を期待しない」、「相手が特定の強いカードを持っていない」

などが挙げられると思うのですが、
2Pickでは「相手が特定の強いカードを持っていない」を考えることが多いです。

次のターン特定の強いカード(ex.ダークエンペラー、アーティファクトシップ)をプレイされる可能性があるとします。
ただ、そのケアをせずに強い択を取った方が試合に勝てる可能性が高いのではないかという思考です。


他に意識すること
・終盤、試合のログから相手がプレイするであろうカードを考える。
2PickはレアリティごとにPickするので、

ブロンズ 12枚
シルバー 8枚
ゴールドレジェンド 6枚
ニュートラル(レジェンド以外) 4枚

というようにデッキが決まっています。
そのため、試合終盤になると「ゴールドレジェンドカードが出てこないことが分かる」といったことがありえるわけです。

・直接召喚
2Pickでも直接召喚をすることがあるのですが、その希少性から存在を忘れてしまうことが多いです。
よくあるケースとして、「招来の大天使」、「撲滅の兵団長」、「ジャスティス・タイラント」が挙げられます。


以上が2Pickを競技的に取り組む紹介でした~
2Pickは己の身1つで戦うので、この取り組み方は来期以降にも活用できると思います。
参考になったら幸いです。

<ミニコーナー>~2Pickの良い所をあげてみた~
いろんなカードに触れられる
 新弾発表が楽しみ 
エーテルなくてもできる 
メタが回んない  
同じカードプール 
お金がもらえるかもしれない 
弱いカードを強く使える 
ヘイトカードが少ない


おわりに

どうだったでしょうか、「あまりに難しいことをやっている」と思った人もいるかもしれません。
しかし、こんなことを思ったあなたも無意識のうちに、取り組んでいることがあると思います。



2Pick BO3やBO5について、もう少しベラベラ話したかったのですが文量が多くなってしまうので、また次の機会にします!

長いようで短かったアドカレも後3日ですね!
明日の昼の部は地雷さんで「Shadowverseと別ゲーやリアルの両立について」とMingiGodさんの記事です。
そして、明日の夜の部はシンヤさんで「Ratingsプレイヤー名鑑」です。

お楽しみに!!


追記(書きたい事を書く)
自分はアリーナを全くしません。
理由は

・5勝に価値があるフォーマットで
4戦目や5戦目で戦う相手の上振れをたたきつけられて敗けることが多い
・プレイが惰性になりがち

デッキを作るのがとても楽しいので2Pick BO1や2Pick BO3を好んでおり、自分としてもこちらをおすすめしたいです。

JCG、2Pickレート、個人・法人の大会を活用しています。

・おすすめの大会
トリス杯(2Pick BO3)

REIGN(BO1)  (毎週水曜日、土曜日)

らしゃ杯(BO1)


最後に、
この記事を投稿する日の20:00~
LOSリーグ(2Pickのアマチュアチームが競うリーグ)の決勝戦があります。
あのフォレストさんが解説してくれます!

レベルの高い試合が行われること間違いなしです!!


ながながと追記しましたが、これで終わりです。
ダンケシェーン!

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