ジャニー喜多川性加害に関する弁明:私は「見て見ぬ振り」をしたのか?
こちらではご無沙汰しています。
ジャニー喜多川性加害問題について、東洋経済オンラインに何度か寄稿するうちに、メディアの取材がポツポツ入るようになり、とうとうテレビ出演するまでに至りました。
多くの番組に出演するようになり、意図しないままに注目も集まり、名前も知られはじめているのですが、「どこで叩かれるかわからない」というリスクも負ってしまっています。
一番出てきそうなのが、「お前も見て見ぬ振りをしてきただろう!」という批判です。
本noteでもすでに書いてしまっているし、別にウソをつく気持ちも、事実を隠すつもりもありません。
ただ、現状だと誤解を招く可能性もあるので、ちゃんと説明しておきます。
私は、今年のBBCのドキュメンタリー放映、カウアンオカモトさんの告発以前から、「報道以上」のことを知っていました。
前にも書いた通り、20年ほど前に、ジャニーズジュニアの人と飲んだ時に、色々聞かされてたんですよねぇ。
彼は被害者ではない(と本人は言っていた)ので、彼自身も伝聞だとは思いますが。
ショックを受けて、聞いたことがにわかに信じられなくて、自宅に戻ってから情報を調べまくったんですが、告発本は何冊もでてているし、文春では記事になっているし、民事とはいえ訴訟にもなっている・・・
「喜多川氏の性加害は事実に違いない」と思うに至りました。
この件は、仕事仲間はプライベートの友人・知人と話したのですが、「都市伝説じゃないの?」、「(真偽不明な)芸能スキャンダルでしょ」、「芸能界だったらそういうこともあるかもねえ」みたいな反応でした。
ジャニーズファンの子にも話したところ、「そんな話、聞きたくありません!」逆ギレされました。
誰に話しても、「真偽不明のうわさを盲目的に信じている奴」みたいに思われるか、「本当だったとしても、芸能界あるあるで、そんなに深刻な問題ではない」みたいな反応を受けるかでした。
誰もまともに反応してくれないのですが、文春の裁判で認定された後は何も報道で出ていなかったので、「さすがにジャニー喜多川も加害行為をやめただろう」と自分で自分を納得させていました。
そうだったとしても、過去に彼がやったことが許容されるわけではないし、実際のところ、カウアンさんの告発でその後にも加害行動があったことが発覚しました。
「(人に話しても、誰もまともに反応してくれないので)このことが事実であり、問題であるということを主張しなくなった」というのが、私が取った態度でした。
それを「見て見ぬ振りをした」と言われると、その通りでしょう。
当時、私が本気で騒いだところで「変なことを言っている奴」、「大げさに騒いでいる奴」くらいにか思われなかったと思います。
自分が何をやっても状況は変わらなかったと思いつつ、この問題が大事になった時「なんであの時に、もっとちゃんと主張しなかったのか?」という後悔の念にさいなまれました。
過去については後悔も反省もしていますが、だからこそ、これからできることをしなければならない。
自分が見聞きしたこと、自分が抱いてきた違和感をベースに、自分の専門性、知識を活かして発言を続ける――
それが、いまの自分がやるべきことだと思っています。