母の日の呪いがとけた魔法の花束
「はい、これ。母の日だから。」
娘が差し出した花束は大きくて、思わず
両手を広げた。
ワインカラーの薔薇を基調とした
ドラマティックな花々に、
珍しいグリーンと白い小花がふんだんに
添えられている。
洗練されたテイスト。私の好みだ。
ああ、もぉ~。目が潤んでいく。
「ありがとう。やだ、泣いちゃうよー。
びっくりした。初めてだし。
すごい、キレイだね!
バイト代1日分つぎ込んでない?」
「そこまでじゃないよ。大丈夫。
『カーネーションじゃなくていいので
大人っぽくしてください