まみろうと友だちとDさんのおはなし
あるところに、まみろうという人がいました。
まみろうには大好きな俳優がおり、ファンつながりでお友だちや知り合いがたくさんできました。
その知り合いのひとりに、まみろうが「自分勝手だなぁ」と感じるCさんがいました。
なぜそう感じたのかは長くなるので割愛しますが、何人かから似たような事例や意見を聞いたので、やはりまぁ、自分勝手なところがあるのでしょう。
まみろうは、その人とはあまり関わらないようにしていました。
とはいえ、同じ俳優のファンですから、出没場所は似ています。
そう注意して見ていなくても、どんな人と一緒にいるかは目に入ります。
ある時から、Cさんと仲良くしているDさんに気づきました。
Dさんはまみろうとは、顔を合わせたら挨拶するくらいの知り合いでした。
なんとなく引っ込み思案に感じる人だったので、まみろうは
「Dさん、Cさんの勝手さに振り回されたり、利用されたりしてないといいけど」
と思っていました。このことは まみろうだけでなく、お友だち何人かも同じように思っていたのです。
CさんとDさんはほどなくして、一緒にいることが無くなりました。
何があったのかは知りようもありませんし、興味もないのですが、不思議なことに、その頃からなぜかDさんは まみろうのお友だちのひとりに執着するようになりました。
執着を感じるようになった発端は、Dさんがある人に「○○さんはどうして私のことを嫌ってるの」と突然聞いてきたことでした。
その話を聞いて、嫌っているどころかCさんとのことを心配していた まみろうのお友だちはビックリです。
そんなことがあって、DさんのSNSを見てみたところ、そこには
「○○さんに見張られている、皆で私の悪口を言っている」
「映画の感想のフリをして私へのあてつけを言っている」
という発言があり、まみろうもビックリしてしまいました。
ハッキリと固有名詞を出していたわけではありません。記号や絵文字を使って、あてがつくようにしていました。
それでもやはり、気分のよいものではありません。
Dさんとまみろう・まみろうのお友だちは、お互いフォローもしていません。
誤解を受けたまみろうのお友だちは、「まったく身に覚えがないし、誤解をとくべく直接やり取りした方がよいだろうか?」と悩んでいました。
しかし、なにせロクに話もしたことがない相手です。
お互い大人だし、そのうち誤解もとけるのではないか、と静観することにしました。
が・・・
おさまるどころか、どんどん酷くなるようでした。
ここでふと、まみろうは思いました。Dさんが言う「みんなで悪口を言っている」の ”みんな” の中に、自分も入っているのだろうかと。
それで、ある日SNSでカマをかけました。
フォローされていないけど、Dさんがまみろうの発言を見ているなら反応するであろう単語を入れて、発言したのです。
すると2分後には反応がありました。まみろうの仲良しさんたちでさえ、そんな速さでは発言を見ていません。
監視しているのはあなたの方じゃないか、という話です。
そこで まみろうは、「誰もあなたのことを嫌っていないし、監視などしていないよ」と伝えることにしました。
推し俳優の地方公演があった土地で見かけたので、直接話しかけました。
「こんにちは」と話しかけると笑って反応してくれたので、
「何か誤解してない?」「どうして嫌われてると思ったの?」と質問したのです。
ところがDさんは、その質問には答えず「ごめんなさい、ごめんなさい」と抱きついてくるだけでした。
新型コロナの感染予防が叫ばれている中です。
「ソーシャルディスタンスで!」と押しやりますが、また質問すると、それには答えずただ「ごめんなさい」と抱きついてきます。
まみろうは察しました。
この人には論理的理由などないのだと。
まみろうは自分の感じたことをお友だちたちと共有し、Dさんのことはそっとしておくことにしました。
ともあれ、誤解だということ、誰もあなたを嫌っていないということは伝えたぞ、と思いましたし。
しかしDさんはエスカレートする一方です。
「複数人で手分けして、私を見張っている、発言するとすぐに来る」
などと言うようになってしまいました。
どうやらSNSのアクティビティを見て「すぐ来た」と思うらしいのですが、発言直後のアクティビティのひとりは、普通に考えて自分自身です。
それに、SNSで発言すればフォロワーさんのタイムラインに表示されるのですから、フォロワーさんがいればアクティビティがゼロはあり得ません。
なぜ見張られてると感じるのか、ちょっと聞きたいくらい不思議な考え方です。
それに、そんなに「フォロー外から見張られている」と疑うなら非公開にすればいいのに、とも思うのですが、それはしません。
本当にワケがわからないので、もう何も働きかけないことにしました。
ターゲットにされてしまった人はDさんをブロックしましたし、まみろうも一時期は「まだ何か言ってるのかな」と発言を見に行っていましたが、もうそれもしていません。
説明も説得も受け入れない人に、こちらが出来ることは何もありません。
天に向かって誰にも届かない呪詛を吐き続けても、自分の身に降り注ぐだけです。
今、Dさんが何をどう考えているのかわかりませんが、劇場などで見かけると もの凄い形相で睨み付けてくるようです。
嫌われてなどいなかったのに、勝手な思い込みからほんとうに嫌われてしまったことに、Dさんはいつか気づくでしょうか。
推しの仕事を楽しむのに、気がかりなことや不快なことなど、お互いに無い方が良いに決まっています。
もう、仲良くなれるとはとうてい思えませんが、お互い最初から知らなかった人同士のように、関わらずにいられるといい。
まみろうもお友だちも、そんな風に思うのでした。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?