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痛みを教えて

病院の帰り道
窓ガラス越しにバスを待つ自分が小さく見えて写真を撮った
きっと現像は1ヶ月後
その時写真を見たわたしは何を思うんだろうと気になってシャッターを切った

夕方にひとりで展示を見に行った
写真家さんが在廊していてたくさん話してくれた

リストカットが無数にしてある細くて白い腕の写真が綺麗だと思った
それを伝えたら僕も綺麗だと思って撮ったから嬉しいと言っていた

こんなに安心感のある展示会場は初めてだった
展示写真にはあまり表情が写っていないこと
過去の恋人の写真があること
自分の手を燃やして撮った写真があること
全部意図を話してくださった
全てに敬意がある写真を撮る人だなと思った

写真集を買った
亡くなった友人が写っている写真も収録されていると教えてくれた

見返した時に辛くなるのがこわくて写真を撮る時に躊躇してしまうことがあるという話を深く頷きながらきいてくださった

最後にまた会いましょうと言ってくれた
すごくいい挨拶だなと思った
また会える気がした

生きてるうちに誰に会うのか、その人がどんな考え方をしてる人なのかを知ること
そういうものの積み重ねで自分は作られていく気がする


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