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1回断ってしまったリハビリを自分の身体の衰えに気が付き、自らお願い

LITALICOの佐々木真美です。30本目となるnoteは、身体のどこに効くのか分からず理学療法士(以下、PTの先生)に「しなくていいです」と言ったけれども、それから7年が経った現在は自らお願いをしたことをテーマに書きます。

脳性麻痺当事者の私は、3歳から現在まで身体機能を維持するため、リハビリを受けています。けれども最近、食事の時に食べ物が気管に入ってしまったときの咳き込むパワーが弱くなったため、誤嚥にならないように予防する訓練を始めました。

この記事では、体のどの部分に効果が表れるのかを知らなかったことから断ってしまった頃。そして、身体の衰えを感じて言語聴覚士(以下、STの先生)に自ら相談でき、その後のことについて書きます。

これまで書いたnoteにも書いていますが、自分は4歳から17歳まで医療療育センター(以下、センター)と支援学校がつながっているところで日々を送っていました。

詳しくは、コチラをお読みください。

それから更に月日が流れ、私が27歳のとき、施設に新しい男性のPTの先生が入社しました。お1人は専門学校の教師をしている方で、もう1人は平日は病院で働き、ご自分の仕事がない週の土曜日に施設でお世話になった方です。


2人のPTの先生が来られた年と同じ年に、私は東京都にある株式会社LITALICOの社員になりました。それで最初は、ポインターを使い、タッチパネルのPCを操作し、働いていました。けれども、首と肩に負担がかかるので、会社の上司にお願いをし、身体を大切にしながら長く働くために、視線入力のPCを貸与してもらいました。

視線入力のPCを使うようになって首周りの負担は減りましたが、腹筋が弱く背筋で姿勢を保つ自分は、長時間同じ姿勢で仕事をすることから腰痛に悩むようになったのでした。そこで、そのとき既に担当だった先生に相談したところ、病院の仕事がお休みである週の土曜日に来られていた先生に相談をしてくれました。そして、スケジュールを整理してくださり、週1だったリハビリを週2回に増やして下さいました。

ヘッドポインターとは

工事現場などで使うヘルメットの前側に棒が付いている帽子で、福祉機器の1つです。主に、手の不自由な人に使用されています。

組み立てていただいた項目の中に初めてする訓練があった。それまで、腹部を触られたことがなかったために驚き、断ってしまう

マッサージしてもらう日が増えたことで、腰痛は軽減していきました。しかし、新しく担当になった先生が考えてくれた項目の中に今まで体験したことがない訓練がありました。 それで、 小さい頃からしてもらってきた手や足のリハビリには慣れていた私でしたが、腹部を触られたことが初めてだったので、驚いてしまいました。よって、どこに効くのかを先生に訊いたらよかったのですが、何も訊かずに「しなくていいです」と断ってしまいました。

先生の退職から1年。食事のときに、咳き込む力が弱くなったことに気が付き、自らSTの先生に相談。そして、対処方法を教わる

それから6年が過ぎた去年、世の中ではコロナウイルスといった流行病が発生していました。そのため、月に1.2回いらしていたPTの先生は、平日は病院で働いていることから退職されました。その1年が過ぎた現在、食事のときに食べ物や飲み物が食道ではなく、誤って気管に入ったときの咳き込む力が弱くなったことに気が付きました。なので、施設にいるSTの先生に相談をし、対処方法を2つ教えてもらいました。

2つ目の方法を聞いたときに、苦い思い出がよぎった。1人ではできないリハビリであるため、PTの先生に項目に入れてもらった

「むせるパワーを強くする方法は、声を長く出すことと、胸郭を元の機能に戻してもらうことが必要」と教わりました。よって、1つ目の対処方法は1人で出来ると思い、2つ目のことを考えました。すると、7年前の訓練のときに体験していたことを思い出し、何も訊かないで断ってしまった申し訳なさと、出会って間もないころにも拘らず、必要性を感じて対応して下さった有難さを感じました!それで早速、専門学校の教授で現在担当してもらっているPTの先生に理由を伝え、「リハビリの項目に加えてほしい」とお願いしました。

実際にしてみて自分の呼吸が浅いことに気が付いた!ストレッチやケガ予防のみではなく、 命に関わっていることを改めて知った!

お願いをしたことがきっかけとなり、正しい呼吸をする訓練が始まりました。私の場合は、先生に肋骨1本1本を天井と床の方向に動かしてもらった後、胸郭を床の方向と足の方向に圧迫してもらいながら、息を吐く練習をしています。この練習をするまでは、あまり意識していなかったのですが、実際に訓練を受けてみると自分の呼吸が浅いことに気が付きました。

私は上記で書いたように、小さい頃からリハビリをしていますが、今までは「日常生活を豊かにする目的だけ」だと思っていました。でも、呼吸の訓練をするようになり、元々あった胸郭の機能をもとに戻す。あるいは、食事のときの咳込む力を強くするといったことを考えると「命に関わることでもあるんだな!」と学びました!

後悔があるからこそ、その分自分の身体に向き合っていきたい!

身体のどこに効くのか。を訊かずに断ってしまった20代の頃。そして、食事の時に自分でむせ方が弱くなったことに気が付き、STの先生に相談をし、現在施設にいるPTの先生に胸郭をほぐしてもらっている34歳。


私の身体のことを考えてリハビリの項目を組み立てて下さったのにも拘わらず、断ってしまったことは7年が経った今も後悔しています。けれども、この後悔があるからこそ、 今まで以上に自分の身体機能と向き合っていきたいです!


最後になりましたが、私に「訓練を受けることは、ケガ予防や日常生活を豊かにするためだけではなく、命にも関わっている」と気が付かせてくれた3人の先生に心から「ありがとう!」を伝えたいです!




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