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使うことを躊躇らっていたプリンター。でも、人柄を出せるすぐれもの

LITALICOの佐々木真美です。33本目のnoteのテーマは、自分でインクを入れられないことからプリンターを使うことを躊躇っていた私が、「文字と一緒に自分の感性も相手に伝えられる」と気が付き、再び、印刷すると決めたことについててす。

脳性麻痺当事者で発達障害の傾向がある私は、用紙が途ってしまっても1人でセットが出来ないことのもどかしさから、最近までPCに書いた文章を印刷していませんでした。けれども、あるきっかけにより、思いを手紙に託す必要性を感じました。

この記事では、トラブルが起こってしまうと自分で対応が出来ないことからプリンターを使うことを遠のいていた7年間。そして、考えを紙に残せるだけではなく人柄も残ると思い、再び、用紙にコピーすることを決めたことについて書いています。


 センターを離れて今暮らしている施設へ

これまでのnoteにも書いていますが、私は4歳から17歳まで医療療育センター(以下、センター)と支援学校がつながっているところで日々を送っていました。

詳しくは、こちらをお読みください。

センターには、幼児から中学3年生までの子どもたちが治療や訓練を受けながら過ごしていました。けれども、自分は家の事情があり、学校の先生や看護士さんなどの配慮を得て、高校3年生の1学期までお世話になりました。そこで、高校はないため別の学校に入学し、中学の頃まで通っていた学校の空き教室を借り、訪問授業を受けていました。そして、18歳になる春、今暮らしている施設に空きが空いたので、センターから引っ越しました。

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施設に入所して最初のころは、用紙に文章を載せていたものの、使い道に戸惑いを感じて使わなくなっていった
 

その後も高等部の授業は、学校の先生に施設へ来ていただき、学んでいました。なので、毎回ワンツーマンだったため、用紙やインクを入れられないストレスを感じることはありませんでした。それから、 高校を卒業して9年間はプリンターを使っていましたが、その間自分の思い通りに使えていたかというと、そうではありませんでした。どのように違うのかというと、施設では印刷以外の用件でナースコールを押したときにいっしょにお願いをするか、ケアスタッフが私に用事があって訪室したときなどに限られてしまうのでした。


また、自分が「印刷したい」と思うもののほかに、職員から日常生活の目標などの文章をプリントアウトすることが続き、自分のことではあるけれども、用紙代とインク代の出費を考えてしまいました。そうしているうちに使っていたインクが切れ、プリンターの使い道に戸惑っていたこともあり、PCの上にあるのにも拘わらず、使わなくなりました。

使いたいときもあった。けれど、自分の好きなことだけ印刷することが出来なかった。本当の気持ちを言っていないことを忘れ、ショックを受けていた日々

その後も、自分の好きな歌手の画像や、買い物リストなどを印刷したいと思うときもありました。しかし、職員から「印刷して」と言われることを防ぐためにインクを買っていないのに、「好きなことのためだけにプリンターを使っていいのか?」と思い、自分自身も我慢していました。けれども、そういったことを考えていることを職員に話していないので、「プリンター使って!」と言われても、し仕方がないのですが、言っていないことを忘れ、ショックを受けていました。

向き合うことで分かった思い。そして、プリンターを使っていくことを考える

この事から私は「なぜ、印刷してほしいのか」を聞きました。すると、「真美さんの思いを大切にしたいから」という返事が返ってきたのです。それまで自分は、「言語障害で会話をするのに時間がかかってしまうから、印刷して」と頼まれると思い込んでいました。なので、予想をしていなかった言葉に嬉しさを感じたことと、「障害を理由に頼まれている」と決めつけていたことに情けなさを覚えました。

プリンターを使おうか考えていた矢先、ネットがつながらなくなって連絡が途切れた。それで、より、必要性を感じた

そして、情けない自分を反省し、切らしていたインクを買うことを決めていました。けれども、そのような矢先、インターネットが使えなくなり、ネットを通じて買い物をしている私は、すぐに購入できませんでした。そこで現在、自分が働いている会社の上司との連絡が途切れてしまい、施設職員に相談したところ「印刷してくれたら会社にfax送るよ」と言われました。このことが更に、自分を奮い立たせるきっかけになりました。

言われ方に敏感な自分だからこそ、手紙で伝えられることがある

「プリンターを使おう」と思った背景には、もう1つ理由があります。記事の冒頭で少し書いているのですが、自分には発達障害の傾向があり、待つことが苦手だったり、相手からの言われ方に敏感な特性があります。それで、今までは待つことのストレスのほうが大きかったので、自分でセットが難しいプリンターを使ってきませんでした。しかし今は、言われ方に敏感な特性のほうが強いので、自分ならではの感じ方を顔文字や音符を使って表したくなり、再び、印刷することにしました。

思いだけではなく、自分の感じ方も相手に伝えられるということに、最近気が付いた!手紙に託す思い

私は、このような記事や作文の語尾に書く(まる)は何も感じません。けれども、普段の会話の語尾につく(まる)は怖く聞こえてしまいます。そこで、施設職員が伝えてくれた「思いを大切にする」を重視し、自分の受け取り方を他者に知ってもらう機会も作れるので、これからはどんどんプリンターを使っていきたいです!

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