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天井を見上げる

 物置にしていた部屋を掃除して、ベッドを置いて寝転んで、初めて天井が淡い黄色に塗られていた事に気がついた(この部屋だけ)。引っ越してから、数ヵ月後の出来事である。


 別の場所でも、度々「あ、こんな天井だったんだ」と改めて気が付くことがある、私はこの瞬間が大好きだ。この時に今までは、真っ直ぐまたは下しか見ていなかった事に初めて気が付き、視点が一つ増えたような感覚になる。今度からは、最初から天井に気を配ろうと思うものの直ぐに忘れてしまう。


 今日は日曜日、朝早く起きてあれこれしようと思っていたものの、寝坊してベットでダラダラと過ごしている。カーテンを少し開け、天井を見ながら「気が付かなかったあの頃は、よっぽど余裕が無かったんだろうな」と思う。


 この天井を見る度に、引っ越しをしてきた頃を思い出す、あの頃よりも前に進めていると自分に言い聞かせた。(そろそろ起きようかな…)


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