ドラマ「からかい上手の高木さん」感想
2024年5月27日 ドラマを一気見しました。
なんとびっくり。
この日のお昼だけで全話見てしまいました。
この記事を書く理由
『からかい上手の高木さん』は
自分にとって特別な作品の1つである。
初めて作品に触れたのはTVアニメの第1期。
主演の高橋李依さんが好きだから
とりあえず触れてみた。
アニメもラジオも楽しんで
小豆島で実施されたイベントにも参加した。
首都圏以外は極端に出不精な自分にとって
島へ行くのは結構なハードルなのだが
作品が好きであること
キャストの登壇があること
小豆島に訪れてみたかったこと
夏祭りという特別な期間であったこと。
あらゆる理由が噛み合って
小豆島に訪れることになった。
そんな自分がこの記事を書く理由は
アニメに触れていて
ドラマに触れていない人に
ぜひこのドラマを見てほしいからである。
記事を読む上での注意点
この記事のターゲットは
アニメを見ていてドラマを見ていない。
その中でも
現状ではドラマを見る気が一切ない人。
そのため、アニメとドラマのネタバレを含む。
ネタバレを一切読みたくない人は、ここで回れ右。
少しでも見る気があるのなら、ぜひ見てほしい。
とても良いドラマだったので。
アニメ派が見たドラマの素直な感想
最初に書いておこう。
とても素晴らしいドラマだった。
1話30分の全8話構成。
前述のとおり、あっという間に見れてしまう。
特にアニメを見ている人にとっては
「高木さんが西片をどう思っているのか」
「西片が高木さんをどう思っているのか」
というのが見る前から頭に叩き込まれているので
すんなり入ってくる。
構成・脚本について
中学2年生の6月から
中学3年生の夏までを描いており
全8話で描くにはなかなかタイト。
「もっとこのシーンが見たかった!」
とかはもちろんあるのだが
限られた尺の中で描くのだからしょうがない。
逆にいきなり中3から始まっても困るし。
そうなるとクリスマスも正月もバレンタインも描けない。
1話の最初には、やっぱり「消しゴム」が描かれる。
良いよね。
だって、これをやっておけば
「高木さんが西片をどう思っているのか」
作品に触れたことが無い人でも分かるんだもの。
どんな世界線でも最初に描かれる
『からかい上手の高木さん』は
「消しゴム」回なのである。
原作の時間軸がまっすぐ流れていないため
どのように組み合わせていくかは
監督や脚本家に委ねられる。
原作ともアニメとも異なる展開に進んでいくため
セリフを言う時の高木さんと西片の関係性が
原作ともアニメとも異なる時がある。
「このタイミングでこのセリフか!高木さんドラマ制作陣め!」
なんて思えるのは先に作品に触れている人の特権なので
ぜひそこを楽しんでほしい。
展開を大きく変える「あれ」がない
この記事を読んでいる人は全員が
実写映画『からかい上手の高木さん』開始時点の
高木さんと西片の関係性を知っていることだろう。
高木さんは小豆島を去る。
高木さんと西片は10年別れることになる。
じゃあ、その別れ際までに
高木さんと西片の関係性はどうなっているのか。
『からかい上手の高木さん』にとって
高木さんと西片の関係性の変化にとって
もっとも重要なあの場所が
このドラマでは欠けているのである。
そう、夏祭り。
ドラマ『からかい上手の高木さん』には
クリスマスもお正月もバレンタインも
終業式だって描かれているのに
夏祭りが欠けている。
中学2年の6月から始まって
上記のイベントを描くとすると
もし中2の夏祭りを描くならば、第1話か2話に来る。
そんなん早すぎる。そんな脚本家がいたら衝撃だ。
では、中3の夏祭りを描くとなるとどうなるか。
物語の1番の盛り上がりが、中3の夏祭りになる。
つまり最終話に持ってくることになる。
そうするとどうなるか。別れのシーンが薄くなる。
映画の世界に繋げるためには
最後に別れのシーンを持ってくる必要があるのに
夏祭りを描くと、そっちが印象に残ってしまう。
それにもし夏祭りで関係性が大きく変化しても
その話数のうちに物理的距離が離れることになる。
中学生にはあんまりだ。
そんな残酷な展開は原作勢もアニメ勢も
見たくない展開だろう。
だが、安心してほしい。
夏祭りは描かれる。そう、映画で。
予告に浴衣と花火が描かれている。
ちなみに、ホワイトデーもドラマで描かれていない。
アニメと同じようにホワイトデーを描くと
そこで高木さんの不在を一時的に感じるわけで
もう西片が自分の気持ちに気づいてしまうのだから。
実写版:高木さんと西片
月島琉衣さんと黒川想矢さん。
どちらも素晴らしい演技だった。
月島琉衣さんの高木さんは
笑顔がまさに高木さん。
アニメ以上に等身大の無邪気さがあって
魅力的なヒロインだった。
あと、変顔が見れる。
高木さんの変顔が見れる。
大事なことだから、もう1回言うね?
高木さんの変顔が見れる。
黒川想矢さんの西片は
まだ恋愛なんか知らなくて
好きって気持ちもよく分からなくて
そんなあどけなさが伝わってくるところが
本当に素晴らしかった。
「やっぱり、好きって気持ちが分からない」ということが
とある話数で明言されるのと
そのシーンの田辺先生のセリフが
めちゃくちゃ良いので見てほしい。
クリティカル
俗にいう「クリティカル」はそれほど多くない。
クリティカルを連発するには
やっぱり尺が無さすぎる。
第1話の冒頭のモノローグで
「記録 ---ではなく、記憶」と始まっているので
西片の主観で物語が進行すると思えば
確かにそれが自然なのである。
実際、西片に聴こえていないセリフはあるが
西片以外のモノローグは描かれていないので
やっぱり西片視点の物語。
ということで
けちょんけちょんにからかわれまくる西片だが
そんな西片の主観で描かれたドラマでも
クリティカルは不意にやってくる。
その時の高木さんのリアクションが
本当に本当に本当に素晴らしいので
ぜひ見てほしい。
特に高台のシーンが印象的。
高台と言えば、あれですよ。
例の階段を上った後ですよ。
実写のサブキャラクターたち
実写のサブキャラクターたちも
とても良い味を出していたと思う。
どうしても尺の都合上
全員しっかり描くのは無理なので
ミナ・ユカリ・サナエの3人娘は特に
目立つ場面は限られていた。
高尾と木村は
西片と話すシーンがちょこちょこある。
バレンタインのエピソードを描く都合上
真野ちゃんと中井くん、
北条さんと浜口の見せ場はもちろんある。
個人的に浜口がめっちゃ浜口。
実写でやるならこうなるよね。
田辺先生は原作よりずっとシュッとしていて
かっこいいが、やっぱり怖い。
でも本当に良い先生。
職員室で西片と話すあのシーンは
特にお気に入りである。
総評
さて、少しは興味を持ってくれただろうか。
①展開が異なるためエピソードの順序が異なる
②そのため、同じセリフでも印象が変わる
③限られたからこそ輝くクリティカルがある
そんな実写ドラマ。
ぜひとも実際に見てみてほしい。
現状ではNetflixで全話見ることができる。
TVerでは1話と最終話が
今の時点では無料視聴可能である。
「こんな展開は解釈違いだ!」という人には
そもそもメディアミックスとかおすすめしない。
柔軟に考えてほしい。
もしも「夏祭り」も「ホワイトデー」も描かれず
2人の関係性が明確に発展することも無いまま
物理的距離が離れてしまう世界線があったとしたら…と。
そんな物語が見られるのは原作でもアニメでもなく
実写版だけなのだから。
そのまま10年が経って再会したら
2人はどんな会話をするんだろう。
この時期に『からかい上手の高木さん』の
映画が見られるのも、やはり嬉しい。
ちなみにアニメ映画の公開日は6月10日だった。
梅雨~初夏に見る『高木さん』はいいぞ。
あとドラマシリーズ見ただけで
アニメを見返したくなったのも嬉しい誤算。
映画の公開を心より楽しみにしております。
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