TVアニメ『かくしごと』第6号 ついに姫は気づいたのか

はじめに

この記事はTVアニメ『かくしごと』
第6号のネタバレを含みます。

また、この記事を書いている自分は
『かくしごと』の原作を
まだ読んでいません。
11巻まで購入済みですが
アニメの展開も踏まえ
どこまで読むか迷っているので
まだ手を出していないのです。

そして、この記事はあくまでも
1人の視聴者の解釈記事です。
公式解釈でもなんでもないので
気軽に楽しんでもらえれば。

本記事のテーマ

第6号(=第6話)
「スクールランドセル」にて
描かれたサイン会シーン。

可久士のサイン会中に
仕切りが倒れ
キッザニラで職業体験中の姫と
漫画家モードの可久士が
遭遇してしまいます。

そのシーンにおいて
果たして姫は可久士に気づかなかったのか
漫画家であることには気づかなかったのか

というのを整理していきたいと思います。

可久士本人だとは気づかなかったのか

姫はキッザニラで遭遇した男に関して
可久士本人であるとは気づかなかった場合。

姫が「お父さん」を探しにサイン会場から
離れた後に可久士に対しての
アシスタントの羅砂と亜美のセリフ。

羅「家での格好と乖離しすぎていて
 先生だって気づかれなかったってこと?」
亜「初めて漫画家のコスプレが
役に立ちましたね」
可「コスプレじゃねーし!」

このように物語のセリフを
素直に受け取ってみると
姫は目の前の冴えない男性が
自分のお父さんだとは全く気づかず
探しに出たと考えられる。

しかし。
もしも可久士本人だと
気づかなかった場合
不要な演出が2つある。

1つは、
一子先生との会話の後に挿入された
姫が可久士に1度視線を向けるカット。
可久士だと気づいていない場合は
「唯一の知り合い」である
一子先生との会話を終えたら
そのままその場を離れて良いはず。

続いて、先程の視線カットの後に
姫が言ったセリフについたBGM。
直前に一子先生に
「大人のキッザニラ」について
教えてもらった際には
花びらの背景とどこか抜けたSEが
付与されていた。
そして「お父さん探さないと。」の
セリフの時はどこか悲しげな
BGMが付けられた。
「お父さんに気づかなかったんだね」
というシーンなのであれば
直前の背景とSEのように
明るくてもよいものを
わざわざ切ないBGMを
付けているのである。

どちらの演出も、
「姫は気づかなかった」とするならば
入れなくてもいい演出である。

また「服装でごまかせた」という
主張に関しては
遭遇した場所を考慮に入れたい。
職業体験に際してコスチュームを
変えられるのがキッザニラの特徴。
姫自身もそれを身をもって
体験しているので
「服が違うからお父さんじゃない」と
素直に思ったのだとは考えづらい。

これまでのことを踏まえると、
姫はあの場で遭遇した男が
漫画家かどうかはともかく
いつもとは違う格好をした
お父さんだと
気づいていたと考えられる。

漫画家だとは気づかなかったのか

それでは、
姫は目の前にいるお父さんが
漫画家であるとは
気づかなかったのだろうか。

高橋李依さんの演技に
先述のBGM効果が相まって
「お父さん探さなきゃ」のセリフが
とても切なく聴こえたわけだが
果たして可久士は姫に
漫画家だとバレたのだろうか。

その後の帰り道のセリフで
「大人のキッザニラにも
お仕事紹介所あるの?」
というやり取りがあった。

このセリフから、姫はやはり
「お父さんは
大人のキッザニラで遊んでいた」
と、考えているのだろう。
キッザニラはあくまで
お仕事体験の場所なので
漫画家としてサインを書く
可久士を見ても
「お父さんは
漫画家体験をしていた」と
一子先生の会話に出た
「大人のキッザニラ」を
信じきっていると考えられる。

また『かくしごと』には
高校生となった姫が
ついに可久士の仕事を
突き止めるシーンが
度々挿入されているが
そこの象徴的なセリフが
「隠し事は、描く仕事でした」
である。

もしも姫が第6号で
可久士の仕事を漫画家だと
確信してしまったのならば
先出しされている視聴者はともかく
姫自身の中で上記のセリフの
インパクトが弱まってしまう。

可久士の隠し事は
なんとか守られたのだろう。

結論

お父さん探さないと。
約束の時間になっても来ないんだもんな。
きっと迷子だ。

あまりにも切なくてゾクっとした
第6号での姫のセリフ。

いつもの姫のトーンよりも
少しだけ上ずって
聴こえたのに刺激され
今回、改めて解釈をまとめた。

姫は、可久士先生のサイン会場で
遭遇した男性が
お父さんであると
気づいたのだろう。
しかし、可久士が
姫にどうしても秘密にしたい
「下ネタ漫画家である」という
”隠し事”は無事に守られた。

しかし、約束の時間になっても
待ち合わせ場所に来なかった
自分のお父さんが
「大人のキッザニラ」で
楽しく遊んでいたというのは
やっぱり切なくないだろうか。

2人を見守る視聴者としても
可久士が秘密を守れたことは
安心材料ではあるのだが
姫が悲しい想いをしてしまったことは
やっぱり切ない。

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