マリオカートは技術だけじゃない

「体感時間」

この言葉聞いたことありますよね。例でいうなら仲良い人と遊んでると1日がすぐ終わるように感じるけど、学校の授業はすごい長い、みたいな。

要するに楽しいことは時間を短く感じてつまらないことは時間を長く感じるということなんです。

でも本当にそんな理由だけで問屋がおろしているのでしょうか?


そんな訳でちょっとしたクイズです!


ある被験者Aさんはとある部屋に入れられました。そこは壁も机も本棚も、ありとあらゆるものが赤色を基調としている部屋です。しかし時計だけその部屋にありません。全てのものが赤色で染まっていること、そして時計が部屋にないこと以外に特段変わったところはありません。そしてこう伝えられました。

「1時間がちょうど経った時に部屋から出てきてください」

同様にある被験者Bさんは青色を基調としている部屋に入れられ、同じことを言われました。条件は色が違うこと以外被験者Aさんと同じです。


では問題です!二人が部屋から出てきた時間はどれ?

被験者A

1. 45分未満 2. 45分〜55分 3. 55分〜65分 4. 65分〜80分 5. 80分以上

被験者B

1. 45分未満 2. 45分〜55分 3. 55分〜65分 4.  55分〜80分 5. 80分以上







ヒント:赤色は体感時間を長く感じさせます。


体感時間の考え方とは?

被験者Aは45分未満で部屋から出てきてしまいました。

え?と思った人もいると思います。それは「体感時間が長い」という言葉のトリックです。そもそも体感時間が長いとは先程の例でいうとつまらない授業が長く感じてるんです。もうそろそろ授業終わるかなと思って時計を見たらまだ半分くらいしか経ってない、みたいな感じです。つまり授業時間を本来の時間以上に長く感じているということです。「体感時間が長い」とはこの考え方を指します。

ここでクイズの解説に戻ると、赤色は体感時間を【長く】感じさせます。なので被験者Aさんは1時間経ったと思って部屋から出てくるのですが、体感時間を【長く】感じていることから1時間よりも早い段階で部屋から出てくるのです。多くの被験者を対象に行われたこの実験のデータでは平均45分経たずに部屋から出てくるのだそうです。早い人では30分前後で部屋から出てきてしまいます。


では被験者Bさんはどうでしょう?青色は体感時間を短く感じさせます。

答えは80分以上で部屋から出てきます。平均はおよそ90分、2時間以上部屋から出てこない人もざらにいるとのことです笑


【色による心理】

この知識を利用しているのが飲食店ですね。飲食店の椅子や壁の色、電気の色など全て暖色系にされています。それは回転効率を上げるためです。1時間くらいでお店を出たと思っているお客さんは店の色合いが暖色系で染まっているので、体感時間を長く感じていることから実際は1時間経っていないことがほとんどです。

陸上のトラックなんかも赤色のイメージが強いですが、世界陸上なんかを見ると青色になっていますよね。これは体感時間の短さを利用した観戦者側に選手をより早く走っているように見せる工夫、そして選手自身に体感時間に対する負担を軽減する工夫が施されています。ちょっと余談を話すと、青色は集中力を高める色なので選手の試合に対する集中力を保つサポートをしてくれます。これもトラックの色を変えた理由の一つです。


【マリオカートにおけるカスタム】

青ローラーと赤ローラー。性能は同じですが、体感時間や集中力のことを考慮すると青ローラーの方が断然おすすめです。同様にハナちゃんとそらまめなら断然そらまめの方が心理的負担が軽減されています。

この理由から自分はそらまめ青ローラーを使っています。


【終わりに】

10年以上前から好きで心理学や脳科学のことを勉強していたのですが、まさかゲームのカスタムを決めるのに心理学の知識を利用する日が来るとは思ってませんでした笑

なんなら大会の時には自分自身のメンタルコントロールを勝負の世界へと向けるために色々独り言喋ってて、後から配信見返すとかなりきもいw

でもそのおかげで自分が出せる実力以上のことができているので科学の力恐るべしです笑

次の個人杯に向けてがんばるぞー!

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