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SPEED25周年トリビュート 【SPEED SPIRITS】 レビュー

SPEEDのデビュー25周年を記念した初のトリビュートアルバム「SPEED SPIRITS」が11月11日に発売されました。

参加したアーティストがとんでもないラインナップで、
氣志團
LiSA
Crystal Kay
ビッケブランカ
中島美嘉
BENI
倖田來未
大森靖子
Dream Ami
矢井田瞳
ISSA
(以上敬称略)
という、avex渾身の顔ぶれです。
このアルバムに、我らが高城れにさんが現役アイドル代表?としてお呼ばれしたのです。
ラインナップが発表された時から思っていたのですが、はて、れにちゃんは何故このメンバーの中に入ったのだろう。
いや、決して卑下したりれにちゃんを貶めるつもりは全くないのです。稀代のヴォーカリストやアーティストさん揃い踏みのアルバムに、高城れにさんですよ。どうしたって「何故・・?」という気持ちは否めない。

そんな気持ちのままアルバムがリリースされました。
れにちゃんの分だけ個別でもDLできるのですが、敢えてアルバム全曲をiTunesで購入。なおサブスクはやってません。
新譜は1曲目から順に聴くという流儀に拘っています。
まずは氣志團によるBody & Soul。いきなりごりごりの氣志團ワールド全開。カバー曲を完全に自分のものにしてしまう彼らのスタイルです。めちゃくちゃカッコいい。SPEEDの中でもかなり有名な曲をこんな解釈で昇華しまうのは本当にすごい。
次いでLiSAさんのWake Me Up!、Crystal KayさんのSTEADYと、これまた超有名な曲が物凄い人たちに歌われていきます。お二人とも超絶ハマっていて、ちゃんとそれぞれの世界観で歌っている。
個人的にSPEEDでツートップの曲、White Loveをビッケブランカさん、my graduationを中島美嘉さんが歌います。誰でも知ってる名曲が原曲のイメージを保ちつつそれぞれの解釈で歌われているのが本当に凄いです。
BENIさんのALL MY TRUE LOVE、倖田來未さんのI Rememberも完全にお二人のものになっていて、ヴォーカルの強さを思い知らされます。

そしていよいよ、高城れにさんのGo! Go! Heavenです。原曲はSPEEDが初めてミリオン達成した代表曲ですから、どんな歌い方をしても比較されてしまうのは致し方ありません。さて、どうすべきかと思いきや、れにちゃんは真っ向勝負、正攻法で来たのです。おそらく原曲のキーを変えていないので、この曲の象徴でもあるハイトーンのパートもきっちり歌いきっています。これが滅茶苦茶ハマってました。れにちゃんにハイトーンはあまり馴染みがないので、こんなに巧く歌いこなせるのかとびっくりしたのが正直なところです。
この強すぎるヴォーカリストたちに囲まれて、全くひけをとらずむしろしっかり存在感を出している高城れにさんを、改めて誇りに思うのでした。

次いで大森靖子さんのエキセントリックな世界が炸裂する熱帯夜、Dream Amiさんの切ない声が沁みるPrecious Time、超絶カッコいいカッティングと矢井田瞳さんのヴォーカルのマッチングが絶妙なToo Youngと続き、ISSAさんのALIVEによる荘厳な集大成を迎えます。

ここまで散々レビューしてますが、実はリアルタイムでSPEEDはそれほどハマらなかったことを白状します。
当時センセーショナルに登場し、瞬く間に時代の寵児に昇りつめたSPEEDは世代が微妙にズレていたこともあって、それほど自分には刺さらなかったのです。とはいえメディアでは常に取り上げられ、FMラジオでは物凄い再生回数を重ねていたため、主なヒット曲はもちろん覚えてしまう程度に聴き馴染んでいます。
改めて聴き直すと、90年代終わり頃、世紀末的かつ刹那な世間の空気までSPEEDの楽曲が封じ込めていることに改めて気づきます。そんなSPEEDを2020年代の解釈で再構築する今作の意義は大きいのではないかと思いました。

そしてその作品に高城れにさんを呼んでいただき、本当にありがとうございました。

ジャケットは新垣仁絵さん描き下ろし。

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